今日のワイン 其の3582010/01/04 08:37:41

クレマン・ド・アルザス カイザルベルグ エクストラ・ブリュット ドメーヌ・クリスチャン・ビネール
Christian BINNER Cremant d’Alsace Kaysersberg Extra Brut 2007

Christian BINNER Cremant d’Alsace Kaysersberg Extra Brut 2007

元日の夜は、老親と娘/婿殿 (Would be) が我家に集合しての宴会。 其の乾杯に使ったスパークリングが此れ。 こう云うシチュエーションのワイン選びは、コストが難しい。 1万円のシャンパンなんぞ用意しては、困った印象を与え兼ねない。 かと云って、モエエ・シャンドン等では能が無い。 「ワイン好きな御義父さん」のイメージも維持したい(見栄張りな性格なので有る)。 で、ロックス・オフのオーナーに候補を出して頂いた。 比較的簡単に決まったのは、此れがノン・ドサージュのエクストラ・ブリュットだからだ。 娘は辛口の泡が大好きなので有る。 老人向きでは無いのだが、彼等には好みの日本酒(其れも少ししか呑まない)を別途用意したので、其れで乞御容赦。
以前にスイス北部の街に単身赴任して居た頃に、偶にワインを買いに行って居たアルザスの古いワイナリーのひとつだ。 ロックス・オフの御店主推薦と云う事は…やっぱり、無農薬に拘った造り手の様だ。 このエチケットのクレマンは初めてだ。 2007年は良い年なのでデザインを変えたのかと思ったら、そうでは無く、シャンパンに負けない泡を日本専用にとビネール氏を口説いて、良い畑の葡萄で造ったスペシャルなキュヴェだとか。 そう云う事情なので、このフォトテイクし難いゴールドのエチケットは日本人の手に依るデザインと伺った。 其のセパージュは、老木のオクセロワが75%で、残りがピノ・グリ。 やや淡いが明るい檸檬イエローの液体からは、盛んに細かいバブルが立ち上る。 スパークリングにしては、結構香りが高い。 泡のブーケは良く判らないのだが、柑橘系とミネラル香だろう。 当然、フレッシュな印象なのだが、酸味は中々強い。 此れを抑えたいから、リキュールを加えるドサージュをするのだが、このボトルの酸味は液体が持って居る奥の深さに巧くサポートされて居る様子で、魅力に為り得る。 味わいはミネラル、柑橘系に加えて、酸っぱい青林檎。 どちらかと云うと繊細さやエレガンスよりも、パワフルとか鷹揚とか云う表現が合いそうだ。

今日のワイン 其の3592010/01/04 08:53:51

シャトー・ド・サンコム コート・デュ・ローヌ レ・ドゥー・アルビオン ルージュ
Saint Cosme Cotes du Rhone Domaine Les Deux Albionsn 2007

Saint Cosme Cotes du Rhone Domaine des Deux Albionsn 2007

元日の夜の2本目。 いや、実は0本目と云うのが正しいかも知れない。 奥さんと娘が宴の準備をして居る時に、婿殿と飲んで居たのが此れ。 「乾杯の前にこっそり飲むには適切な1本」と好い加減な事を吹聴し乍、開けたのはサンコム。 大晦日にロックス・オフで会計を済ませた後に棚で見付けて、買い足した。 漫画の所為で、安価だが品薄のボトル。 摘み飲みするなら、もう少し早く抜栓すべきだったのだが、コソコソ?とグラスを傾ける。
とても濃い色合いは紫掛ったルビー色。 液温が低いにも拘わらず、偉くゴージャスなブーケだ。 うむ、花一杯だが、フレッシュと云うよりもそろそろピークを過ぎたかな、と云う花瓶の花束。 更に黒酸塊にブルーベリーの甘い香りが混ざる。 口にすると、若いのにまぁ、凝縮感が高い。 其処からゆっくりとジャム様の甘い、だが、甘過ぎないニュアンスが広がる。 タンニンは穏やかで、御嬢さんの曲に艶っぽいのね… セパージュはシラーとグルナッシュで70%(残りはムールヴェードル、カリニャン、クレーレット)との事だが、樹齢の高い樹の葡萄の力を充分に感じる。 特にグルナッシュが前に出て居て、コート・デュ・ローヌらしい太陽パワーも感じられる。 確かに雫君が「凄いワイン」(2001年を)と評したのは間違いでは無いだろう。 更に評価の高い(RP90点って!)2007年だが、1000円台のボトルで、此処迄の味わいのボトルは先ず無い。 但し、今回は急に思い立って、暖房の無い部屋(冬場はセラーに入り切らなくても安いのをドンドン買って仕舞う)から持って来たので、絶対に冷え過ぎ。 2時間前に持って来て、45分前に開ければ、もっとわぁわぁ云って楽しめただろうに…

