今日のワイン 其の489 ― 2010/11/06 19:44:03
フランシス・フォード・コッポラ ディレクターズ・カット カベルネ・ソーヴィニョン アレキアンダー・ヴァレー
Francis Ford Coppola DIRECTOR'S CUT 2007 Alexander Valley CABERNET SAUVIGNON
Francis Ford Coppola DIRECTOR'S CUT 2007 Alexander Valley CABERNET SAUVIGNON
と、或る夏の日曜日の夕方に思い立って抜栓。 以前に娘の処にこのボトルを送った際に参考に、と手許にも1本保管して置いたと云うボトル。 云う迄も無く、コッポラさんはあのゴッド・ファーザーの監督さん。 ナパに行った際にワイナリーを訪ねたのは、90年代初めの頃だったかな。 ソノマにワイナリーを開いた時にリリースしたのが、如何にも、って名前の「ディレクターズ・カット」。 エチケットも映画のフィルムのイメージだろう。 今の映画はフィルムなんて使わないんだろうが。 尚、このフィルム上の絵は葡萄毎に違う。
実は監督のカベルネ・ソーヴィニヨンは、イマイチ好みで無かったと云うのが、正直な処。 監督のネームバリューは今でも凄いので、レストランのリストプライスでは15000円位は平気で付けられて居るのだが、こう為ると触手が伸びない。 だが、このボトルは中々好みのカリフォルニアのCSだった。
暇だったので、デキャンタージュをする事や飲むタイミングを計って温度管理。 デキャンターやグラスの温度もアジャストして見た。 で、折角なので、愛用のフランネル仕様のデキャンターもフォトテイクして見た。 奥さんは、E-PL1 の「シャッター半押」が出来ないのよねぇ… 背景が凄いのは御愛嬌と云う事で(笑)。
デキャンタージュの前から、小生の好きなカリフォルニアのブーケが部屋に満ちて来て居た。 バニラ様の樽香やコーヒーとペッパーにスパイス… おぉ、ナパ、じゃなくてソノマか、明るい陽光が射して来る様じゃないか。 液体の色は濃くて黒いガーネット。 グラスよりもデキャンターの色の方が実際のイメージに近い。 因みに照明はトラディショナルな電球。 徐にデキャンターからグラスに移すと、何処かにクリープ(粉ミルク)の香り? 口に最初に広がるのは、意外にも酸味。 強い訳では無いが、この手のボトルでは、余り感じない様な気がして居た。 勿論、タンニンは御立派だが、口を窄める様なタイプで無く、太くて柔らかで…そう、縁の下から液相全体を支えて居るイメージだ。 酸味が徐々にこの液体の奥深い処に沈んで行く様に為ると、甘味を感じる様に為って来る。 この甘味と本来のビターっぽさが、旨く調和してアフターからフィニッシュへ。 上手く計算されたシナリオで、流石は監督(笑)だ。 テイストに含まれるのは、リッチなブラックベリーやダークチェリーは云う迄も無いが、杉の若枝の様なニュアンスが面白い。 恐らくは此れが、アレキサンダー・ヴァレーの「ユーカリ香」なんだろうな。