今日の渦 其の462 ― 2012/08/06 01:01:00
日曜日の夜にラーメンWalker の撮影が入るので、カウンターを埋めて下さい。 そんな連絡が常連さんから入る。 日曜日の夜は渦は御休みなので、そんなタイミングを狙っての撮影と云う事だ。 ラーメンWalker と云えば、ムタヒロが新人賞を獲得した時の放映を拝見した。 …え? ラーメン女子大生(確か卒業されて肩書を変更されたと伺ったが)も来られるの? で、何時もの奥のカウンターを占める事に。

インタビュー前の打ち合わせの様子。 評判に違わず、可愛い御嬢さんでした。
撮影はこんな感じで、トータル3時間半も掛かった。 此の日は猛暑の下、3軒の梯子撮影だったそうで、スタッフのハードワークは如何許りかと拝察する。

持参したピノが適温に為るのを待つ間にビール。 偶には…と豊富な品揃のボトルから、シンちゃんに選んで頂いた。 「成る可く普通のタイプ」との小生リクエストへの回答は、ハートランド。 正解!

熱心で真摯な撮影を横眼に、此方はカウンターを埋めて居れば良いと云う気楽さ。 ボトルの温度のタイミングを慎重に測って、抜栓したのはユベール・リニエのブルゴーニュ・ルージュ。 格下でも老翁の手掛けるボトルは違うと唸らせられる。

ピッチーニのブルネロは、Tさん御持参。 バランスの取れた良いサンジョヴェーゼ・グロッソだ。 背景には此の夜、大活躍のシンちゃんを。

最後にシンちゃんが芳実オーナーのサポートを得て、此の作品を拵えて呉れた。
シンプルな盛付の下に旨味が不断に仕込まれた麺。 ワシワシと直喰して仕舞う。 レア・チャーシュウも逸品。
塩ベースで煮干の香るスープ。 小生が滅多に頂かない「塩煮干」では有るが、渦の煮干は問題無く美味しく頂ける。 刳みや臭みが皆無だからだが、最近はこう云う丁寧な処理の煮干は少なく為った。 太麺との相性も良いし、適切なレベルで鼻孔を擽る柚子と焦がし葱が素敵だ。 随分と凝った味わいのスープなのだが、其れをトータルな旨味1本に纏めてサラリと提饗する辺りは、匠の技だ。
此の日は、昼にオヤジさんの一杯、夜には芳実オーナーの作品を頂き、2杯/日に為って仕舞ったなぁ…と御腹を見詰めて嘆いて居ると、3連取材のラーメン女子大生は6杯だそうで… でも、細身で有らせられる。 其の秘訣を伺いたかったなぁ…
今日のワイン 其の758 ― 2012/08/06 18:36:53
ブルゴーニュ ルージュ ユベール・リニエ
Hubert LIGNIER Bourgogne Pinot Noir 2009
ラーメンWalker の撮影が入った日曜日の渦。 何かボトルを持参する様に依頼されて、持ち込んだのが、此れ。 暑い日だったので、其也の対策を施して家を出たのだが、タイミング良く通り掛かったタクシーで来て仕舞ったので、やや冷え過ぎの嫌い。 40分程待って抜栓。 液温は最適な感じだが、デキャンタージュは止めて置こう…
老翁ユベール・リニエと夭逝した息子の嫁御との諍いは、良く知られる話と為って仕舞ったが、今は両者ともワインを世に送り出して居る。 だが、80歳に為らんとして居るユベール・リニエが再び自らの手でワインを醸造するとは思って居なかった。 其の古くて新しいボトル。 裾野を為すランクだが、流石に違いが判るボトルで、是非、上級キュヴェを飲みたく為った。

パープルレッドがやや濃く出て居る明るいルビー色。 若い華やぐ印象と云うよりも、ファーストインプレッションは、高い果実感と濃い酸味。 赤黒綯い交ぜのベリーなブーケと味わいに含まれる香りがやや違う印象が有り、カシスやブルーベリーが木苺を絡めて行くと、マーマレードの様な甘味と苦味も合わさって来る。 当然の様な酸味のラッシュには爽やかなインパクトが有る。 此れがややキーンに感じる事を否めないのだが、最初のワイルドなキャラクターも悪くないかも。 暫くすると、少しのミネラルがビターなテイストを持ち始めて、タンニンと共同戦線を張る。 中々凝った構成に為って居るのは、老獪な手腕に依存するのだろう。 酸味が落ち着いて来ると、パワフルでバルーンな造りが見えて来る。 酸味とタンニンのバランスが秀でて居るのだ。 恐らくは、もう2年先がベストシーズンなのでは無いだろうか。 何時迄も楽しませて頂きたいユベール・リニエの作品。
今日のワイン 其の759 ― 2012/08/06 18:41:03
ピッチーニ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
Brunello Di Montalcino Piccini 2005
ラーメンWalker の撮影の夜、渦で飲んだ2本目はTさん御持参のブルネロ。
早目に抜栓して頂いて、更にカラフェに移した。
此の夜の渦は真昼の太陽も凌ごうかと云う程の照明で、普段とワインの色の見え方が違う。 此の液体も結構、ダークなガーネットなのだろうと思うが、明るくも思える(笑)。 鞣革様のスパイシーさと熟成果実のブーケは、プラムやブラックチェリー。 思った程には、押し出しが強く無く、酸味もタンニンも平坦だ。 ん? カラフェに移したのは余計だったかも… 味わいには、雨が降り出した時の林の様な香りと鉄分のニュアンスのミネラルが広がる… 勿論、熟成果実の印象が抜けて仕舞う訳では無く、バニラに加えてナッツの様なニュアンスが少々生じる。 長熟と云うイメージの有るブルネロだが、此のボトルに限って云えば、そろそろピークを越えて来そうな感じを持った。