今日のワイン 其の3572010/01/03 11:42:04

ファットリア・レ・コルティ キャンティー・クラシコ
FATTORIA LE CORTI Chianti Classico 2006

FATTORIA LE CORTI Chianti Classico 2006

大晦日の夕方。 大掃除が終わらない内に、奥さんに内緒でエネルギー補充した1本。 流石にハーフボトルから選んだのだが、何時でも背徳の味は蜜の味。
コルシーニ侯爵家(伯爵と訳すケースも有る)は、アンティノーリやボナコッシより格上の家柄、と云うのは彼方此方に書かれて居る話だし、自らがワイン造りを始めたのは最近とか、カルロ・フェッリーニ氏を招聘してガンベロロッソ」を取ったとか云う話も既に知れて居る。 斯くも然様に評判の高いボトル。 侯爵家が採算度外視で造って居るそうで、CPも非常に良いと、ロックスオフのオーナー御推薦でも有る。
蛍光灯の下で見たのだが、サンジョヴェーゼが95%を占める(残りはカナイオーロとコロリーノ)ルビーカラーは相当濃い。 やや、ヴァイオレットにシフトした様子も見える。 スワーリングすると黒酸塊とバニラ香は容易に取れるのだが、少し煙たい印象のブーケだ。 初口は酸味がきつい様にも感じるが、タッチがソフトなので、そんなに尖った感じは受けない。 ミネラル感と細かいタンニンが感じられるが、其れ以上に存在する果実感は、木苺、酸塊、ブルーベリーと云った処が深く、カルロ・フェッリーニ味(笑)。 引きが長く、凝縮された味わいが尾を引く。 少し落ち着きの無い感じもするが、恐らくは低過ぎた液温の所為だろう。

今日のワイン 其の3582010/01/04 08:37:41

クレマン・ド・アルザス カイザルベルグ エクストラ・ブリュット ドメーヌ・クリスチャン・ビネール
Christian BINNER Cremant d’Alsace Kaysersberg Extra Brut 2007

Christian BINNER Cremant d’Alsace Kaysersberg Extra Brut 2007

元日の夜は、老親と娘/婿殿 (Would be) が我家に集合しての宴会。 其の乾杯に使ったスパークリングが此れ。 こう云うシチュエーションのワイン選びは、コストが難しい。 1万円のシャンパンなんぞ用意しては、困った印象を与え兼ねない。 かと云って、モエエ・シャンドン等では能が無い。 「ワイン好きな御義父さん」のイメージも維持したい(見栄張りな性格なので有る)。 で、ロックス・オフのオーナーに候補を出して頂いた。 比較的簡単に決まったのは、此れがノン・ドサージュのエクストラ・ブリュットだからだ。 娘は辛口の泡が大好きなので有る。 老人向きでは無いのだが、彼等には好みの日本酒(其れも少ししか呑まない)を別途用意したので、其れで乞御容赦。
以前にスイス北部の街に単身赴任して居た頃に、偶にワインを買いに行って居たアルザスの古いワイナリーのひとつだ。 ロックス・オフの御店主推薦と云う事は…やっぱり、無農薬に拘った造り手の様だ。 このエチケットのクレマンは初めてだ。 2007年は良い年なのでデザインを変えたのかと思ったら、そうでは無く、シャンパンに負けない泡を日本専用にとビネール氏を口説いて、良い畑の葡萄で造ったスペシャルなキュヴェだとか。 そう云う事情なので、このフォトテイクし難いゴールドのエチケットは日本人の手に依るデザインと伺った。 其のセパージュは、老木のオクセロワが75%で、残りがピノ・グリ。 やや淡いが明るい檸檬イエローの液体からは、盛んに細かいバブルが立ち上る。 スパークリングにしては、結構香りが高い。 泡のブーケは良く判らないのだが、柑橘系とミネラル香だろう。 当然、フレッシュな印象なのだが、酸味は中々強い。 此れを抑えたいから、リキュールを加えるドサージュをするのだが、このボトルの酸味は液体が持って居る奥の深さに巧くサポートされて居る様子で、魅力に為り得る。 味わいはミネラル、柑橘系に加えて、酸っぱい青林檎。 どちらかと云うと繊細さやエレガンスよりも、パワフルとか鷹揚とか云う表現が合いそうだ。

今日のワイン 其の3592010/01/04 08:53:51

シャトー・ド・サンコム コート・デュ・ローヌ レ・ドゥー・アルビオン ルージュ
Saint Cosme Cotes du Rhone Domaine Les Deux Albionsn 2007

Saint Cosme Cotes du Rhone Domaine des Deux Albionsn 2007

元日の夜の2本目。 いや、実は0本目と云うのが正しいかも知れない。 奥さんと娘が宴の準備をして居る時に、婿殿と飲んで居たのが此れ。 「乾杯の前にこっそり飲むには適切な1本」と好い加減な事を吹聴し乍、開けたのはサンコム。 大晦日にロックス・オフで会計を済ませた後に棚で見付けて、買い足した。 漫画の所為で、安価だが品薄のボトル。 摘み飲みするなら、もう少し早く抜栓すべきだったのだが、コソコソ?とグラスを傾ける。
とても濃い色合いは紫掛ったルビー色。 液温が低いにも拘わらず、偉くゴージャスなブーケだ。 うむ、花一杯だが、フレッシュと云うよりもそろそろピークを過ぎたかな、と云う花瓶の花束。 更に黒酸塊にブルーベリーの甘い香りが混ざる。 口にすると、若いのにまぁ、凝縮感が高い。 其処からゆっくりとジャム様の甘い、だが、甘過ぎないニュアンスが広がる。 タンニンは穏やかで、御嬢さんの曲に艶っぽいのね… セパージュはシラーとグルナッシュで70%(残りはムールヴェードル、カリニャン、クレーレット)との事だが、樹齢の高い樹の葡萄の力を充分に感じる。 特にグルナッシュが前に出て居て、コート・デュ・ローヌらしい太陽パワーも感じられる。 確かに雫君が「凄いワイン」(2001年を)と評したのは間違いでは無いだろう。 更に評価の高い(RP90点って!)2007年だが、1000円台のボトルで、此処迄の味わいのボトルは先ず無い。 但し、今回は急に思い立って、暖房の無い部屋(冬場はセラーに入り切らなくても安いのをドンドン買って仕舞う)から持って来たので、絶対に冷え過ぎ。 2時間前に持って来て、45分前に開ければ、もっとわぁわぁ云って楽しめただろうに…

渦が常備して居るコート・デュ・ローヌより、500円程高い(纏め買いして)だけだと思うので、是非、此方も揃えて欲しいものだが… ヒナダレや鵠沼味噌ポークとは、バッチリな筈。 でも、供給が安定しなくて難しいかな。 今度、ロックス・オフの御店主殿と御一緒する際の有力候補だ。