今日のワイン 其の5092010/12/19 17:59:41

シャトー・ムリネ・ラセール ポムロール
CHATEAU MOULINET LASSERRE Pomerol 1993

今日のワイン 其の509-1

…と或る方に頂戴したボトルは、ポムロールのムリネ・ラセール。 そんなにメジャーなシャトーでは無いのだが、クロ・ルネと同じワインだそうだ。 不思議な商売の仕方だなぁ… 同じワインを別なブランドで、而も違うプライス(クロ・ルネの方が高い)で、リリースするなんて…
ポムロールらしく、セパ-ジュはメルロー70%、カベルネ・フラン20%、マルベック10%。 比較的早熟タイプと云われる事が多いが、此れは93年。 小生が瑞西(スイス)に住んで居た頃だが、必ずしも良いヴィンテージでは無い様だ。 現在は此処にもミシェル・ローラン氏がコンサルに入って居るが、93年当時は契約前なので、所謂、ローラン・テイスト以前のボトルだ。 17年の時を経て、如何な味わいを提饗して呉れるのか、興味津々。 勿論、デキャンタージュの用意をして、温度管理をして…

今日のワイン 其の509-2

フランネルからデキャンターに広がるカラーは、濃い赤紫のガーネットだが、エッジにはやや橙色が有る。 液体密度が高そうな印象が有る。 デキャンターから香るブーケは、チョコレートとプラムをコアにした果実香。 そして… えっと、埃っぽいと云うか太田胃散なんだけど(笑)… 味わいには、今度のバニラ香は間違い無く樽由来。 ミネラル感の高い味わいに香草系の香りとペッパー系スパイスに混じって、メルローらしい、湿土やスモーキーな感じも伝わって来る。 ミネラルにやや圧され気味の老いた(笑)タンニンが、少しバランスを損なって居る様に思わせるが、仄かな甘味と控え目な酸味な処が、其れを補う。 濃い味では無いのだが、粘度の高さ故のマッタリ感が有り、落ち着いて飲める。
で、落ち着いて飲んで居ると、滑らかさ、柔らかさが向上し、解れた甘味の度合が高まって来る。 だが、嫌な甘さでは無く、紅茶の中の淡いシュガーの様なので、エレガンスに通じそうだ。 成程、流石にヴィンテージの古いボトルはこの変遷を堪能出来るものだ。
何事も急くと碌な事が無い。 幸せな長命を全うしたダンディに献杯。