撮って見た 其の512012/10/14 13:22:35

蔦葉海蘭(ツタバウンラン)

道に面した自宅の石垣。 其の隙間に小さな花が咲くのを見付けたのは、一昨年の事。 「紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)」か「常磐黄櫨(トキワハゼ)」かと思って居たが、花にしても葉の形にしても違いそうなので、ちゃんと調べた。 結果、同じゴマノハグサ科(APG植物分類体系ではオオバコ科)の蔦葉海蘭と判明した。 兎顔のユーモラスな花で長径1センチ程。 此の花は6~8月に咲くとの事だが、我家の花は3月には咲き始めて、7月には草臥れて仕舞う。 しかし、涼しく為る10月には再び咲くので、今回は其処を撮った。
蔦の様な葉を持つ「海蘭」。 「蔦唐草」や「海蘭葛」と云う別名が有り、大正元年(1912年)に観賞用として、欧州から渡来したと明確に判って居る様だ。 「海蘭」自体は海岸に生えて蘭に似た花を付ける植物なので、此の名前と為った。 「細葉海蘭」や「松葉海蘭」等の海蘭仲間が居る。

  ウンランは 土手のマツバに 
         石垣の ツタバもいづれ 色ぞはかなき     偐雲蘭

学名の「 Cymbararia muralis 」から、「キンバラリア」(葉の形から「シンバル」の意味)と呼ばれる事も有るらしい。 「 muralis 」とは「城壁(壁)に生える」と云う意味で、本当に狭細しい処に咲いて居る。 尚、「 Cymbararia 」には、ギリシャ語の
「 cybe(舟)」とラテン語の「 alaris(腋生の)」の合成語との記事も有った。
花屋さんで「コロセウムアイビー」(英名の「 Coliseum ivy 」其儘)と云う名で売られて居るのを見掛けた。 最近は彼方此方に自生して居るので、直ぐに何万円分も集められそうだ(笑)。 一回り小さくて色も濃い「姫海蘭」と云う花も見掛けたが、ツタバウンラン属には違いないので、「 Cymbalaria muralis var. globosa 」の様だ。
花言葉は、「遠い夢」、「優美」、「完全な美」等が有る。 後のふたつは如何な物か…

新しく買い求めたマクロレンズ (M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro) のトライアルに、庭に咲く一番小さな花を被写体に選んだと云う次第。

撮って見た 其の51-1
「宇宙兎」だピョン。 花冠が「距」と為って、尻尾の様に突き出て居る。
     蔦葉海蘭 兎にも似て何を見る   <都の写真俳句より>

撮って見た 其の51-2
此の花幅は7mm程だが、フォトの原寸が此れ。 欠き氷2丁。

撮って見た 其の51-3
「らしく」生えて居るポーズの1枚。 (2:3に纏めた)

撮って見た 其の51-4
此れは真上から見下ろして撮って居る。 自宅の石垣(溶岩だが)ならではのアングル。
     知らぬ間に ツタバウンラン 住みつきて   <写真俳句ギャラリーより>

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