今日の蔦 其の52012/02/09 01:01:00

東海道線の下り電車が川崎駅を出る処。 ラーメンシンフォニーのめじろで、ユウタが馬車馬の様に直走って居た頃、毎日此処に通った事をふと思い出して居た。 と、其のユウタからメール。 「蔦に行きます」との事。 翌日はロックンロールワンが御休みで、時間が空いたらしい。 蔦のテイストをユウタにも味わって欲しいと書いた身としては、Uターンせざるを得まい。 渦は後日にリスケだ。 「芳実オーナー御免なさい」と、横浜から湘南新宿ラインで池袋へ。
ユウタが到着する迄時間が有ったので、東武の中のエノテカへ。 西尾さんの忘年会の時に此処を知って以来4回目の訪問なので、結構なペースだ。 背は高いけれど可愛い御嬢さんが、小生を覚えて居て下さった。 しかも、頂いたボトル(モンローズ)迄… 商売上手とは云え、嬉しいものだ。 で、余計な買物は、入荷したばかりの2009年のフーリエ、モレ・サン・ドニだ。 良い御値段でして(汗)…

今日の蔦 其の5
巣鴨駅で待ち合わせて、ユウタとロックンロールワンのスタッフのTさんと3人で、蔦の暖簾を潜る。 あ、寒いと思ったら、雪だね。 ビールはラーメンの後と云うのは、プロの嗜みと云った処か。 Tさんは前日も来られたとの事で、煮干の大盛。 ユウタと小生は、醤油だ。 相変わらずの小生好みのスープは、仄かな甘さを感じる鶏風味。 醤油の向こうに幽かな煮干。 Tさんの煮干スープを啜ったユウタが、煮干処理が非常に丁寧だとコメントして居たが、醤油スープの洗練度は尚更だ。 細麺の喰感が更に向上した見たいだ。 餅ぃ感じが少し増して、良いねぇ。 2種類のチャーシューも良いが、蔦のメンマは太くて大きいし、適度に柔らかい。 此はとっても好きなタイプだ。 ユウタも美味しいとのコメントで、来た甲斐が有った様だ。 ラーメンを頂くと小生はもうビールは入らない感じに為って仕舞う。 店内が混雑し始めた事も有って、この夜はラーメンだけで席を空ける事にした。

今日のワイン 其の6882012/02/09 02:02:00

リンクリン/シュペートブルグンダー
Rinklin / Spatburgunder 2009

ユウタとTさんと蔦を後にした後、折角の機会なので池袋でワインと決めて、巣鴨駅からタクシーに乗った。 シニアなドライバー氏は、駒込駅近辺迄迂回して走る。 態と馴染みの無い様な住宅街の路を抜けるので、此は確信犯だ。 小生が判らないとでも思ってるのかしらん。 でも、彼の御歳が気の毒に為り、何も云わなかったのだが、其れで良かったのだろうか? 最近、どうもタクシー殿に恵まれない。 御時勢なのだろうか?

到着したワインバーは「ete」。 以前に一度伺っただけだが、ハキハキした奥様と穏やかだが拘りの御主人の御店だ。 階段は狭いが、店内はそこそこの広さが有る。 奥様は「明朗会計」がモットーの様で、何にでもプライスやバジェットを明確に謳い、問われるのだが、やや苦笑いだ。 トリートして差し上げようと云うゲストの前で、予算を詳らかにしたく無いケースも有るんじゃないかな。 この夜の小生はそうでは無かったけれど… ま、カジュアル感を前に出した店と云う事なのだろうが、プライス其物は、然程、熟れては居ない。 だから、コストを明瞭にして居るのかも知れないけれど。 カウンターには、ワインよりも?可愛い奥様との会話を楽しみたい常連男性が2名。 奥様のタメ口に嬉しそうだ。 あ、小生も混ざりたい訳じゃないからね…多分。 気配りと云うよりも、レーダーの性能が良い(笑)奥様は、我々の会話内容も忖度して、ボトルを選んで下さった。
尚、この店の黄色い照明は好きに為れない。 (フォトはホワイトバランスを弄って居る) ワインバーでこの色は、How come? よもや紫煙の付着を打ち消そうとして居るのでは、と疑いたく為る。 明らかに煙草臭が店内には有るよね…

