今日の蔦 其の232012/05/03 23:47:52

オフィスに寄って、連休返上で作業を続けて居るスタッフに差し入れ。 作業が順調な事を聞いてから、巣鴨に向かう。 相当な大雨に為り、開店時刻ジャストに到着すべく見計らっての訪問。

今日の蔦 其の23-1
壱岐っ娘を2枚、摘み盛合を1枚。 そんな喰券を購入して奥の席に付く。 強い雨にも拘わらず、沢山の御客様が来て下さる。 祐貴君と武田君のオペレーションを拝見し乍、チャーシューを頬張り、壱岐っ娘のグラスを重ねる。
今日の蔦 其の23-2
2種類のチャーシュウとメンマを肴にこのグラスを傾けるのは、Happy Hour だ。
今日の蔦 其の23-3
手隙のタイミングに祐貴君が、長芋を焼いて下さった。 長芋は卸して頂く物だと思って居たが、塩胡椒で焼いても旨いし、シャクネバの喰感も面白くて、有難く頂戴した。

今日の蔦 其の23-4
ゴールデンウィーク後半の限定作品の話に為り、カレーラーメンもリストに上がって居るとの事。 祐貴君のカレーはとても好きなので、「其れは良いねぇ」と云うと、「今夜でも出来ますよ」と嬉しい事を云って呉れる。 其処で御言葉に甘えて、拵えて頂いた。 勿論、此れは試作で、4日の本番作品(カレーヌードル)には、あのチーズ焼も添えられる事に為りそうだ。 クリアな印象のカレー味で、アッサリと云うのとは違うのだが、コテコテのカレースープでは無い。 蔦のスープがベースに為るのだから、此の濃度で丁度良い。 辛さも充分だが、過ぎては居ない。 上手く稜線に乗せたイメージだ。 武田君の長麺が、このカレーを良く運んで呉れるので、カレーの分量と麺量が丁度良い感じで口に入る。 うん、美味也。
そんなタイミングに FILE さんが、ラー友の方と「飲みに」来られた(笑)。 もう少し長く御話をしたかったのだが、眠気に負けて、御先に失礼して仕舞った。

今日の渦 其の4422012/05/04 00:04:05

大雨の帰り道、PortCall に寄ろうかとも思ったのだが、思い直して、本鵠沼へ。 麺切の貼紙が出て居たのだが、未だ御客様の気配がして居たので、電話で確認してから扉を開ける。 久し振りに MATTN☆彡 に御目に掛かれた。 其の上、ワインを御馳走に為って仕舞ったし… スミマセン。

今日の渦 其の442
この夜は結局、グラスの白を4杯…かな。 最初の一杯にだけはアイスをひとつ。 矢張、渦の常連の皆さんとの語らいには得難い物が有る。 寛いだ空間と御喋り… 良いなぁ。 で、すっかり長居をして、同じ方向の皆さんとタクシーで帰宅。

撮って見た 其の452012/05/05 11:51:21

蛇苺(ヘビイチゴ)
撮って見た 其の45-1
足元に綻び掛けた黄色の一輪。 蛇苺… 小生は干支を合わせて居ても、蛇は大嫌い。 本当に駄目… 一度、テレビのチャンネルを何気無く廻したら、「アナコンダ」と云う映画のハイライトシーンに遭遇して、胡坐を掻いた儘、50センチも飛び上がった(笑)。 そんな小生は、名前だけでこの花を忌避して来た。 この名前は中国名の「蛇苺(ジャモ)」から来て居るのだが、彼の国では不味い苺なので、蛇にでも呉れて遣れと云う事でこの名前を当てた様だ。 「クチナワイチゴ」の別名も有るが、クチナワとは蛇の事だ。 子供の頃に祖父の処に良く来られて居た北大植物学の大家、舘脇先生が「蛇が出る様な処に生えるので、そう云う」(恐らくは「そう云う説も有る」と仰ったのだろう)と話して下さった。 其れ以来、此の花の咲く路を避けて居た気がする。 此の日も黄色の花を目にして後ずさった位だから、「三つ子の魂…」なので有る。 毒苺と呼ばれる事も有るが、不味いだけで毒は無い。 寧ろ生薬としては中国の「蛇苺(じゃも)」の名で、解熱や痔瘻(洗浄薬)に用いる。 ヘビイチゴ属には、藪蛇苺と此の花の2種しか所属して居ない。 両者はとても似て居るが、前者の方が葉の色が濃く、外側の萼片(副萼片)の方が更に大きい。 実が成ると、前者の表面はザラザラした感じに見えるので、判別が付き易い。 「実」と書いたが、フルーツの苺(阿蘭陀苺:オランダイチゴ)同様に赤い部分は「偽実」で有る。 蛇苺の花には、多数の雄蕊と多数の雌蕊が有るが、実に見える赤い部分は「果床」(多数の雌蕊が付いて居る部分)と呼ばれる。 此の表面に有る突起が果実(ひとつの雌蕊がひとつの果実に為る)で、中に種子が有る。 此の様に果肉の無い果実を痩果(そうか)と云う。
名前の妙で芸能や芸術作品の題材に取り上げられる事も少なく無いが、萩原朔太郎の詩は、此の花の因果を弁えて居る様に思う。

