今日のワイン 其の3902010/03/20 16:00:30

ヴィエッティ ランゲ・ネッビオーロ・ベルバッコ
Vietti Langhe Nebbiolo Perbacco 2006

今日のワイン 其の390

ひょんな事で、赤羽でワイン…と云う話に為った。 ラーメンを喰べた後で、携帯で検索して決めたのが、「SUSUMU」と云う名前のトラットリア。 赤羽は、土地勘が有る様な無い様な、では有るが、同行の若者が見事にメインストリートから5m程路地に入った店を見付けた。 如何にも「赤羽の洒落た店」(あ、悪気は無いです、御免なさい)と云う内装と雰囲気の店内は、地元の常連さんと思しき方々で賑わって居る。奥のカウンターに二人で収まって、リストの中から最初に選んだのが、このボトル。
蒲公英の綿の絵がとても素敵だ。 好みのデザインのエチケットで、其れだけでも嬉しい気分。 だが、其れに水を注す様な出来事が… ベテランのアルバイト(だと思う)の御嬢さんは、デキャンタに入れて持って来られたばかりか、底の部分に手を当て乍、グルグルと廻すと云うか、振って居る。 「一寸待って、デキャンタージュを御願いした覚えは無いのだが…」。 彼女は何を云われて居るのか理解して居ない様子。 「何時も、そう遣ってサービスして居るの?」、「…ハイ」と彼女。 どうやら、「其の様にしろ」と指示されて居るらしい。 確かにこの御店の品揃えのボトルなら、そう遣って強引に開かせて仕舞う方が、美味しいと感じて貰える可能性が高い事は否定しない。 だが、客に伺いを立てるのが先だろう。 飽く迄、穏やかに話した小生だったが、一言、皮肉を… 「そんな風にデキャンターを振って、御客様に何か云われた事は無かったの?」、「有りませんでした」 成程、彼女に瑕疵は無い様だ。 彼女は御店に云われた通りに振舞って、クレームを付けられた事も無かったのだ。 素直な御嬢さんに申し上げる事は、此れ以上は無い… 其のデキャンターを其儘、頂戴する事にした。 後で振り返って、この御店の印象を冒頭の様に書いて仕舞ったのは、この出来事が背景に有る様に思って居る。
ヴィエッティと云えばバローロだろうが、このボトルはランゲ・ネッビオーロ。 クリアなガーネットカラーの液体は、美しい。 グラスに移した時から、百合や薔薇の香りが、嫌味で無い程度の豪奢なイメージで広がる。 口に含むと、思いの他、赤いベリー系の確りした印象で、確かにネッビオーロだと納得する。 エチケットの蒲公英やグラスの中のカラーとは、一寸そぐわない位だ。 タンニンが未だ馴染んで居ないのに意外と重いと云う難しいタイプな筈なのだが、ネッビオーロ本来の凝縮間が酸味とマッチして居るので、悪い印象には繋がらない。 ヴィエッティの面目躍如。 振り回して仕舞うのは兎も角、デキャンタージュはすべきボトルで有る事には同意。

今日のワイン 其の3912010/03/20 16:18:24

ストレーダ シラー トスカーナ
STREDA SYRAH TOSCANA IGT 2001

今日のワイン 其の391

赤羽の「SUSUMU」での2本目。 1本目の「事件」?を御姉さんは、レポートされたのだろう。 2本目を選ぶ時には、御店主殿が我々の席に足を運んで下さった。 「リストに無いボトルも有ります」と云う中から選んだのが、トスカーナのシラー。 余り一般的とは思えないボトルだが…
照明に翳すと、相当に深みの有るルビーカラー。 スワーリングの先に生じるのは、少し甘いバニラ香と花束と云う、明るく賑やかなブーケだ。 味わって見ると、タンニンは豊かで滑らかい。 バニラ香は、焼いたオーク樽由来とはっきり判る。 素性がシラーにしては、残り香が優雅で結構引きは長い。 丁寧さは勿論だが、一貫したポリシーを持って醸造されたと云うストイックなものを感じる、一寸、不思議な味わいの1本。
成程、御店主自らセレクトして呉れただけの事は有るかも。

今日のワイン 其の3922010/03/20 17:24:57

ヴァン・ダルザス ドメーヌ・メイエ・フォンネ ゲヴュルツトラミネール レゼルヴ・パルティキュリエール
VIN D'ALSACE MEYER-FONNE GEWURZTRAMINER RESERVE AOC, Blanc 2008

今日のワイン 其の392-1

古い友人とのディナーに選んだのは、新宿御苑近くのビストロ「ダ・コテ」。 西尾さんも御存知の老舗らしい。 だが、システム屋の友人からドタキャンの「御免メール」が入る。 まぁ、そんな事も有るさ、仕事だもん。 だが、初めて予約した店を1時間前にキャンセルするのは、潔しとしない。 以前なら、先ず、娘を呼び出すのだが、生憎(笑)嫁に出して仕舞った。 オフィス以外のシングルの御嬢さんを思い浮かべてヒットしたのは、渦常連のN子ちゃん。 携帯で呼び出すと、発車1分前の東海道線の中と云う。 「降りろぉ~」と御願いして、付き合って頂いた。 そんな彼女を前にしての、1本目。 赤は余り好まず、渦では梅酒を嗜む彼女に合わせて、梅酒っぽい白、と伝えてのオーナーセレクションが此れ。 先ず、一生オーダーする事は無いだろうと思って居たタイプ。

今日のワイン 其の392-2

メイエ・フォンネはアルザスの小さなドメーヌだが、昔の上司(ハイ、仏蘭西人です)が此処に住んで居たので、其の名前位は聞かされた記憶が有る。 今は売出中の御当主がいらっしゃるそうだ。 この葡萄は名前からして独逸由来の葡萄だが、アルザスのゲヴュルツトラミネールは、確か辛口の白では無かったかな?? と、甘口と仰るオーナー氏の説明に首を傾げる。 だから、然程は甘く無いだろうと踏んだのだが… 濃厚な梅酒カラー(笑)の液体からは、明らかに妖艶な薔薇、其れも少し旬を過ぎた様な花香が漂って来る。 味わいは、スイートだねぇ… 柔らかくて、コクが有って、とか、何とでも云えるけれど、只管、甘い。 流石に甘い、甘過ぎるぞ… と云うのは、彼女も同じ印象だった様で、「私、白ならドライでも行けますよ~」。 早く云えっちゅうの…いや、御知らせ下さいまし… うむぅ、リースリング辺りにして置くべきでした。