麺屋KABOちゃん 其の108 ― 2015/04/11 01:01:00
今日の渦 其の618 ― 2015/04/11 23:23:00
土曜日の夜、訪渦。 最近はウィークデイの早い時刻に伺う事が難しく為ったので、ゆっくりしたい時は週末に為って仕舞う。 余り粘着すると1席デッドにする分、御待たせする方を増やして居る…のかも知れないが、「Bar」の3文字に縋って許して頂きたい。 座敷席が出来たので足引張度も減じられたと思うのだが、其れにしても宴会・女子会等も有って大入りだ。 小生は当然(笑)SPで到着したのだが、混雑予感。 スタッフに面倒を余り掛けずに緩いペースで飲むならワインに限る。 次回は此れ、と決めて居たバルバレスコ。 ワインを頻繁に飲まれない方には少し受けないイメージが有ったので、独り飲みに良さそうだと思って居た。 選酒のロックスオフの御店主は恐らくは小生の顔を思い浮かべてセレクトしたんじゃないかしらん。
渦のセラーは赤ワインには少々寒い。 で、変態カラフェをAちゃんに出して頂く。 あ、既に混み始めたのに面倒を掛けて居るな…
此のフォトを撮ったのが、入店34分後(笑)。 のっけから大賑わいの時は、其れで良い?ので有る。 此れはトラディショナルなバルバレスコだ。 口が引き締まる感じは無いが、ネッビオーロの皮ってこんなに渋いのかな… タンニンの渋さは別なレイヤーに有り、其れは纏まりが良い。 酸味もそこそこ有り、渋さと絡んで大人、いやシニア好みのテイストなんじゃないかな。 枯れた果実感は、ドライフルーツに赤系統のチェリー。 少し痩せた佇まいの40歳前後のマダムが、ポイント以外を地味に仕立てたドレスで話し掛けて来るイメージだ。 美人では無いが、話し上手で魅力的な女性… 液体の温度が上がって来ると艶やかなアルコール感が出て、マダムが聞し召した印象に為る(笑)。 アルド・アンコ翁は先日鬼籍に入られ、後継者も居ないので次のヴィンテージで終焉と云うのは何とも残念な話だ。
良く仕出かす失敗に備えて、壁の電灯スイッチのON/OFFを撮る。 此れが有れば、肩でバチっとか遣っても自力で復旧出来る…筈(笑)。
全然一段落なんかしない状況なのだが、割り込ませて頂いたのは…
チャーシュウのリエット。 ワインにピッタリ。 沢山有るので、豪快に麺麭に乗せて頂くのが美味い。
ピザはマルゲリータ。 春のピザは、此れでコンプリート。 何れも好みだったけれど、赤ワインと合わせるなら此れが一番かな、美味也。 「マルガリータ」はカクテルでした…ね。
定番の鶏皮餃子、5個。 アルド・アンコ翁のバルバレスコに妙に合うんだけど…
主麺。 「湘南湯麺 雅」は、渦のベースに位置する醤油ラーメン。 小生が此れを頂く事はそう多くは無く、況してや夜営業では殆ど無い。 で、ケンちゃんの「確認」が入る(笑)。 そう、新しい名刺用にフォトテイクしたかったと云う理由も有ったのだが、久し振りにじっくり味わって見たかったのだ。 或る常連さん曰く、「XXさんの渦のラーメン感想は、他の店に比べて淡白ですよね」… あ、あらそうだったかしらん(汗)。
丼を持ち上げて香りを確かめると鶏と魚介の風味が柔らかい印象で膨らんで来る。 スープのテイストは、香り通りのエッセンスに切れの有る醤油。 キレっキレ、と云うのでは無く、先端の痛い処は上手に丸めて有ると云うイメージ。 酸味かと思って追い掛けて行くと何処かでチャーシュウ由来だろうか、甘味に化けて、醤油の中に消えて行くと云う構成の妙には老獪ささえ思わずには居られない。 香るオイルでそっと覆われたスープは淡麗基本で有る事は云う迄も無いが、秘めた力を湛えた味わいに改めて感心。 一方の麺は加水率の高さにも拘わらず、柳腰の喰感が良い印象。 小麦粉の風味の度合が適切で、スープと充分以上に馴染む。 贔屓の引き倒し見たいに為るので余り言及しないが、卓越した一杯が其処に有る。
此夜は大変な賑わいで厨房は戦場、スタッフは走り廻る。 グラス片手に意地悪く拝見して居たが、「コイツラ、すげぇ~」。 陣容は店長のケンちゃんにシンゴ君、ムネちゃん、Aちゃん。 司令塔のケンちゃんは後頭部にも目が付いて居て、耳は兎並に回転するんだろうな… まぁ、良く見て居る、聴いて居る。 そして、秒単位での指示… 小生だってマネジメントの経験が無い訳では無いが、精々時間単位での指示しか出した事が無い。 其れに比べると彼等の刻々と変わる状況への対応力は大した物だ。 此のラズマダズが統制されて居る(妙な云い方だが)と云うのは驚きだ。 3人のスタッフも指示を受けて熟なすだけでは無く、必要ならアレンジを加え、店長に伝えるのは勿論だが、細かい処に迄気配りが出来て居る。 店内サンダルの向きを直し、内と外に御待ちの御客様への対応。 少しでも客を待たせない工夫。 其の間にも客の冗談に付き合い、小さな御子さんにも優しく声を掛け…と、まぁ完璧な動きだ。 そして表情も物腰もフレンドリーだし、何よりも、「大変だと云う悲壮感」が無い。 時にスタッフ同士で笑顔を交わす… 天晴な連中にこっそり乾杯。