2016-10-10: Collection of Essays by Claris Two

今日の渦其の６９５ ― 2016/10/10 23:23:00

ピチーチのオーナーソムリエの浅井さんを渦に御招きしたのは２年前の秋、昨年は常連の御嬢さんが加わり、今回は矢張常連の新婚さんカップルにも来て頂き、総勢６人…ん？　ウチの奥さんが押し掛けて来たのを忘れて居た(笑)。　ワインをコアにして、其れにケンちゃんやスタッフ諸兄が料理を合わせて呉れると云う有難いパーティ。　今回用意したワインは以下の７本。　クロアチアの１本以外は、ロックスオフの若林さんのサポートを大いに頂いて組み立てた。　飲む順番はソムリエ試験の正解とは違うだろうが、実情に即して決めた。　途中からは芳実オーナーも加わって、更にけたたましく…いや、賑やかに(笑)。

シャン・クチュリエール　アレクサンドル・バン 2014

一応、白をスターターに置いた。　ソーヴィニヨン・ブランのややドライなロワールのボトル。　ブランらしくない濃い目の色相を示すが、おっとりした可愛らしさがキャラの様だ。　「おっとり」は柔らかさでも有るが、貴腐的な甘味由来。　そして、適度な酸味とミネラル感が外周を囲むイメージが有る。

ベンヴェノーティ　マルヴァツィーヤ　イスタールスカ　クロアチア 2015

何本のワインを背負ってハネムーンから帰国したって？　そんなクロアチアのボトルから白を頂戴しました。　最初のボトルをより御茶目にアレンジした若い印象のボトルだが、姉妹的な共通点を見出せる様な気がする。　青い林檎にハーブが一寸ソルティなニュアンスを醸し出す。　１本目同様に日本喰に合うよね…此れ。

ポマール　フレデリック・コサール 2008

ピチーチの浅井さんは、コート・ド・ニュイのやや陰性なテイストが御好きな様に思えるが、今回はコート・ド・ボーヌから選んで見た。　おっと、此れは滑らかでは有るが、ダークチェリー主体に結構なマッチョなタイプで、クリプティックでは無いなぁ～(笑)。　コサールってこんなタイプを造るんだっけ…そっか、此れは彼のネゴシアンワインだったのかも知れない。

シャトー・ボーセジュール・ベコ 2008

今回の主役の心算で据えたサンテミリオンのボトル。　2012年の格付でプルミエ・グラン・クリュ・クラッセに叙せられたが、まぁそんな事は…　０８年は可也良いヴィンテージで飲頃でも有る。　如何にもメルロー比率の高そうなクリアなガーネットカラー。　ベリーの熟成果実感がコアなのは勿論だが、スパイシーなエレメントが多いな。　「蔦」のラーメンに使われて居るトリュフやブラックペッパーも…　タンニンは強目為れど、決してヘヴィでは無い。　かと云って、軽やかと云う筈も無い。　バランスは良いのだが、アフターの引きがやや物足りない…かも。

シャトーヌフ・デュ・パプ　テール・ブランシュ 1990

小生の好きなコミューンのボトルを混ぜた。　伝統の手順に重きを置くと云うテール・ブランシュの四半世紀物をチョイス。　…の割にはリーズナブルなプライスかなぁ？　グルナッシュが８割を占めるが、熟成感たっぷりで、ぬっとりと云うタッチには、マイルドと云うか軟弱なタンニンが貢献して居る。　「ドライハーブ」とのテイスティングコメントを読んだが、賛成出来ない。　紅茶の渋さや甘さを酸味が後支えすると云う構図が透ける。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ　サンタマリア 2011

前年もセレクトしたブルネッロ好きの小生が特に好みにして居るボトル。　何度もコメントして居るので、矛盾を突かれる愚を避けたい(笑)。

マイケル・モンダヴィ　オベロン 2013

掉尾を飾るのは、モンダヴィ一族の若い（造手もヴィンテージも）ボトル。　「ど～んとカベルネ」のイメージで選んだ。　「爆弾」と迄は云わないが、元気な赤系のチェリーと濃厚なブラックベリーにカント、カカオに珈琲…と思った通りのテイスト。　何処か人工的な甘さが有り、其れがアフターに寄って来るのが気に為るが、素質の高さが知れる。　結構、熟成させてもＯＫなんじゃないかしらん。