食堂酒場 グラシア 其の182015/09/19 01:01:00

月に一度しか伺わないので、此の金曜日を楽しみにして居た。 15時半には会議をエスケープして浅草橋に向かう。 丁度、16時の開店時刻に扉に手を掛ける。 カボちゃんに紹介して頂いてから此処で知己を得た方も居らして、人生後半の楽しみが増した。 そんな御一人にオルガニストの方が居らっしゃる。 2015年の遅い夏休みは彼女のコンサートを真中に据えて、茨城への撮影旅行にした。 過日の水害が案じられるが、月や太陽の撮影ポイントや時刻を綿密に周到に計画して居るのだが、天気には勝てないなぁ~ と、彼女が託して下さったコンサートのチケットを受け取り乍、天気の神様に祈る。 「良く顔を出す」とは云い難い小生にマダムとマスターはとても良くして下さる。 此夜も「最後にラーメンが入る様な組立に」と御願いした処、快く受けて下さった。 もう御一人の御客様見たいに沢山御腹に収められると良いのに… 流石に以前の量は喰べられなく為ったなぁ。

食堂酒場 グラシア 其の18-01
此のフォトはトリミング以外の処理はして居ないが、柔らかい印象に撮れた。 厨房からの蛍光灯の光とカウンターの上の白熱灯ライクな色で照らすLED電球のミクスチャーがこんな印象を造って呉れる。 燦燦斗と同じく恵比寿麦酒だが、ビールサービスの巧みさも燦燦斗の奥様とグラシアのマダムが双璧だと思う。 一度、御所様を御誘いして見ようかな…いや、断られるだけだな(笑)。(一体幾つの御店に御誘いしたのか…ww)

食堂酒場 グラシア 其の18-04
的矢の岩牡蠣。 贅沢に頂きました。 最高の養殖技術に依り洗練された濃密な味わいに海塩のテイストが残る。 酢橘を少々(搾り過ぎては駄目)が肝要。

食堂酒場 グラシア 其の18-02
赤ワインの前、岩牡蠣のパートナーにマスターが選んで下さったのが、純米生酒の「刈穂」。 甘口なのに酸味が僅かな発泡感を齎すと云うフレッシュな冷酒。 思いの外アルコール度数が有りそうだ。

食堂酒場 グラシア 其の18-06
小布施ワイナリーの「ソッガ ドゥジエーム メルロ/カベルネ・ソーヴィニヨン 2012」は、何時も此処で頂く定番。 良いヴィンテージらしく、軽快なタッチにタンニンの重厚なニュアンスを併せ持つ。 初口の酸味は時間の経過と共に角が取れる印象だ。

食堂酒場 グラシア 其の18-03
トマトのサンバール。 サンバールと云うのは南印のスープらしい。 トマト、チキン、摩洛哥豌豆(モロッコエンドウ)にレンズ豆…と沢山の野菜のテイストが混然一体に為って、エスニックな旨味に絡む。 サラっとしたタッチで、宛ら印度の味噌汁(味噌の味わいは無い)見たいな印象。

食堂酒場 グラシア 其の18-05
濃厚な鶏をソルティな味付けでボイルしたのをサッと炙ったのかな? そんな印象のチキンは馬鹿旨。 細かく刻んだ長野の山葵が抜群に合う。 此には酢橘は使わずに山葵だけで頂いた。 丁寧にマッシュされたポテトは上品な味わいで、此の地鶏のバイプレイヤーとして特筆して置きたい。

食堂酒場 グラシア 其の18-08
解すとコンビーフに為りそうな塊りをチョンチョンと崩して、醤油のタレで頂く。 少し有る癖が逆に旨味に転ずる様な凝った仕様。 小布施のワインに良くマッチする。

食堂酒場 グラシア 其の18-09
チキンビリヤニ。 非常に好みのテイスト。 抑えたカレー風味のインディカ米は、国産上級米の倍のプライスだとか。 忍ばせて有るチキンの味わいが本当にベストマッチで… グラシアの味付けは決して濃くは為らないのに、其の味は全てに行き届いて居る。 料理の流れの中で何かの主張が前に出ると其れに引っ張られるので、全体調和と云うかハーモナイズされたテイストのコントロールが素晴らしい。 ビリヤニは御土産にもパックして下さった。 翌朝に軽く温めて頂いたが、矢っ張り旨かったなぁ…

食堂酒場 グラシア 其の18-07
マダム所縁の野菜を惜しげも無く漬けて有る。 此れは以上は無いと云う閾で漬け込まれて居て、将に此処がドンピシャ。 漬け過ぎずに素材の味わいを残して… 御見事です。

食堂酒場 グラシア 其の18-10
バジルソースで頂くロメインレタス。 柔らかく緑のテイスト豊かなレタスにマスター特性のバジルソースが最適。 野菜不足を解消する程に喰べたいね。

食堂酒場 グラシア 其の18-11
さつま地鶏塩かけラーメン。 アーリーレッドを乗せただけ… 此処迄、沢山、色々頂いて来て此の一杯に辿り着く。 だからこそ、「〆の」と冠されるのだ。 決して、此の一杯だけを喰したのでは、判らない妙味が其処に有る。 ビストロで頂くと云う立ち位置を承知して口にすべきラーメンだと捉えて居る。 マスターがラーメンだけの御客様を取らないのには其れだけの理由が有るのだと思って居る。 とは云え、ラーメン好きの小生がラーメン屋さんの伝手で行き至ったグラシアの一杯は秀逸だ。 濃い味わいの素材の鶏を敢えて淡麗なスープに仕立てて、旨味を引き出すと云う手法は麗しい。 ベースは塩なのだが、鶏油との構成が仕上がり感いっぱい。 実はマスター自身も此夜のスープには覚えが有った様だ。 麺も上品な、と云うよりも美しい麺で風味も小麦粉を前に出すのは程々にしてスープを引き立てる様に控えめなキャラを貫いて居る。 恐らくは小麦ヌーヴォーの製麺を依頼した京都の製麺所謹製と思われる。(違ったら御免なさい)

満足の一言の夜。 御馳走様でした。