ロックンロールワン@町田 其の112011/05/23 13:47:28

月曜日にGWの振替の休みを取った。 サボって居る様な気分が後ろめたくて、とても愉快。 地元は月曜日が定休日の御店が多いので、町田迄遊びに出る。 酔狂な物だな… ロックンロールワンの開店時刻に余裕を持って到着、SPだ。 監視カメラに向かって手を振るとユウタが顔を出して呉れる。 定刻を過ぎると、席数以上の皆さんが並ばれる事に為る。

ロックンロールワン@町田 其の11-1
この日も「2号つけ麺」を御願いした。 このつけ麺は、現在、最も気に入って居る作品のひとつだ。 嶋﨑さんはつけ麺と温麺を一緒には造られないので、次の方の注文が温麺だと御待たせして仕舞うね。

ロックンロールワン@町田 其の11-2
嶋﨑さんが、日本蕎麦の其れの様に見える漬汁(以降、「蕎麦汁(そばつゆ)」)を当にそんな感じの器で持って来て下さった。 矢張、「蕎麦汁の様な感じで」…と仰る。 もうひとつの小皿には香辛料? 此方はユウタが解説して呉れた。 和芥子とマスタードだそうだ。 「蕎麦汁を使う時は、此を2対1の割合で麺に塗して、浸す様に」との事。 最初に蕎麦汁を生(き)で味わって見た。 濃過ぎず、勿論、薄くも無く、何とも気持ちの良い味わいの汁(つゆ)だ。 柔らかくて穏やかなのだが、味わい深くて確りした主張。 この汁には和の様式が全て整って居る。 其処へ和芥子とマスタードを和えた麺を落とす… いや、落としてはいけなくて、麺の裾を浸すのだ。 丸で日本蕎麦の様に… まぁ、何と素敵に美味いのだろう。 「美味い」と云う以外の表現力を持たない吾身が歯痒い位だ。 和芥子は兎も角、ユウタの云う「ホットドッグに塗る香辛料」(笑)が、何でこんなにマッチするのだろう。 山葵では無くて、「和芥子とマスタードの2対1」を合わせるとはねぇ。
フォト右下には、蕎麦汁を割る出汁(後述)を縮小して嵌めた。

ロックンロールワン@町田 其の11-3
通常の漬汁と薬味も用意して下さったので、蕎麦汁と半々で頂いたが、両者は味が全くと云って良い程に違う。 そもそも濃度が違うのは、当然にしても、美味さも其々だ。 こうも違う味わいに仕立てるとは、一寸面喰らう程だ。

ロックンロールワン@町田 其の11-4
「蕎麦湯代わりに…」と嶋﨑さんが、丼に出汁を入れて持って来て下さった。 蕎麦汁を割る前に蓮華で出汁を掬って見た。 小生は、出汁の味をプロの様には判別出来ない。 だが、こんなに旨い(美味しいとは違う)と感じた出汁は初めてかも知れない。 過日、渦の芳実オーナーが日本橋に有る「出汁バー」に行かれた事を書かれて居た。 玄人な話だと思って居たが、成程、出汁とは其のテイストを楽しめるものなのかも知れないと、教えられた。 もっと味の機微の判る方にこの出汁を味わって頂きたい物だ。 少しずつ出汁を蕎麦汁に溶かして行き、味の変化を楽しむ。 わぁ、何だか感激とか感動と云うフィールが胸に迫るなぁ。 味以上の何かが其処には仕込まれて居そうだ。 (尚、フォトは色を強めて居る) 普段の漬汁も完飲したが、「何れが菖蒲か杜若」状態。 
あ、汁に心を奪われて仕舞い、書き忘れて居たが、2枚のチャーシュウや穂先メンマは、何時もの様に極上の味わいだった。 「堪能致しました」と嶋﨑さんに声を掛けて、失礼して来た。

今日のワイン 其の6012011/05/23 14:56:05

イル・カルボナイオーネ ポデーレ・ポッジョ・スカレッティ・IGTトスカーナ
IL Carbonaione 2005 Poggio Scalette

今日のワイン 其の601-1
ユウタと飲んだ2本目。 サンジョヴェーゼ・グロッソと思ったのだが、適切なブルネロがヒットしなくて、御店の方と相談してセレクト。 矢張トスカンだが、ヴィットリオ・フィオーレ。 彼のスカレッティだから、間違い無い畑だと信じて見た。 サンジョヴェーゼのヴァラエタル(オーク樽は使って居るが)。 改訂された新しい法律に基づいて、キャンティとしての出荷も可能だと思うのだが、今でもIGTで出荷して居る。 有名人だけ有って、情報は沢山ヒットする。 一番は「サンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレ」かな。 フィロキセラ禍の後、最初に植えられたサンジョヴェーゼのクローンって、話だ。 当然の高評価で、「ワインスペクテーター91点」、「ワインアドヴォケイト91点」、「ガンベロロッソ 2009のトレビッキエーリ」等が挙がる。

今日のワイン 其の601-2
紫がたっぷり含まれる濃いルビーカラーは、妙に年増の色香を感じる。 あ、御店のライティングの所為に違いない(笑)。 ブーケには可也若い印象の黒系のチェリー、少しスモーキーな印象に加えて、スパイシーな予感… 口にすると、流石に出来が宜しいとの片鱗は感じ取れるのだが、硬い。 先に抜栓して、デキャンターに移して置いて貰うべきだっと反省。 (後刻にネットで知ったのだが、このボトルはこの御店の十八番の様なので、アドバイスして欲しかったかもね。) 果実味の構成は、チェリーにプラム、シナモンと何だろう? 結構複雑と云うか、混み合った凝縮感だ。 予想した程にはペッパー等の印象は薄く、ピリっとした酸味とミネラルが前に有る。 タンニンは充分だが、熟して居るので、当たりが穏やかだ。 酸味の尖った感じは30分程で収まって来る。 こう為ると、確かに普通のサンジョヴェーゼでは無いかも…と云うマイルドな感じが際立って来る。 メルローチックとでも、云いたい様なタッチだ。 寸切れて居たアフターも繋がる様に為って来る。 恐らくは翌日に花開きそうな感じが、一寸残念。 でも、確かに秀でたボトルで有る事は充分に味わえた。
このエチケットにも優しい絵が有るが、描いたのは現在の責任者の母上との事だから、ヴィットリオ・フィオーレ氏の奥様と云う事だろう。 「真ん中が父、そして、その周りの花びらが、母と僕達4人の兄弟なんです。」との記述を見付けた。 こんなエチケットの2本を選んだのも仄々とした気分に依るのだろう。