颱風12号2015/07/26 20:01:49

颱風12号(ハロラ)が19時頃に佐世保に上陸。 其の影響も少しは有るのか、26日は関東も異常に暑く、14時前に大手町でも35.8度。 2015年初めての猛暑日と為った。 一方、同時刻の地元のアメダスは29.6度を示す… 助かるわぁ、日曜日で良かった。

此の颱風は、例外だらけなので取り上げて見たい。 日本では台風は番号で呼ばれるが、国際的には政府間組織で有る「台風委員会」が付ける名称が使われる。 委員会はアジア諸国とUSの14ヶ国で構成されるが、殆どの場合、アジア諸国が予め提案した名前のリストに従って名前が付けられる。 だが、「ハロラ」は日付変更線の東側で発生した熱帯性低気圧にUS(ハワイ)で付けられた名前だ。(アメリカ海洋大気庁は熱帯性低気圧が発生した時点で名前を付ける)
颱風12号-01
日付変更線の東側で生まれたので、素性は「ハリケーン」。 だから、他のハリケーンの卵と同様にUSで命名された。 「ハロラ(HALOLA)」はハワイの女性名だ。 昔はハリケーンの名前は女性名と決まって居たが、1979年以降は男女の名前を交互に使う様に為って居る。 「ハロラ」は西進して、日本時間の7月13日の0時頃に日付変更線を越えるのとほぼ同時に勢力を強めて「台風」と為った。 こう云う経緯の台風は「越境台風」と呼ばれる。

颱風12号-02
通常なら命名リストに従って、ミクロネシア提案の「ソウデロア」と呼ばれる筈だったのだが、「越境台風」為るが故に元々の名前の「ハロラ」で通す事に為った。

颱風12号-03
其後、衰弱して中心付近の最大風速が17m/sを下廻ったので、一旦は台風の称号を剥奪された。 予想された事では有ったが、水温の高い海域に至り、再び発達して台風勢力を盛り返した。 詰まり、「復活台風」で有る。 「越境台風」と「復活台風」の両方の経歴を持つ台風は、記録上2個目と稀なケース。 そんな事情も影響したのかどうか、気象庁の進路予想がこんだけ外れたのも珍しい長寿な御転婆娘(もう御婆さんだが)だった。

颱風12号-04
7月21日発表の気象庁の5日間予報の大きな最終予報円の中心は静岡南方沖だった。
颱風12号-05
だが、実際の経路は奄美大島を掠めて北上して、26日19時の位置は佐世保付近だ。 気象庁は予報円に台風の中心が入る確率は70%として居るが、外れた。 上陸間近に為っても、米軍予報の方が可也正確だったし… 毎年、気象庁では台風進路予報の評価を行うが、今回は評価が低そうだな…

一方で、「ハロラ」はもうひとつの大記録を達成した。 其れは「越境台風」で最も西に到達したと云う記録だ。 此迄の記録は東経129.6度だったのだが、彼女は129度丁度に迄達したのだ。 彼女が生まれたのは西経170度付近だから、2週間程掛けて地球を1/6周もした事に為る。 今や、998hPa・20m/sに…御疲れ様でした。

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