今日のワイン 其の6962012/03/02 01:01:00

ロエロ・ロッケ・ダンピセ マッテオ・コレッジア
Roero Roche d'Ampsej 2004 Matteo Correggia

今日のワイン 其の696-1
過日、ロックンロールワンの移転1周年の際に、御贈りしたボトル。 ワイン好きの嶋崎さんと云う事で、結構練った(ロックスオフの若林さんが(笑))セレクションの中からピックアップ。 2本購入して、手許の控えボトルを渦に持ち込んで飲んだ。 若林さんのスペシャルリコメンドだけ有って、此れは素晴らしいボトルだった。 ネッビオーロで、此処迄のエレガンスをライトタッチの中で感じさせて居る。 ブルゴーニュのピノでも中々難しいフィネスじゃないかしらん。
このボトルのコルクが乾燥して厳しくかしまって居り、抜栓に難儀する。 コルク片を落として仕舞い(何と云う粗相)フィルターを通して、デキャンタージュする羽目(汗)に… 渦の芳実オーナーがパルプを使った厚みの有るプロ仕様のクッキングペーパーを用意して呉れた。 此れ以上は望めないフィルターだったので、助かった。 このデキャンタージュは結果オーライで、素晴らしいブーケがカウンターに溢れ出て行くのが見える様だった。

今日のワイン 其の696-2
橙色が少し掛かった濃いガーネットのカラー。 先ずは、ブーケのエレガンスと妖艶さは特筆物だ。 柔らかい主張が込められた果実香は、プラムやレーズン、菫、其れにナッツとオレンジペコ… ネッビオーロと云うとバローロだが、このボトルはバローロ程にはヘヴィでは無い。 だが、陽気で明るい伊太利亜のライトタッチだけのボトルとは全く違う液体だ。 タッチの柔らかさは、其程では無いと云うのが正直な処だが、品性の豊かさとフレッシュネスが同居した口当たりに、自然に頬が緩む。 透明感の有るタンニンは粒子が細かく、弁えた、だが確りした酸味とうっすらと底辺に広がるスパイスのニュアンスとミネラルに良く溶けて居る。 この辺りはデキャンタージュの効果だろう。 甘さが無い訳では無いのだろうが、殆ど感じさせない処も好みだ。 14.5%と云うアルコール度数も亦、意識させられない。 アフターの引きも綺麗で、ややタンニンが残る印象が有る物のクリーンに去って行くのが素敵に思える。
毎年トレ・ビッキエーリを獲得するこのボトルはヘヴィカテゴリーでは無いが、液体の主張や存在感はバローロと同様に強く出て居る。 一方で、「バローロに負けない骨格」と云う記述を随所に見掛けるが、此れは体躯を競う様なワインでは無い。 ネッビオーロが本来持って居るポテンシャルを大事に表現した、「美しいフィネス」こそがこのボトルの魅力なのだ。

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