今日のワイン 其の571 ― 2011/08/01 01:01:00
ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ レ・スショ ジュリエット・シュニュ
VOSNE-ROMANEE 1er CRU LES SUCHOTS Juliette Chenu 1997
クリスマスの夜に渦に持ち込んだのは、ジュリエット・シュニュのヴォーヌ・ロマネ。 畑は1級のスショだ。 まぁ、「美人姉妹」の話は扨置いて、此れは御姉さんの作品…と云うか、見付けたボトルと云うべきだ。 ボトルで買い付けて、自分のエチケットを貼って売る。 所謂、クルティエのビジネスだ。 コート・ド・ニュイの97年は悪い年では無いし、良いボトルだとは聞いて居たので、飲む機会を狙って居た。 クリスマスに芳実オーナーと飲むには良いセレクションの筈。 (過日、御目出度席に持ち込んだ、ハートマークのスパークリングが、彼女の手に依るボトルだった。) 計算違いは、当夜の渦が予想に反して賑わって、中々、芳実オーナーの手が空かなかった事だ。
穏やかに運んで来たのだが、最後にカウンターに打付(ぶつ)けて、揺らして仕舞ったが、そんなに澱は無く、エッジに臙脂が入るものの、ルビーの色相は矍鑠として居る。 コルクが妙に新しいので、或いはリコルクされて居るのでは無いかと思うが、優美な薔薇のブーケがグラスから伝わって来る。 熟した赤い果実は勿論、スパイシーさも有り、樹の皮の様な香りも豊富だ。 口にすると、ブーケのパワフルさとは違ってタッチは柔らかいが、鉄分が多く華奢な印象を感じる。 だが、痩せて居ると云うのでは無く、未だ熟成出来ますと云う印象だ。 造り込んだ感じはしなくて、葡萄の良さを大いに引き出そうと云うナチュラルなポリシーで、タンニンも多いが、甘さとのバランスに秀でて居る。 流石にリシュブールやエシェゾー等に近い、スショのポテンシャルを感じる。
今日のワイン 其の572 ― 2011/08/01 02:02:00
ルミエール イストワール 赤
Chateau Lumiere Histoire Rouge 2007
渦で過ごしたクリスマスの夜。 イヴは奥さんとグラスを傾けたのだが、クリスマスナイトは、パーティに行って仕舞った奥さんに代わって?芳実オーナーに相手をして頂いた。 漸く手が空いたタイミングに彼から頂いたプレゼントは、イストワール。 そんなシチュエーションの所為か、以前に頂いたイストワールよりもずっと好印象だった。 で、調べて見たら、前回、naginicai で飲んだイストワールは2006年で、此れは2007年だ。 06年は良く無いヴィンテージだったが、そんなに小生にも判る位なのだろうか? ま、気分ですかね??
少しパープルなルビーカラーが結構濃く見えるのは、渦照明の所為かも。 前回よりも薔薇の印象が強いブーケの液体だが、ストロベリーの安直な味わいでは無く、ブラック・クイーンの溌剌とした酸味が中々効いて居て心地良い。 屹度、小生は酸味が以前程気にならなく為って居る見たいだ(笑)。 カベルネ・フランの穏やかな味わいとのバランスも充分で… いや、良いんじゃないですかぁ。
ロックンロールワン@町田 其の21 ― 2011/08/01 17:32:49
日曜日の仕事は思ったよりも早く終息。 普段の築地近くのホテルでは無く、オフィスに近いホテルを予約して置いたのだが、キャンセル料の経費処理が面倒な事を思って(笑)、充分帰宅出来る時刻だったが、投宿。 CATVでスカパーのフジTVが観られたのは嬉しい誤算で、200戦目のメモリアルレースを勝利で飾ったジェンソンの雄姿に涙しても誰にも見られなかった。
システムの起動報告をし終えたら、この日は御休みだ。 何だか休みを得した気分で、月曜朝の人波を逆流して、向かったのは町田。 前回は半徹明けだったが、今回は睡眠充分。 でも、まぁ同じ様なタイミングで「完」前に到着。 何時もの様に、モニターで小生の姿を見付けて、ユウタが顔を出して呉れる。
今回のポスターも彼が作ったそうだ。
月曜日とは云え、限定第3段の初日なので、開店の頃には席数以上の御客様が集まった。
ポールだったので、栄光の初杯を頂戴した。 何時もの様に丁寧に、丁寧に組み立て、盛られた作品が目の前に。 嶋崎さんの作品は、薬味も凝って居る。 つけ麺や先日の「サラソバ」にも用意された物に似た薬味の上に鏤められて居るのは、紅蓼かな… 鮨の妻(この漢字を当てるのは…)に良く使われるが、此処で御目に掛るとは。 丼を持ち上げて、スープを啜る。 初口は軽い酸味を感じるが、不思議な味噌の冷製スープだ。 とても味噌らしいテイスト…では有るが、逆に此れだけ味噌の輪郭をキチンとスープで出すのは、却って難しいだろう。 味噌だけを溶いても、こうは味噌らしく為りはしない。 一方で、「味噌らしい」なら其の味噌は、何処で味わった味噌を想起させるのだろう? 味噌汁? 肉味噌? 思い付く味噌料理の何れとも違う。 記憶して居る味噌テイストのパターンに合致しないのだ。 其れなのに「味噌らしい」と感じるのは、どう云う事なのだろう…? …で、止めた。 そんな屁理屈を捏ねて居ないで、味わえと云う事だ。 この不思議な味わいは、このスープの温度と無関係では有り得ない。 普通の冷やしラーメンよりも、提饗温度は低いと思われる。 だが、氷を浮かべて居る程では無い。 狭い範囲の適正温度にピッタリ嵌って居る印象だ。 フォトテイク等して居ないで、さっさと箸を付けるべきなのだ。 麺は引き締まって居る。 此迄、此処で頂いた麺の中では、一番引き締まって居るだろう。 「硬い」と表現しないのは、そうでは無いからなのだが、この麺の喰感もコラボレーションの内だ。 毎度の事乍、味の巧みさだけで無く、全てに「気」が込められて居るのを感じる。 其の麺が持ち上げて来るスープは、啜った時と亦、印象が少し異なる。 スッキリ感が高まると云うか、より淑やかに纏まる印象だ。 魚介の風味(何だろう?煮干じゃないな)が、スネークインして来る。 そして、舌に清(すが)しい胡椒の風合が過ぎて行く。 葱の風味が一寸だけ、勝ち過ぎて居る様にも感じるが、此れは好みの範疇だろう。 豆腐(フォトでは左側)が潜んで居るのはサプライズだが、少し粗い濾し方なのが、亦、心憎い程に味噌の風味にマッチして居る。 鶏チャーシュウの爽涼な処は、この作品にピッタリ。 此れは、実に欣快な作品と申し上げるべきだろう。
伺って良かったぁ… 御馳走様でした。
<追記>
「紅蓼」が配らわれて居ると書いたが、後日、嶋崎さんから「もう少し大きい、むらめです」と教えて頂いた。 「紫芽」と書き、「赤紫蘇の双葉に本葉が出たばかりのもの」との事。 勉強に為りました。