今日のワイン 其の505 ― 2010/12/19 00:12:03
ベルヴァレー・セラーズ ホール・クルスター ピノ・ノワール
Belle Vallee CELLARS 2007 WHOLE CLUSTER PINOT NOIR
Belle Vallee CELLARS 2007 WHOLE CLUSTER PINOT NOIR
有楽町の「BOTTEGA」での3本目は、オレゴンのピノ。 こう聞いても最近は驚かなく為った。 USのワイン造りはカリフォルニアが有名だが、「次は何処?」と云う質問には、答えられない人が多い。 そう、オレゴンだ(なんと300ものワイナリーが有るそうだ)。 オレゴンはピノの品質の高さで知られるが、バルクワインの生産が極めて少ないので、生産量はカリフォルニアの比では無い。
ベル・ヴァレー・セラーズは、複数の葡萄畑と栽培契約を結んで居り、このボトルも其等の混醸と云う事だ。 赤紫色にシフトした明るいルビーカラーだが、燻んだ色相だ。 恐らくはノン・フィルターだろう。 ストロベリーよりもラズベリーのやや甘いニュアンスのブーケだが、初口の印象は、若いピノらしくフルーティだ。 だが、酸味が弱いので、溌溂としたバーガンディっぽさは、余り感じ無い。 流石、オレゴン? チェリーに加えて、何か香ばしい様な甘さ…が遣って来るのだが、はきとしない。 そして、ドンドンスパイス香が高まって来る。 面白いピノだとは思うが… 少し小生の好みのピノとは、違う印象だ。
このラーメンの丼みたいなデザインのエチケットは好きに為れないなぁ。
今日のワイン 其の506 ― 2010/12/19 10:32:53
カルピネート・ドガヨーロ
Dogajolo Carpineto 2008
Dogajolo Carpineto 2008
大つけ麺博から、Mさんと麺友のマリーさん&Fさん、そして娘夫婦と一緒に廻って来た、有楽町の「BOTTEGA」。 つけ麺の後のカジュアルなシチュエーションで、安価なボトルのオンパレードだったが、最後の1本は一寸だけ変化球。 この御店のリストで、サンジョヴェーゼメインは、この1本だけだった。 高く為り過ぎた「スーパートスカン」に対抗して、リーズナブルなプライスで、其のテイストを…と云うポリシーの会社らしい。 因みに「ドガ」と云うのは、樽の箍(たが)と云う意味だそうだ。 「箍(樽)を飛びだした新しい試み」の意図の様だが、日本語で「箍が外れる」と云うのは、良い意味には使われない(笑)。 エチケットに描かれたリーフは、オークだそうだ。 樽の素材として良く知られて居る樹だが、オークの葉っぱがどんなだか、小生も確認した事は無かったな。 オークは別にしてもこのデザインは好きだ。 エンボス加工も入って、コストが掛って居る見たい…
グラスの中は、濃いが透明度の高いルビーカラー。 バニラ香が強いな… エチケットに合わせてオーク樽由来なんだろうか… いや、其れは違いそうだ。 カカオやコーヒーのブーケに黒い果実とスパイス… 此れはCSの様相… あ、やっぱり、20%程加わって居るそうだ。 口に含むと、意外にサンジョヴェーゼの酸味は少なく、比較的大人しい印象。味わい的には、良く有るプルーン/カシス…で、比重は高く無いのに、一生懸命濃厚… そんな無駄な?頑張りを感じる処が、値段相応なのだろう。 販売元としては、「スーパートスカンで、このプライス」と驚いて欲しいのだろう。 悪くは無いとは思うが、吃驚する様な玉では無いな。
今日のワイン 其の508 ― 2010/12/19 10:47:11
(507はハートのスパークリングとして、2ヶ月以上前にアップ済)
ルイ・レミー/シャンボール・ミュジニー・レ・フレミエ VV
LOUIS REMY/CHAMBOLLE MUSIGNY LES FREMIERES VIEILLES VIGNES 2002
ルイ・レミー/シャンボール・ミュジニー・レ・フレミエ VV
LOUIS REMY/CHAMBOLLE MUSIGNY LES FREMIERES VIEILLES VIGNES 2002
10月1日、渦の芳実オーナーのスペシャルハッピーな夜に持ち込んだもう1本は、マダムレミーのシャンボール・ミュジニー。 良いヴィンテージの筈の02年。
ルイ・レミーの評価は結構、極端に分かれる。 確かにRPの好みとは思え無いが、あれ程に悪し様に書か無くても良かろう… 何か有った? 確かに家族経営で有り乍、相続争いの結果、弟権利の畑(クロ・ド・ラ・ロッシュ等)は悉くルロワ女史に売られて仕舞ったのは、評判を悪くしたが… 一方で、伝統的エレガンスの彼女の作品を評価する声も少なく無い。
毎年、生産量の半分以上を出荷せずに保管して置き、タイミングを計ってリリースする昔乍の商法のドメーヌ。 だから、2002年なんてヴィンテージが今頃、ひょっこりと出て来る。 レ・フレミエは、予想通りシャンボール・ミュジニーでも北の方に有る畑で、村名のアペラシオン。
屈(くぐもる:はっきりしない)もった印象の煉瓦色の液体で、此れもノンフィルターだろう。 ブーケは穏やか、と云うよりは儚く頼り無い果実香で、やや埃っぽい印象に為る。 口に含むと、成程、『陰性』のワインって、こんな感じか…と納得する様なそんなタイプだ。 酸味もタンニンも主張が少ない。 そうは云っても、何処か優美なエレガンスが無い訳では無い。 サナトリウムから戻って来たばかりの色白だが奇麗な肌の御嬢さんが、陽差しを気にして、帽子を片手に御屋敷の柱の陰から白い花が一杯の初夏の庭を見詰めて居る。 そんなイメージなのだが… 淡いが複雑な果実香には、腐葉土や杉皮のニュアンスが漂う。 少なくとも小生の好みにはマッチしないのだが、世間の評価も二分され…。 う~ん、静謐なピノは難しい。