今日のワイン 其の688-1
そんな1本目は、ドイツのシュペートブルグンダー。 詰まり、ピノ・ノワール。 余り飲まないタイプ(1回懲りて居る)なので、アグリーして見た。 このボトルの故郷、バーデンは以前に小生が暮らして居た瑞西(スイス)の国境の街、バーゼルの隣に位置する独逸の州。 シュヴァルツヴァルドで知られる。 当時の同僚(後に外国人で一番親しい友人に為った)がフライブルグに住んで居た事も有って、何度か訪ねた事が有る。 リンクリンのミュラートゥルガウ(白)は何度か頂いたが、シュペートブルグンダーは多分、初めて頂く。 ビオに拘ったボトルらしく、インポーターはラシーヌ。

今日のワイン 其の688-2
クリアでクリーンな美しいピノカラーだ。 相当にライト系なカラーでは有るが、活発なブーケが素敵だ。 チェリーとストロベリーの穏やかな酸味がブーケからも感じ取れる。 このイメージは、アルザスのピノに似て居るのは、距離からして当然なのだろうか? 同じ位のプライスのブルゴーニュよりも余程洗練されたテイストで、やや硬質で冷涼なチェリー、ベリーの果実感では有るが、溌溂とした印象を損なう物では無い。 こう云う造りなら、兎もすると水っぽいワインに仕上がるのだが、此れは軽いタイプで、多少のチープ感は残る物の揺るぎ無さも感じる。 芯の確りした、中学校で級長をする様な良家の御嬢さんのイメージだ。 浮世のむしゃくしゃを笑い飛ばしたい時に飲みたいかも… でも、其れなら、夜では無くて初夏のガーデンで、ね。

今日のワイン 其の6892012/02/09 03:03:00

ドメーヌ・ボワ・ド・ブルサン シャトーヌフ・デュ・パプ
Domaine Bois De Boursan Chateauneuf-du-Pape 2008

今日のワイン 其の689-1
ユウタと飲んだ2本目は、コート・デュ・ローヌ。 奥様が持って来られたのは、ヴィノム(リーデル)のシラー用のグラス。 ふむ、グルナッシュとシラーとムールヴェードルと… 其他色々だろうが、此れは美味かった。 「重さ一辺倒では無くて」、と云う小生の台詞を傍受して奥様がセレクトされたのは、シャトーヌフ・デュ・パプ。 ユウタが舌を噛みそうな名前だが、アヴィニョンの法王庁が14世紀に夏の離宮をこの村に設けたので、この名が有る。 今でも法王に献上して居る筈だが、このボトルの造り手はボワ・ド・ブルサン。

今日のワイン 其の689-2
濃い色の液体だが、照明がイエローな暖色系を使って居るので、ちと判別が難しい。 燻んだガーネットに紫が走るのかな。 ワインは色も楽しみの内なのだが… ブーケは多少シガレットの臭いに邪魔される物の、確りしたタイプなので、此方は判断が付く。 熟成感の高いチェリーは赤か黒か? 其れにラズベリー。 ふわぁ~と柔らかい甘さは紅茶見たいで、更に白い花と香草… 革とか煙草は此処由来か(笑)。 味わいは、「ザ・ローヌ」見たいな極めて正統派の造りを充分に感じる。 ベルベッティな舌触りに流れる味わいは、抑えた甘さとハーブ感を従えた熟成果実感。 こう云うスタイルは大好きだ。 徐々にミネラル感が攻めて来るのだが、花と香草が其れを引いて行く様な非常に複雑な動きの味わいだ。 勿論、タンニンやフレッシュな酸味のレベルはピタっと決まって居て、バランスを崩さない。 2008年は厳しいヴィンテージだった様で、上級キュヴェで有るフェリックスのグルナッシュを此方に使ったと云う記述を見付けた。 此れは奥様のファインプレイだと思ったが、毎度の事乍、この金額をネットに投じれば、其の上級キュヴェが手に入る… チーズも御主人の手に依る焼野菜も美味しくて、中々使い勝手が良さそうな御店だ。 但し、煙草臭だけは…
久し振りにユウタの話も沢山聴けて良い機会だった。