今日のワイン 其の704 ― 2012/03/31 10:00:31
モレ・サン・ドニ クロ・ソロン ドメーヌ・フーリエ
Domaine Fourrier / Morey-Saint-Denis VV 2009
最近、ちょくちょく寄るのが、池袋のエノテカ。 西尾さんの忘年会に伺う際に知った御店だが、蔦が巣鴨にオープンしてから訪問頻度も上がったと云う次第。 御気に入りの女性クラークがいらっしゃる所為かも。 彼女に勧められたフーリエのコート・ド・ニュイのボトルの中から、敢えて余り飲まないで来たモレ・サン・ドニをセレクトした。 このヴィンテージでは、如何にも早い…とは思ったのだが、Cさんの誕生日に渦で抜栓。 コルク栓が非常に硬くて、蝋シールを剥がしてからソムリエナイフを使ったのだが、少し斜めにスクリューを入れて仕舞った事も有って、老年力では手子摺る。 常連さんが中年パワーで抜いて呉れたので、助かった。
最近、売出中の新進気鋭の造り手、ジャン・マリー・フーリエ。 自ら「テロワリスト」と称する(如何にも御若い)彼の評価は、ワイン・マスメディアが盛り上げ過ぎなんじゃないかと思って居たのだが…

紫掛かったガーネットカラーだが、結構透き通って居る。 アロマは強く無いのだが、スワーリングして遣ると大粒の黒いチェリー系のブーケを感じる。 強くは無いが甘味も確り有って、ヘイゼルナッツ見たいな香りも少々。 口に含むと、やっぱり硬いねぇ。 タンニン由来とは違う様な、漢方薬系の苦みも僅かに感じられる。 酸味だけは最初からハッキリと出て居るが、ブーケに感じた甘味がゆっくりとだが、湧き上がって来る。 ミネラル感も判り易いのだが、此れが瑞々しいのか、淡いのか…微妙なタッチで、結局、若いんだと、結論を其処へ持って行って仕舞う。 確かに古いタイプのブルゴーニュの印象は感じ取れるのだが、旨さが伴って居ないと云う処だ。 若いブルゴーニュを御好きな方には、この硬さも愛嬌なのだろうが、だとすれば、責めて溌溂感が欲しいと小生は思う。 陰性のピノの硬さは好きに為れないなぁ。 最近のフーリエは、早熟傾向と耳にしたのを過信した様だ。 未だ其の実力を充分に発揮するには時間が必要と云う観点で、将に造り手と同じポジションに有ると思わされたボトルだった(安く無かったのにぃ)。 後、5年?、10年?…
今日のワイン 其の705 ― 2012/03/31 13:59:45
パライソ・ピノ・ノワール・ウエスト・テラス
PARAISO SANTA LUCIA HIGHLANDS Pinot Noir West Terrace 2007
Cさんの誕生日に、常連氏が渦に持参されたUS仕様のピノ。 氏が馴染みにしていらっしゃる「ヴィノスやまざき自由が丘店」から来たのだろう。 モントレーはカリフォルニアの素敵な町で、USでは唯一、もう一度訪ねたい場所だ。 サンタルチア高原の「ウェストテラス」、2007年の彼地は天に恵まれた。 其れだけに、評判のパライソならではの期待が掛かる。

張りの有るピノカラーだが、深みも感じさせる。 先のフーリエのボトルとは対照的なピノだが、ブーケも確りして居り、ストロベリー、チェリーと雑草の青さが少々。 口にして最初に思う事は、「酸味控目」。 此程、酸味を抑えたピノは珍しい。 其の分、口当たりはとても優しい。 湿った印象のタッチなのだ。 ブーケには殆ど無かったヴァニラやコーヒーがヒョイっと顔を出す。 そして、隠れて居た酸味が遠慮勝ちに現出する。 恰も「最初から居たのにぃ」と脹れっ面を造って寄こす様だ。 そう云えば、甘味とも手を繋いで居るのかな… 不思議な奴だ。 造り手が目指した?バーガンディのエレガンスとは違う様に思うが、寧ろ此れで良かったんじゃないかしらん。 中々の美酒で、所謂「カリピノ」の印象とは異なるボトルだった。