今日の渦 其の3032010/05/09 15:53:22

タイミングが合わず、御無沙汰続きだった渦の常連のRさんからメールが届く。 曰く、「カウンターでひとり、飲んでます」。…「1時間で行きます」と飛び出す。 3回の乗り継ぎが非常に上手く行き、22時前に本鵠沼へ到着。 雨の所為か、波は有ったものの、比較的、まったり営業だったらしい。

今日の渦 其の303-1

何時もの席に入れて頂いて、ビールを御願いする。 駅から競歩で来たので、喉が刳辛っぽい、と言訳を(誰に)して… と、芳実オーナーが、「どのビールにします?」と自慢げにメニューを開く。 ワインばかりで無く、ビールも色々と取り揃えた様だ。 益々、バーにシフトして行くね(笑)。 ブログに書かれて居た色っぽいボトルかと思ったが、店の品格を考えて自粛したらしい。 で、ギネスのスタウトを御願いする。 実は黒ビールは相当好きなのだ。 苦い味は結構、好みだが、我家では奥さんも娘も敬遠するので、仕入れが滞って居る内に、小生が痛風に為った。(脚色有)

今日の渦 其の303-2

Rさんも結構、聞こし召されて居る様だし、この時刻からワイン1本はもう無理と云う事で、グラスで白を2杯。 この夜はこんなモンでしょう。 芳実オーナーに、野菜だけでサラダを造ってとリクエストして、こんなのを頂きました。 胡麻風味のドレッシングが、体調に見合って居て、美味しかった。
翌日、御仕事と云うRさんを随分引き留めて仕舞った。 責めての罪滅ぼしにタクシーで御送りして引き上げる。 偶にはこんな事も…の訪渦でした。 扨、〆のラーメンを何時、頂きに上がろうかな。

今日のワイン 其の4262010/05/09 15:59:05

M.シャプティエ ドメーヌ・トゥルノン マウント・ベンソン・シラーズ
DOMAINE TOURNON Mount Benson SHIRAZ M.CHAPOUTIER 2006

「タロンガ」での2本目。 当然、今度はシラーズだ。
サポートスタッフの御兄さんが、シャルドネの時と同じグラスを持って来られたので、流石に「大きなグラスで…」と御願いした。 サービスで売るホテルだから、直ぐに下がって行ったのだが、中々、戻って来ない。 恐らくは、メインダイニング迄、取りに行って呉れたのだろう。 一寸、気の毒をしたと思い乍、グラスが1種類は無いだろう、とも思った。 御兄さんが「大きなグラス」を手に戻って来たので、「上迄、取りに行って呉れたんだね」と礼を云って居ると、黒服氏が「Grill & Wine と云って居るからには…」と、小生の心を見透かして仰る。 屹度、御兄さんは葡萄の種類を伝えて、ソムリエさんにでも選んで貰ったのだろう。 適切なグラスで良かった。 其の大きなグラスに、黒服氏が力強く注いで呉れる。(納得)

今日のワイン 其の426-1

シャプティエ社と云えば、南仏はローヌの高名なネゴシアンで、当然、シラーで名を馳せて居る。 其のシャプティエが、オーストラリアで目を付けたのが、トゥルノン・エステート。 だから、このビオディナミ農法と仏蘭西様式で醸造されるシラーズのボトルは、遥かローヌの香りがするのだ。 エチケットに大きく書かれた「Australia」の文字に色は無い(フォトだととても判り難い)が、エンボス加工して有る。 更にローヌのシャプティエのエチケット同様に点字が刻印されて居る。 そんな目の不自由な方に配慮したエチケット。

今日のワイン 其の426-2

グラスは、黒い紫色に光って居る。 ブーケも非常に強く、このスパイシーさなら、これだけはブラインドでも、シラーズと当てられそうだ(本当?)。 蒸せる夏草や白い花の系統、勿論、ブラックベリーも… そんな集団的芳香。 好きだなぁ… 黒服氏が、或る程度の勢いで注いで呉れた(デキャンタージュの必要は無いだろうと)所為も有ろう?が、行成全開見たいなキャラクターで、先日のラネッサンの100倍速い?。 凝縮果実はパワフル(度数も15%)で…と、販売マニュアル見たいな台詞しか思い浮かばないのだが、タンニンがスマート、この「らしからぬエレガンス」は、ローヌ由来、として置こう。
RPが91点を付けたのは2004年ヴィンテージだが、10年や15年は充分イケそう。 だが、何時もの事乍、このボトルを10年間セラーに留め置くのは難しい。

今日のワイン 其の4272010/05/09 16:04:11

ヴォーヌ・ロマネ ベルナール・マルタン・ノブレ
Vosne Romanee Bernard Martin Noblet 1999

駒込で西尾さんの一杯を頂いた後、Mさん御夫妻と川崎のエノヴィーノにドロップイン。 此処は以前にはユウタや娘と良く伺ったものだが、1年振り位の訪問。 見知ったスタッフの顔も無く、月日の移ろいを感じる。
リカーショップでピックアップしたボトルを隣接するカフェへ持って来て貰う、と云うパターンだが、この日最後の1本は、穏やかなものを…と、ヴォーヌ・ロマネ。 少し、怪し(くは無いか)い、否、変化球っぽい?選択は、マルタン・ノブレ。

