今日の渦 其の635 ― 2015/07/19 01:01:00
む、タイミングが悪いかも、だ。 土曜日の夜に渦る予定を立てたのだが、当日の昼のテレビ番組、「王様のブランチ」で取り上げて頂いた。 計画変更なんてしないのだと、何時もよりも30分早く扉の前に立つ。 ポツポツ雨を恨めしげに待って居ると、皆さんに「早いですねぇ~」と冷やかされて仕舞うが、開店と同時に座敷席も含めてフルオキュパント。 土曜日の夜のスタート時は何時も凄まじいのだが、相変わらずなのか、其れ以上なのか…
そんな最中に皆がワインをバースデイプレゼントして呉れた。 嬉しい、とても。
皆さんの御好意に甘えて、直ぐに抜栓しようかと思ったのだが、ドメーヌ・ソガはサンシミの2013年ヴィンテージ。 「第7南農場」のCSは長期熟成型だった筈。 少し待ちたいと云う想いと共に「L'HUMILIATION」の文字が気に為った。 英語の "HUMILIATION" は「陵虐」とも訳される様な厳しい単語だ。 法律用語の様な此の日本語を使う人は多く無いだろうし、小生も「特別公務員暴行陵虐罪」以外には耳にした事が無い(笑)。
ネットで拾った此のフォトが面白い。 仏蘭西語でも意味は同様らしく、無難な訳語としての「屈辱、恥、不面目」と云うのがベターだろう。 何でそんな文字を配したのか、如何にも拘泥家の曽我さんらしいと云えば、そうなのだが、バックエチケットの長い講釈にヒントが有りそうだ。 Faire du vin sans chimie avec de jolis parfums.(素敵な香りを持つ化学物質を使わずにワインを造ります。)
何時か冬の深夜に此の耽美で艶っぽい貴重な液体を皆の顔を想い起こして味わおう。
話が脱線したが、此の夜の共は「Orcia Rosso Santa Maria」。 サンタマリアは手が届くブルネロの中で一番好きかも… とは云え、そこそこ高いのでそうは飲めない。 何時かロックスオフの試飲会で只管此れだけを飲んで居た事が有ったな。 其処のロッソだが、新たに取得したオルチアの畑のサンジョヴェーゼ。 あ、亦も小生の名前のタグが…(笑)。 パワフルでは無くて、サラサラのタンニンを持つ可也華奢なエレガンスの持主。 初口では失礼乍、「おや、珍しくミスセレクト(小生の好みを外した、と云う意味)だ」と思った。 だが、ライトなタッチとは裏腹の赤く濃いテイストが口中を満たす様に湧いて来る。 シナモン様のブーケが何とも新鮮だ。 ほぉほぉ、此れは…「新しいサンジョヴェーゼ」だ。 雄大な山容を誇る嶽では無いが、軽装備で楽しめるトレッキングに適した陵丘と云うイメージ。 「どうです…」と為たり顏の何方かが脳内登場で、苦笑い。
と、此のフォトを撮る前に30分も消費して居る。 変態カラフェでデキャンタージュする前にテイスティングしては居たのだが、うむ…必要無かったかも、だ。 修行が足りませぬなぁ。
少しだけ落ち着いて来た処で御願いしたワインプレート。 夏休みで郷里に帰って居たケンちゃんの御土産の胡瓜漬が乗って居るのが御愛嬌なのだ。(此れ大好き… ケンちゃん、覚えて居て呉れた様で有難う)
其のケンちゃんは御疲れの様子… え? 何処に写って居る??
シンゴ君が気を遣って呉れての、御提案。 有難く、弩定番の品を頂く。 土曜日は賑わい方が凄いので、濃い常連さんは余りいらっしゃらない。 独りでボトルを抱え込んで妄想に耽ったり、渦劇場を鑑賞するのは寧ろ好きだ。 そんな小生の視線をケンちゃんは感じる見たいで…スミマセンね。
初めて御願いした「ガリポテカレーピザ」。 気にした大蒜風味も弁えた感じ。 ポテトとカレーで好きじゃない筈無い1枚。 とても美味しいねぇ。 次回はジェノバ風やプロシュートも頂こう。
締めに御願いしたのは、小盛の「夜鳴つけそば」。 沢山の具が別皿で用意されて、其れを麺に塗して、直喰…って、アレ? 麺のフォトが無い… もう出来上がって居たからなぁ。 此の漬汁に落として、キリっとした醤油感の一杯は、誠にクロージングに適切なのだ。
帰る頃の南西の空に蠍が見えて居た。 翌日は暑く為る。 そして、夏本番だ。