今日のワイン 其の7402012/06/10 15:31:32

ランボーン・ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン エステイト ハウエル・マウンテン ナパ・ヴァレー
Lamborn Family Cabernet Sauvignon "Proprietor Grown" Howell Mountain, Napa Valley 2005

今日のワイン 其の740
「渦でワイン」の徹尾を飾ったのは、此のボトル。 下世話な話だが、1本目のユドロ・バイエのレ・クロが2本以上手に入るプライスだ。 何時も御世話に為って居る、渦の常連の皆さんへの感謝を込めて、女王ハイジ・バレットが真に手掛ける「唯一無二の山カベ」を…と云う次第。 まぁ、彼女の作品の素晴らしさは、ネットに幾らでも転がって居るので、此処で語るのは遠慮して置こう。
流石にハウエル・マウンテンのCS05年は凄い。 オーパスワンも真っ青な出来に有ると認識を固めた。 此程のボトルを探すのは、大変だろう。 遠峰先生御推奨、ヘスの「ザ・ライオン04年」でも負けやしない…と小生は思う。 此のハイジ様のワインは「美しい」。 いや、御本人も美系だが(笑)、カラー等の見掛の話では無い。 液体が内包する全てが、美しいのだ。 グラスのパープル/ヴァイオレットの色は、深いガーネット。 此の色を美しいと呼ばずして、何をそう断じよう。 未だ眠りから醒め切って居ないブーケだが、暗赤色のチェリー、ブラックリコリス(敢えてそう書こう)、スパイス、赤と黒の秀でたラグジャリーなニュアンス。 徐にリムを近付けると、此れだけで酔えそうだ。 タッチ&アタックは極めて柔らかいが、本来はもっと、もっとベルベッティな筈だ。 「ハウエル・マウンテン特有の茨の有る野生のブラックチェリー」の持つ酸味と甘味が、撓やかで厚いタンニンに包まれて行くのを感じて居ると、奥へ奥へと引き込まれて行く。 少し前の自動車のCMキャッチに "Wild but Formal" と云うのが有ったが、正にタキシードを来た冒険家の様なイメージだ。 僅かに、ザラ付いた印象をタンニンに残すのが、彼女の心難い演出なのか、神の悪戯なのか… 完璧を避けたと褒めるのか、「痘痕も笑窪」と評するのか? 眩暈がしそうなのは、此迄に重ねたグラスの所為では有るまい。 深淵に広がって居るのは、此れこそが「フルボディ」とでも、云わんばかりの緻密な凝縮果実感と適度なミネラルの佇まい、そして、上級のオークで造られたトースト様の樽香。 歯応が有るとも表したい液体の厚みが、ジワジワと平らに為って喉へ落ちて行く… 液体が幸福感に昇華して行く… う~む、素晴らしい!

実は、宴の最後に此れを開けるかどうかを迷った。 だって、もう相当に飲んだ後… 勿体無いじゃない。 あぁ、此の小市民っぷりが情けない。 エイッと、首を縦に振って抜栓。 此の化け物を開かせるに要する時間を考えれば、3時間前にセラーから出して、デキャンタージュして置くべきなのだ。 雫君のデキャンタージュの技をマスターして置けば、良かったんだけどねぇ… だから、此の夜は、ワインが持つポテンシャルの半分位しか味わえなかったのでは無いかと云う悔いが残った。 仕方が無い、ロックスオフに追加注文して置くか。 次回は、「ザ・ライオン」と「飲み比べの宵」を開こうぞ。 但し、長期熟成の05年だから、今度はセラーに5年程寝かせた後でね(笑)。 尚、青山の某ワインレストランのリストには、35000円と記されて居た。 幾ら10ケースだけのインポートでも、ボリ過ぎじゃね?

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