テーブルにボトルを置いた儘、スタッフの御姉さんが下がる。 そんなタイミングにボトルを傾けてエチケットを見て居ると、件の御姉さんが困った様に仰る、「あ、澱が広がって仕舞いました… 御了承下さいね。」と、あんたが悪いと仰る。 更に「云って置けば良かったですね」と付け加える。 ほうほう、どれ程のエキスパート殿なのかは存知上げ無いが、そんな物云いをする位だから、ソムリエーヌさんでは有るまい。 抜栓は手際が良いと云うよりも、慣れていらっしゃる様なので、御店の経験は長いのだろうが、前述の態度だけで、ワインサービスに携わる者としての合格点は貰えまい。
其れに、云わせて頂けば、このワインにボトルを傾けただけで広がる程の澱が有ると御思いか? 傑出した99年のヴォーヌ・ロマネでも、マルタン・ノブレだ。 彼のワインの特徴は、「熟成期間に拘わらず、ワインはきれいなまま」(インポーター資料)。 試験に出て来る様な話では無いが、自分の店のワインなら、知っておくべきだろう。 とは云う物の、10年以上のボトルを無造作に傾けた小生も無作法と云われて、仕方が無いね(汗)。

今日のワイン 其の427-1

扨、既に現役を引退されたマルタン・ノブレ氏は、「DRC社の現醸造長ベルナール・ノブレの叔父にあたり」との事だが、要は甥っ子の方が有名と云う訳だ。 氏のコレクションの中から限定輸入とか… この村名ワインは何ともクラシカルなデザインのエチケットだが、狙いなんだろうか。 村名とは云う物の、以下の様な記述が…

このボトルの中身は、実はあの特級畑[ラ・ターシュ]と、一級畑[マルコンソール]に隣接する超極上の[ダモード]畑が100%!!。しかもその樹齢たるや70年~80年という、信じられないピノ・ノワールだけで造られているんです!!。

ま、御隣さんの「ラ・ターシュ」や「マルコンソール」の名前を挙げて売ろうとするのは常套手段だが、「ダモード」ならヴォーヌ・ロマネではなくて、ニュイ・サン・ジョルジュだよねぇ。(ヴォーヌ・ロマネに接しては居るけど) だから、販売会社のホームページの記述は信じない事にして居る(笑)。 でも、99年はRP92点か。 RPを信じて居るか、は疑問だが、参考にはして居るな。

今日のワイン 其の427-2

ワインの本質以外(でも大事かも)の記述が長く為ったが、過日、ヴァン・ドゥ・ヴィでこの日も御付き合い頂いたMさん夫人のNちゃんと一緒に飲んだ、ブレのシャンボール・ミュジニーの対極を為すピノで有る。 色からして、少しくすんだ印象で臙脂掛った濃さで、あの溌剌とした華やかさとは程遠い。 当然の様にブーケは艶然として居る。 贈られてから2,3日を経た花束の香とレッドチェリー系に、古酒の熟成香、所謂、鞣革の香りを感じる。 口にすれば、少しスパイシーなのが意外だったが、もっと意外なのはペッパーが出て来る事だ。 ピノだよねぇ… オークは樽由来だろう、其れに適度な酸味。 美しくもエレガンスに満ちては居るが、一般的な「枯れピノ」とも違う。 元は深窓の令嬢だった小母さんが、行き遅れて仕舞い、今でも其処に立ち続けて居る… あ、酷いかな(笑) そんなイメージが湧いて来る。 だが、味わいのピークを過ぎたとは申し上げて居ない。 この方は令嬢の時よりも、今の方がずっと魅力的な筈だ。 だが、パーティ、否、舞踏会で御話をするのを楽しみにしては居るが、御嫁さんにしようと云う男性は少なく為って仕舞った、のかも。 毎日は飲めないが、アンニュイな気分の雨の夜の相手には、とても都合の良い一杯を齎して呉れる、そんなボトル。 彼女が若かったら…、このワインを数年前に飲んだら… そんな郷愁に想いを委ねて飲みたい、そんな稀有な魅力が有る。 ピノの多様性の魅力に改めて、気付かされた有り難いボトルでした。 此れにして良かった!
そして、エノヴィーノの御姉さんに当て付ける様に申し上げよう、確かにこのヴィンテージにしては奇麗な液体(流石に若ピノの様な清潔感は感じないが)で、グラスにもボトルにも見える程の澱は無い。(執念深い性格なもんで…) 勿論、澱の多寡とワインのクオリティに直接の因果は無い。
そして、此処でもすっかりMさんの御世話に為って仕舞った。 御馳走様でした。
 ( ^o^)/