今日のワイン 其の3782010/02/27 12:58:36

クロ・ルジャール ソミュール・シャンピニー ル・クロ
Clos Rougeard Saumur Champigny le Clos 2002

今日のワイン 其の378

渦での知己、ワインエキスパートのCさんに受けようと、ロックスオフの店長殿に選んで貰った1本は非常に美味かった。 「ロワールの自然派の大御所」と頂いた安直(あんちょこ)に書いて有るが、アンジュ・ルージュでは別格のカベルネ・フラン100%の1本。 先ず飲む事は(出来)無い「シュヴァル・ブラン」とは比べられないが、この液体はカベルネ・フランのイメージを変えるに充分なものだった。 「レ・ポワイユー」やフラッグシップの「ル・ブール」とは違って、エチケット上に「ル・クロ」とキュヴェ名(畑名では無い)が入って居ないが、玄人筋では、このスタンダードなボトルはそう呼ばれて居るらしい。
グラスの中は可成り明るい色合で満たされて居るものの、基本的は濃い目のガーネット。 グラスを持ち上げると、余り嗅いだ事が無いブーケにもう一度、グラスを離して仕舞う。 恐らくは、あの有名な仏蘭西茸のアセチレン香… 華やいだ熟成感とでも呼びたい元気の良さと落ち着きの両方を感じる。 口に含めば、此れは間違い無く美味しい! 様々な要素が押し寄せて来て、テイストの選別をして居る内に、そんな事はどうでも良く為って、只、耽溺したい… バニラとティーが薄く延びて、其れにチェリーや酸塊… 其れに何だか、妙に艶めかしい味わいも感じるのだが、表現出来ない。 特筆すべきは、タッチだ。 シルキーなのに厚みが有り、ベルベッティなのに儚い。 此れは特上のタンニンが齎して居る。 大らかな酸味に押されて居た仄かな甘味が、時間の経過と共に台頭して来る。 この変化が楽しい驚きだ。
スタンダードボトルで此れか… 次回は是非、「ル・ブール」を用意して、Cさんに飲んで頂きたい。 ロックスオフに電話をしなくては、ヴィンテージは…

今日のワイン 其の3792010/02/27 18:01:56

カ・オロロジオ/ルニソーレ
LUNISOLE CA'OROLOGIO 2007

今日のワイン 其の379

クロ・ルジャールのカベルネ・フランを頂いたのと同じ夜に、渦濃常連のTさんが持って来られたのが、此れ。 当世、人気急上昇のカ・オロロジオのニューラインアップのルニソーレ。 ヴェネトのロッソ・デル・ヴェネト IGT。 カ・オロロジオのヘッドは、美人の誉れが高いマリア・ジョイア・ロゼリーニさんだが、Tさんはワインさえも終始一貫、こう云うアスペクトで選ばれるのね(笑)。 情熱的な彼女が敏腕コンサルタントのロベルト・チプレッソ氏と共働で、秀でたビオディナミのワインを生み出して居る。 (4年連続トレ・ビッキエリだとか) ルニソーレは其処の新顔で、たった2000本の生産らしい。 バルベーラ80%は、どの情報も共通なのだが、残りの20%は、パヴァナ、パッタレーシャ、コルビネッラ、フリウラーロと云うエウガネイのローカル品種の混合と云う説の他に、全てパヴァナだと云う記載も有る。
カラーは…凄く濃い。 渦の暗い店内では黒く見える程だ。 ブーケは、伊太利亜の田舎を思い出す(…程には行った事が無いが)様に素朴で甘い。 野苺や下草と木香が、其れに混ざって居る。 御目覚めが悪いタイプで、開くのに時間が掛る。 味わいは、此方も濃い果実味に富んで居るが、主体は矢張ベリーの様に思える。 ブーケに感じた甘味が、酸味と出会い、中々巧く甘酸っぱさとして纏まった。 タンニンの気配が薄いので、濃い色合い乍、フレッシュネス先行と云うイメージでも有るが、時間が経つと本来の強めのアルコールが幅を利かせて来て、凝縮感も広がる。
Tさん、御馳走様でした。