F1 2010年 中国GP 決勝 ― 2010/04/18 20:04:07
クオリファイのレッドブルは速い。 セバスチャン.Vは、超速い!! マークは、どうしても前に出られない。 其れも「差」は大きい。 セバスチャン.Vがセクター2で遅れた時は、マークのPPかと思ったのだが、コンマ25もの大差は、セクター3の図抜けた速さだ。 フェルナンドが3番手、ニコ、ジェンソン、ルイス、フェリペ…のオーダー。 PP(4戦して3回目か!)の後のセバスチャン.Vへのラジオで、クリスチャンは世界に向けて云い放った。 " Who needs a ride-height control? " 其の前に国際映像も、クリスチャンがラジオを使う様子を映して居たが… シニカルな笑顔が印象的だった。
扨、ファイナル。 雨の予報、いや、「予定された雨」だったのだが、スタート前に傘が広がり始める。 しかし、ティモ以外は全車、ドライタイヤを装着。 見る限りは、オプションタイヤが多い。 なんとフェルナンドの蹴り出しが驚異的で、大きく外へ振ってレッドブルの2台を交わし、行き成りギャップを広げ始めた。 だが、ジェンソンもラジオで訴えた様に、フェルナンドは明らかなフライング。 チャーリーが指を指す様子が国際映像でも流れる。 幾ら何でも速過ぎだよね…狙い過ぎたか… 当然、ドライブスルーペナルティを喰らう。 一方で、セバスチャン.Vは珍しく後手に廻り、マークの後ろ。 だが、可夢偉も絡んだ6コーナーのアクシデントで、速攻のSC。 SCの間に、何台かはインターミディエイトに履き替えるが、雨は小康状態に為り、SCが戻った後に、再びドライに戻すチームが続出。 扨、目紛るしい序盤戦だったが、SC中にタイヤ交換をせず、ドライの儘ステイアウトしたニコ、ジェンソン、ロバート、ヴィタリーがトップ4の10周目。


序盤の見所は、セバスチャン.Vとルイスの確執。 ピットに入る時に、割りこまれたセバスチャン.Vが、ピット作業で僅かに先行して、ピットロードでサイドバイサイド。(レース後審議) 其後、セバスチャン.Vが同僚を交わして行くが、其の後ろのルイスもストレートの最後で圧倒的な速度差を見せてマークを交わし、セバスチャン.Vを追撃。 そして、セバスチャン.Vがエイドリアンと絡んだ隙に、前へ出る。 其後のルイスは1分42秒台(此れがレースファステスト)と猛烈に飛ばして、レッドブルの2台を離して行く。 漸くエイドリアンを抜いたセバスチャン.Vとマークが追って行くが、ルイスのタイムには及ばない。 あっと云う間にミハエルに追い付いたルイスだが、ふたりのバトルは面白い。 守るミハエルがオプションで、攻めるルイスはプライム。 17周目のストレートエンドで漸くミハエルを交わしたが、レッドブルもミハエルの後ろに迫って居り、あっさりセバスチャン.Vが前に出る。 翌周には、マークもミハエルを交わす。 皇帝としては、悔しいシーンの連続だ。
19周目、2番手のジェンソンが、ニコのターン11でのミスに乗じて前に出る。 だが、雨が強く為り、続々とインターミディエイトに交換の為にPI 。 雨の中、ルイスとセバスチャン.Vが再び、同時PI 。 此処は順番通りに出て行く。 其の後、ハイメがフロントウィングの部品を落して、再びSC。 3位から50秒離されて居たヴィタリーが漸く追い付いて(儲けたね)来て、SCイン。 雨の中、再びスタート直後の様な争いで、マークはルイスに当てられたとラジオで喚き、コースを飛び出す。 再び、ルイスやフェルナンド(ペナルティを喰らった彼には、このSCはラッキー)、セバスチャン.V達が、歯噛みするミハエルを交わして行く。 トップのジェンソン、ニコ、ロバートの後ろにルイスが迫る。 雨脚が強まるが、ルイスは48秒台でロバートをオーバーテイクし、更にニコを目指す。 トップのジェンソンとルイスが48秒台で、マクラーレンの速さが目立つ。 ルイスが強引に48秒台と云う印象なのに、ジェンソンはスムーズにこのタイムと云う感じで、こう云う展開の時のジェンソンは矢鱈と速い。 35周目には、ルイスがニコを完全に射程圏に収めるが、PI 。 インターミディエイトの儘でルイスも、翌周PI のジェンソンも出て行く。 この時点で、ルイスは4回目で、ジェンソンは2回目のPI 。(4番手のアロンソのPI 回数は5回って…) ニコの2回目のPI の間にルイスが前。 タイヤ交換のタイミングの妙だ。 此れで、マクラーレンのワン・ツー体制。 この47秒台の2台でバトルをさせては為らない? 頑張って走って居るニコだが、マシンのポテンシャルには差が有る様で、フェルナンドが背後に忍び寄る。 だが、最後迄抜かせなかったのは、流石だ。 一方、ルイスの左フロントのタイヤが「坊主」(ラジオで "bald" )に為り、ペースが安定しない。 ジェンソンはタイヤマネジメントの天才で、誰よりもタイヤに優しく走れる。 其れがこの雨中のレースでも如何無く発揮され、トップチェッカー。

今回もジェシカさんの美しい笑顔… 後ろにはミカが映って居る。

一方で、終盤のレッドブル勢は生彩を欠く。 矢張、タイヤに厳しいと云うマシン特性が出た所為だろう。 マークはヴィタリーにも抜かれるし、セバスチャン.Vのペースも54秒台だ。 結局、ロバートに続く6番手、ヴィタリーを挟んで8番手。
雨の所為も有ったが、オーバーテイクの多い、忙しくも面白いレースだった。
