今日のワイン 其の4092010/04/30 15:35:31

カイケン・ウルトラ・カベルネ・ソーヴィニヨン/モンテス S.A. アルゼンチン メンドーサ
2006 KAIKEN ULTRA CABERNET SAUVIGNON / MONTES S.A

今日のワイン 其の409

代々木のめじろで、祐貴社長が試作したリエットをワインで頂こうとセラーを開けて、残り少なく為ったボトルの中から選んだのが此れ。
智利(チリ)で大成功を収めたモンテスが、隣国の亜爾然丁(アルゼンチン)のメンドーサに乗り込んで造り始めたのが、「カイケン」。 カイケンとはパタゴニアの雁の種類で、アンデス山脈を飛び越えるそうだ。 このカベルネ・ソーヴィニヨン(96%)は、樹齢50年以上の葡萄から造る。 因みに4%のマルベックを含む、アッサンブラージュ。 ネットでの露出も少なく無いが、「ウルトラと書かれた、スーパーアルゼンチン」等と訳の判らない広告は、止めて頂きたいものだ。
濃ゆい色をして居るが、ブーケは未だ若い印象だ。 黒ではなくて、赤系の果実のブーケは、VVのCSにしては穏やかだ。 彼の国ではこう育つのだろうか? しかし、口にすると、やっぱり、パワーは充分だ。 アルコール感も有るが、深みは然程では無い。 タンニンは滑らかだが、もっと存在感が有っても良いだろう。 パワフルなんだけれど… 要は「未だ早い」のだ。 数年とは云わず、10年や其処ら経ってから、飲むと結構、一変して居ると思うのだが、このボトルを10年寝かせて飲む、奇特な御仁が何れ程いらっしゃるか… 其れが問題でしょう。
尚、肉のラード煮をペーストしたリエットとの相性はとても良い。

今日のワイン 其の4102010/04/30 15:59:34

ピエール・ブレ シャンボール・ミュジニー
Pierre Bouree Fils Chambolle-musigny 2002

今日のワイン 其の410-1

西尾さんの処を出た後、真っ直ぐ帰るのも能が無いと、Nちゃんを誘ったのは、東京駅近くの「ヴァン・ドゥ・ヴィ」。 1年位前に一度伺った記憶が有るが、地下道で辿り着く自信が無くて、傘を差して地上からアプローチ。 ビジネス街の喰堂見たいな御店で、ランチタイムはカレー屋さんの筈。 帰宅の便が良いのとリーズナブルな値段を記憶して居たが、ワインリストを見ると確かに東京駅近傍のワイン・ダイニングとは思えない様なプライスだ。 ま、壁一杯にボトルが飾って有るけれど、ムードの有る御店とは云い難いから、まぁ、そう云う路線なのだろう。
ふたつのグラン・クリュや「レ・ザムルーズ」は、ボトルを見た事しか無いが、小生にしては珍しく、シャンボール・ミュジニーを選択。 村名のボトルで、ネゴシアンはピエール・ブレ。 近くの壁には、其の1986年のジュヴレ・シャンベルタンが飾って有る。 エチケットを見ると、本拠地は此方の様だが、ワイナリーはシャンボール村に有るそうだ。

今日のワイン 其の410-2

元気の良い小母様ソムリエールが、ドーンと用意して呉れたピノは、とても奇麗な色をして居る。 美しいと云うよりは、奇麗でチャーミングな色合い。 ブーケはやや酸味を感じるストロベリー。 実(まこと)に、色合いに見合った香りだ。 普段口にしないタイプの赤だが、フレッシュで、2002年ヴィンテージとは思えない溌溂感が有る。 シャンボール・ミュジニーと云えば、「世界で一番エレガントなワイン」と称されるが、其れと共にピチピチと華やいで居る。 恐らくはこの弾ける酸味由来の若々しさなのだろうが、素敵だ。 同時にこの土地特有のミネラル感が切れと云うか、輪郭をシャープにも整えて、澄み渡ったイメージを齎す。 此れ以上、石灰質を感じさせてはいけない、と云うピーキーさも感じられて、愉快。 下手なヴォーヌ・ロマネやジュヴレ・シャンベルタンは、ややもすると押し付けがましい事が有るが、此れには全くそんな気配が無い。 コイツは飲み頃ピッタリで、美味かった。 Nちゃんにも気に入って頂けた様で、良かった。 下世話な話で恐縮だが、このプライスで頂けると為ると有難味が増すね。 ん~、「レ・ザムルーズ」を飲んで見たく為ったなぁ…

今日のワイン 其の4112010/04/30 18:32:50

タイユヴァン ボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー ル・グラン・キュヴェ
TAILLEVENT Beaujolais-Villages Nouveau La Grande Cuvee 2008

今日のワイン 其の411-1

この春は呆れる程、寒い日が多かったが、冬の間に寒い部屋の隅に転がして置いたワインをセラーに収納しようと整理を始めた。 やっぱり、もう1台セラーが必要かな…等と思って居ると最下段に黒い蝋でシールされたボトルが… ひゃぁあ、忘れて居た。 タイユヴァンのボジョレ・ヌーヴォーの黒(ル・グラン・キュヴェ)。 其れも一昨年のボトルだ! 確か、500本とか其の程度の生産数で、此れ以上は贅沢に造れないと云う、ボジョレ・ヌーヴォー。 勿論、日本でしか売れない。 何処の仏蘭西人が、ボジョレ・ヌーヴォーに1万円を超える金額を払うか…で有る。 そんな余り賢く無い日本人の一人として購入したのだが、其れ以上に小生は阿呆だった様で、1年半も忘れて居た。 2007年は、確かに飲んだのだが、このボトルは娘が帰ったら飲もうと思って、其の儘に為って仕舞ったらしい。

今日のワイン 其の411-2

で、開けて見た。 蝋でシールされた栓を抜く時は、最後に蝋がボトルに落ちない様に気を使う。 蝋を落としてから抜いた事も有るのだが、やっぱり、恰好が宜しく無い。 蝋の上からブスリとスクリューを挿して、おぉ~と開けるのがスマートだ。
テイスティンググラスに注ぐとガメイの色はして居ない。 もっとダークに濃い。 最早、ヌーヴォーでは無いが、屹度、温度的にはやや低目程度だろう。 スワーリングしてもブーケは弱い。 この時点でやっぱり…気分だが、口に含むと、初口の酸味は結構強くて、其処だけは、ヌーヴォーっぽい。 だが、薄っぺらなテイスト。 唯のボジョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーなら、こんなもんかい…で、済むのだが、何しろ、タイユヴァンのル・グラン・キュヴェだ。 …駄目ね。 華やかな御嬢さんにも妖艶な小母様にも為れずに、中途半端で魅力に乏しい。 あ~、先日のドミニク・ローランもそうだったが、やっぱり、ボジョレ・ヌーヴォーは、解禁日に飲むべしと猛省。