渦が常備して居るコート・デュ・ローヌより、500円程高い(纏め買いして)だけだと思うので、是非、此方も揃えて欲しいものだが… ヒナダレや鵠沼味噌ポークとは、バッチリな筈。 でも、供給が安定しなくて難しいかな。 今度、ロックス・オフの御店主殿と御一緒する際の有力候補だ。

今日のワイン 其の3602010/01/04 09:24:24

アジィエンダ・アグリコーラ・セルヴァグロッサ トリンピリン
Trimpilin 2005 Az Agricola Selvagrossa IGT Marche Rosso

Trimpilin 2005 Az Agricola Selvagrossa IGT Marche Rosso

ロックス・オフに出入りする様に為って、御店主の拘りの1本、見たいなボトルを良く頂く様に為った。 小生が生半可な知識と経験で選ぶよりも、偶にしか現れない小生の様な客の嗜好迄インプットされて居る店主殿に予算を伝えてピックアップして貰うのが、賢いと漸く悟った。 大抵、3,4本を並べて其々のボトルの解説をして下さる。 其れを伺ってセレクトするのは、楽しい時間だ。 この妙に可愛いエチケットの1本も大晦日にそう遣って選んだのだが、「喰」に拘った造り手の作品だ。 ホームページのキャッチコピーは「喰に寄り添う上品さ、喰を壊さない繊細さ」だそうで、真に御正月の宴に相応しい1本なので有る。 このボトルを開ければ、「可愛いエチケットだね」と云う話題に為ろう。 笑門来福、御正月に相応しいが、「トリンピリン」とは伊太利亜語の造語で「燥ぐ子供、騒ぐ子供」と云う意味(如何にもそんな響きだ)で、小生の御幼少の砌の姿でも有る(笑)。 兄弟で運営して居るカンティーナだが、弟のアルベルトさんが以前に勤めて居たレストランのオーナーに貰ったニックネームとの事。 平均樹齢28年のサンジョヴェーゼが95%(5%はチリエジョーロ)だそうだが、年産3100本(2005年)と云うから貴重な1本。 DOCでは無く IGTなのは、敢えてそうして居るらしい。
テイスティンググラスに注いで色を見ると、暗いガーネットカラーだが、光の反射率が妙に高い不思議な印象を受ける。 既に酔払ったか? ブーケは明らかにレッド・チェリー系で、更にチョコレート香とスパイシーと云う相反する印象も遣って来る。 口にすると、此れも亦、凝縮感が強い。 流石にロックス・オフの店長殿は小生の好みを良く把握されて居る。 タンニンはたっぷりだが、成熟感の高いもので、寧ろ穏やかな落ち着いた印象に貢献して居る。 一方、テイストは複雑で、ブーケのイメージにバニラや「触れ為ば、落ちぬ」果実感が豊富だ。 こんな円やかなコクが気持良いのだが、此方もやや液温が低いのが惜しい。 此れは小生の準備の不手際だ。 酸味も程々には有るのだが、厳しいものでは無いので、其れが突出する事無く、バランス良く纏まって居る。 2005年が良いヴィンテージでは無いのは良く知られて居るが、其れでも尚、このレベルのボトルが出来るのは、少量生産の強みだろうか。

渦の芳実オーナーに用意して頂いたハーブローストポークと西尾さんのチャーシュウに非常にマッチして居たワインで、流石にマリアージュにウェイトを置いたボトルと感心。 ロックス・オフの御店主と渦に持ち込む2本目は此れか?