今日のワイン 其の4822010/10/21 01:01:00

アニェス・エ・セバスチャン・パケ オークセイ・デュレス 赤
Agnes et Sebastien Paquet Auxey Duresses Rouge 2007

今日のワイン 其の482

幸亭での2本目の赤。 此れは一寸、面白いと云うか… 驚く様なタッチのボトルだった。 赤ワインに草喰系が有るとすれば、間違い無く、其の筆頭が此れ。 アニェス・エ・セバスチャン・パケ オークセイ・デュレスの2007年。
アニェス・パケが美貌の若手女性醸造家として紹介されるケースは少なく無いが、作品の評価も上々と、羨ましい限りだ。 勿論、相応の努力の賜物なのだろうが、努力は必ずしも全てが報われるとは限らない。 彼女を表して「新ブルゴーニュ」と云う単語が亦、使われて居る。 好きな表現では無いと以前に書いたが、この「オークセイ・デュレス」を味わうと確かに此迄のワインとは「違う」と思わせる「何か」が沢山有る。
先ず、カラーがピノにしても、相当に淡いルビー色。 特にグレッピカンテのボルゲリの後だから、余計にバイアスが掛ったかも。 ブーケはライトで優しい苺、蜜柑に香草が加わる。 非常にフレッシュな香りで、其処からして「違う」。 口に含むと予想に違わず溌剌とした躍動感に満ちた液体で有る事がハッキリする。 其れで居て、タッチは柔らかい…これは美しい酸味と肌理の細かいタンニンの為せる技だ。 
リボンが飾られた白くて鍔の広い帽子を被った御嬢さん(未だ13,4だね)が、足元の野草が付けた小さな花を気にし乍、蜜柑の樹々の間をスキップで駆け抜けて行くと、木目が奇麗なテーブルに何か飲物のグラスが置いて有る。 そんなイメージが湧くのだが、グラスの中身が見えない…
少し提饗温度を低くして、御日様の下で頂くのも楽しそうだ。 熟成タイプでは無いので、2007年物なら、今、飲むべきだ。 此れはマジでロックスオフで箱買いしたい。 そして其れが出来るプライスなのが有り難い。 沢山飲んで、テーブルに置かれたグラスに何が注がれて居るのかを是非、知りたい…

凪 其の237 ラーメン産業展スペシャル Ⅰ2010/10/21 02:02:00

小麦ヌーボー麺を使った凪の一杯を頂きたくて、ラーメン産業展に寄道。 前年は展示会場の外にラーメンブースが有ったので、入場証が無くてもラーメンは頂けたのだが、今回は事前登録や招待券が無いと5000円の当日券を買って入場しなければ為らない。 凪のホームページに其の旨の注意が書かれて居たので、渦の芳実オーナーから頂いた招待券を持参して伺った。 だが、アンケートに記載されて居るどの身分にも小生は該当しない… 当然だ、小生は飲喰業を現在の生業にはして居ない。 其処で「開業準備中」にして屋号を書き、入場証を作成して貰った。 やった!

凪 其の237 ラーメン産業展スペシャル Ⅰ 1-500

「ラーメンコレクション」の場所は直ぐに判ったし、西尾さんの姿が見えると、呼び声も聞こえて来る。 入口で購入した800円の喰券を西尾さんに御渡しして、少し御話。 広島から横浜直行の夏さん、バンタムさん、其れに西新宿の新しいスタッフさんの3人での厨房作業。(忙しいのにカメラを向けて御免なさい)

凪 其の237 ラーメン産業展スペシャル Ⅰ 2_500

で、饗された一杯が此れ。 スープは「懐かし系」と申し上げたい、葱がたっぷりで生姜の効いたアッサリ醤油。 現代の昭和見たいなネオノスタルジックな味わい。 この醤油味は小生の歳に合う。 生姜大好きと云う事も有って、とても小生好みの味わいだ。 西尾さんが「つけ麺にしたく為る」と仰って居たが、そんな印象も有るねぇ。 少し濃い味付けのメンマや解れっぽいチャーシュウのテイスト等もスープの懐かしさに良く見合った物に為って居る。 味玉が固茹なのが、とっても嬉しい! 勿論、菅野製麺所謹製の小麦ヌーボーの麺は田舎風情たっぷりで、此れ亦、小生の好み。 駒込のスープで頂いた時も良い印象だったが、この日のスープともとても良くマッチして居た。
丁度、せたがやの前島社長が、西尾さんの処に来られたので、御挨拶。 海浜幕張の野郎ラーメンの開店日以来かな。

今回の作品は「古代ローマのラーメン:BC230」と名付けられたが、其の「心」は、店頭に掲げられて居る。 以前にも西尾さんに伺った事が有るが、「煮る」は「炙る」に次いで古い調理手段で、勿論、ラーメンの主調理法だ。 今回は、小麦ヌーボーと共に喰の原点を辿ったとの御話だった。 紀元前230年頃に書かれた「哲学者達の宴会」をモチーフにしたそうだ。 この書物はアテナイオスの「食卓の賢人達」(「賢人達の宴会」と呼ぶ事も有る)の事だろう。 此れには、ギリシャ・ローマの飲喰や風俗の話が満載だ。 流石は読書量豊富な西尾さんの発想で有る。 小生が思い浮かべるのは、計算機入門で必ず習う「喰事をする哲学者の問題」(トラディショナルなマルチプロセスの排他制御法)と云う味気無さだ。