今日のワイン 其の4342010/05/29 14:56:57

シャトー・グリュオ・ラローズ
Chateau Gruaud Larose 1998

今日のワイン 其の434-1

「旦那さん(婿殿)が呑会で遅く為るから、夕喰を一緒にどう?」と云う娘からのメールに壱も弐も無く、OKを返す。 待ち合わせ場所は東京駅と云うので、御店は「ヴァン・ドゥ・ヴィ」に決める。 双方が帰り易いと云うのも此処のアドヴァンテージだが、プライスがリーズナブルなのも魅力だ。 ま、其の分、ムードに乏しいのだが、娘相手に問題無い。 18時なんて早い時刻(17時開店)では、未だ昼営業のカレーの匂いが漂うが、悪いもんじゃない。 蛾が入って来ると灰皿で、元気の良いソムリエールさんが捕まえる(笑)。
彼女に御願いした1本目は、シャトー・グリュオ・ラローズ。 ラ・ダム・ド・モンロ-ズと悩んだが、98年と云うヴィンテージに敬意を表して、サン・ジュリアンの雄(2級格付)を選択。 95、96年程では無いが、97年よりは良い年かも。 ヴィンテージに関しては一寸勘違いして、ソムリエ小母さん(そんな感じ(笑))に指摘されて仕舞った。
娘相手に奮発しても… いやいや、嫁に出したら、中々、そんな機会も無い。 娘と二人でグラスを傾けるのは、半年振りで、結婚式以来初めてだ。 我々にしては「高級ワイン」で、期待が高まる。 グリュオ・ラローズと聞けば、重々しくタニックで…と云うイメージが付き纏うが、97年に新しいオーナーに代わってからは、徐々にエレガンスの増したボトルにシフトして来た、と聞いて居る。 此れはその翌年のボトルと云う事に為る。 セパージュは、カベルネ・ソーヴィニョン57%、メルロー31%、カベルネ・フラン7.5%、プティ・ヴェルド3%、マルベック1.5%。

今日のワイン 其の434-2

グラスのガーネットカラーは深く濃く、少し紫が入る。 ブラックベリーやプラムの熟成香たっぷりのグッと来る力強いブーケはワイルドですら有る。 そっと口を付けると、やっぱタンニンつぇ~。 だが、思った以上に柔らかく、甘ささえ潜む。 果実のイメージには、熟成感と共にジューシーな若さも有り、フレッシュな酸味と相俟って、此れは間違い無く、飲み頃でしょう。 徐々に口の中に広がるバルーンな雰囲気がシームレスに余韻に繋がるので、非常に気持ちが良い。 期待を裏切らない美味さで、サン・ジュリアンの真骨頂を観た想いがする。

98年のグリュオ・ラローズでは、未だ早いと云う印象を持つかと思ったが、タイミング的にはとても良いのではないか、と感じた。 出来の良い年のグリュオ・ラローズは、超熟タイプと云うが、98年モノはボルドーのヴィンテージチャート程のクオリティには、為らなかったと云う記述も見付けた。 逆に其れが、この日を飲頃としたのかも知れない。 グレートヴィンテージの2000年辺りだと、未だゞなのだろうが、98年なら此処数年の内に飲んで仕舞う方がベターだと確信した。

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