實は成りぬ 草葉かげ 小(ささ)やかに 赤うして 名も知らぬ 實は成りぬ
大空みれば 日は遠しや 輝輝たる夏の午(ひる)さがり 野路に隱れて 唱ふもの
魔よ 名を蛇と呼ばれて 拗者(すねもの)の 呪(のろ)ひ歌(うた) 節なれぬ
野に生ひて 光なき身の 運命(さだめ)悲しや 世(よ)を逆(さかしま)に 感じては
のろはれし 夏の日を 妖艷の 蠱物(まじもの)と 接吻(くちづけ) 交す蛇苺

前年の記事で、此の花を「狐の牡丹」と記して居るが、大きな間違い。 こんなに背が低いのに間違うとはね。 いや、蛇苺にしたくなかったのだ(笑)。


烏野豌豆(カラスノエンドウ)
撮って見た 其の45-2
此れ以上にポピュラーな花も少ない。 生えて居ない空地を探すのが難しい位だ。 本名は「矢筈豌豆(ヤハズエンドウ)」だが、「烏野豌豆」以外の呼び方がされて居るのを聞いた事が無い。 矢筈の名は小葉(このフォトでは花に近い手前2枚の小葉が欠落して居る)の先端が窪んで居て、其れが弓矢の弦を受ける部分(矢筈)に似て居る事に由来する。 烏の謂れは、熟して黒く為った鞘の色とも云われて居るが、定かでは無い。 「野豌豆」は中国名其物で有る。 所属は「エンドウ属」では無くて、意外にも「ソラマメ属」。 確かに茎は四角いし、豆臍が長い様にも見える。 原産地はオリエントから地中海沿岸だそうだが(北米説も有る)、古代に於いては喰用に栽培されて居た。 今は誰も喰べ無いけれど、若芽や若花、若鞘は天麩羅にすると美味しいとか。 血行を促進し、利尿効果も有ると聞いた。 更に煎じた場合の薬効としては、胃炎・浮腫・解熱・黄疸・鼻血・月経不順等が挙げられて居る。
フォトでは判り難いので矢印を付したが、托葉(葉の付根に有る小さな葉状の突起)の部分に「花外蜜腺」が有る。 此の蜜腺に関して面白い話を伺った。 蜜は蟻を呼び寄せる目的で分泌されて居るのだが、蟻牧(アリマキ:アブラムシ)が集まって仕舞った。 だが、蟻牧は糖度の高い分泌物を出して、用心棒役の蟻を呼び寄せる。 典型的な共生のパターン。 当初の計画とは違うプロセスだが、烏野豌豆は蟻を呼ぶ事には成功したと云う事だ。 因みに、蟻の居る植物には他の虫が取り付き難い。 熟した果実は弾けて種子を飛ばすが、子供の頃に其の瞬間を眺めたくて、じっと見て居た。 だが、見て居る鞘は弾けない物だ… 想い出序でに、小学校の転入生に鞘で草笛を造る事を教えて貰ったなぁ。 そんな有り触れた懐かしい花だ。