今日のワイン 其の4272010/05/09 16:04:11

ヴォーヌ・ロマネ ベルナール・マルタン・ノブレ
Vosne Romanee Bernard Martin Noblet 1999

駒込で西尾さんの一杯を頂いた後、Mさん御夫妻と川崎のエノヴィーノにドロップイン。 此処は以前にはユウタや娘と良く伺ったものだが、1年振り位の訪問。 見知ったスタッフの顔も無く、月日の移ろいを感じる。
リカーショップでピックアップしたボトルを隣接するカフェへ持って来て貰う、と云うパターンだが、この日最後の1本は、穏やかなものを…と、ヴォーヌ・ロマネ。 少し、怪し(くは無いか)い、否、変化球っぽい?選択は、マルタン・ノブレ。

テーブルにボトルを置いた儘、スタッフの御姉さんが下がる。 そんなタイミングにボトルを傾けてエチケットを見て居ると、件の御姉さんが困った様に仰る、「あ、澱が広がって仕舞いました… 御了承下さいね。」と、あんたが悪いと仰る。 更に「云って置けば良かったですね」と付け加える。 ほうほう、どれ程のエキスパート殿なのかは存知上げ無いが、そんな物云いをする位だから、ソムリエーヌさんでは有るまい。 抜栓は手際が良いと云うよりも、慣れていらっしゃる様なので、御店の経験は長いのだろうが、前述の態度だけで、ワインサービスに携わる者としての合格点は貰えまい。
其れに、云わせて頂けば、このワインにボトルを傾けただけで広がる程の澱が有ると御思いか? 傑出した99年のヴォーヌ・ロマネでも、マルタン・ノブレだ。 彼のワインの特徴は、「熟成期間に拘わらず、ワインはきれいなまま」(インポーター資料)。 試験に出て来る様な話では無いが、自分の店のワインなら、知っておくべきだろう。 とは云う物の、10年以上のボトルを無造作に傾けた小生も無作法と云われて、仕方が無いね(汗)。

今日のワイン 其の427-1

扨、既に現役を引退されたマルタン・ノブレ氏は、「DRC社の現醸造長ベルナール・ノブレの叔父にあたり」との事だが、要は甥っ子の方が有名と云う訳だ。 氏のコレクションの中から限定輸入とか… この村名ワインは何ともクラシカルなデザインのエチケットだが、狙いなんだろうか。 村名とは云う物の、以下の様な記述が…

このボトルの中身は、実はあの特級畑[ラ・ターシュ]と、一級畑[マルコンソール]に隣接する超極上の[ダモード]畑が100%!!。しかもその樹齢たるや70年~80年という、信じられないピノ・ノワールだけで造られているんです!!。

ま、御隣さんの「ラ・ターシュ」や「マルコンソール」の名前を挙げて売ろうとするのは常套手段だが、「ダモード」ならヴォーヌ・ロマネではなくて、ニュイ・サン・ジョルジュだよねぇ。(ヴォーヌ・ロマネに接しては居るけど) だから、販売会社のホームページの記述は信じない事にして居る(笑)。 でも、99年はRP92点か。 RPを信じて居るか、は疑問だが、参考にはして居るな。

今日のワイン 其の427-2

ワインの本質以外(でも大事かも)の記述が長く為ったが、過日、ヴァン・ドゥ・ヴィでこの日も御付き合い頂いたMさん夫人のNちゃんと一緒に飲んだ、ブレのシャンボール・ミュジニーの対極を為すピノで有る。 色からして、少しくすんだ印象で臙脂掛った濃さで、あの溌剌とした華やかさとは程遠い。 当然の様にブーケは艶然として居る。 贈られてから2,3日を経た花束の香とレッドチェリー系に、古酒の熟成香、所謂、鞣革の香りを感じる。 口にすれば、少しスパイシーなのが意外だったが、もっと意外なのはペッパーが出て来る事だ。 ピノだよねぇ… オークは樽由来だろう、其れに適度な酸味。 美しくもエレガンスに満ちては居るが、一般的な「枯れピノ」とも違う。 元は深窓の令嬢だった小母さんが、行き遅れて仕舞い、今でも其処に立ち続けて居る… あ、酷いかな(笑) そんなイメージが湧いて来る。 だが、味わいのピークを過ぎたとは申し上げて居ない。 この方は令嬢の時よりも、今の方がずっと魅力的な筈だ。 だが、パーティ、否、舞踏会で御話をするのを楽しみにしては居るが、御嫁さんにしようと云う男性は少なく為って仕舞った、のかも。 毎日は飲めないが、アンニュイな気分の雨の夜の相手には、とても都合の良い一杯を齎して呉れる、そんなボトル。 彼女が若かったら…、このワインを数年前に飲んだら… そんな郷愁に想いを委ねて飲みたい、そんな稀有な魅力が有る。 ピノの多様性の魅力に改めて、気付かされた有り難いボトルでした。 此れにして良かった!
そして、エノヴィーノの御姉さんに当て付ける様に申し上げよう、確かにこのヴィンテージにしては奇麗な液体(流石に若ピノの様な清潔感は感じないが)で、グラスにもボトルにも見える程の澱は無い。(執念深い性格なもんで…) 勿論、澱の多寡とワインのクオリティに直接の因果は無い。
そして、此処でもすっかりMさんの御世話に為って仕舞った。 御馳走様でした。
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