F1 2012年 アブダビGP 決勝 ― 2012/11/05 01:01:00
トワイライトに向かうタイミングでのスタート。 ヤス・マリーナは小生の好きなサーキットのひとつだ。 ルイスが別格の走りで圧巻のPP。 マーク、セブとレッドブル勢が続いたのだが、セブは検査用の燃料不足が懸念されてマシンをコース上でストップする様に指示された。 チームからそう云われれば、止めざるを得ないが… 小生の様な悪党はシレっとして、パルクフェルメ迄走って行けば良かったんじゃないのかな、と思って仕舞う。 サンプリングされなければ、ラッキー見たいな… もう、其の燃料も残って居なかったのかなぁ?? 勿論、そんな状態にしたマネジメントのミスは云う迄も無いが。 長い審議の末、セブには予選失格のジャッジが下される。 パルクフェルメからマシンを引き出した(ギヤレシオを変更:オーバーテイク重視だよね)ので、決勝はピットレーンスタートだ。 7番手に沈んだフェルナンドには朗報だろうが、或る意味面白さが増した。
抜き難いコースと云われて居るし、ワン・ストップが大勢を占めるので、戦略のバリエーションは少ない。 SCも入るだろうから、女神に微笑んで貰えるパイロットは誰なのだろう。 セブはミディアムタイヤでのスタートを選択したが、上位勢はソフトタイヤ。
スタートはルイスが抜群、マークは駄目ダメで、キミとパストールに先行を許す。 フェルナンドも虎視眈々とマークを狙い、バックストレートエンドで4番手に上がる。
2周目にキミがミスの有ったルイスの直後に付けて居る…が、矢っ張り、ルイスのペースが上で、ギャップが出来て行く。 DRS ENABLED のタイミングで、1.2秒。 3周目に18番手に上がったセブはブルーノと接触が有った様で、ノーズの右のエンドプレートが無い。 だが、下位のマシンは彼の敵では無い様で、8周目には13番手迄上がって来る。
9周目のニコとナレインのアクシデントは肝を冷やした。 ナレインのステアリングにトラブルが有ったとかで、高速コーナー手前でブレーキングした処にニコが突っ込んだ。 ニコのマシンは舞い上がり、ナレインの頭上を掠めて、激しくバリヤに突っ込む… 二人が無事で何よりだが、当然のSC。
此の時点のセブのポジションは12番手。 だが、何が起きたんだ? ダニエル(リカルド)に突っ込みそうに為ってステアした結果、DRS区間を示すボードにノーズをぶつけた… 今度はフラップ迄壊れたので、PI してタイヤとノーズを交換…って、亦、最後尾転落だよ。 セブは「ダニエルが『止まって』」と云って居るが、そうは見えなかったぞ。
14周目にSCイン。 再スタートでマークがフェルナンドを窺うが、そうはさせじ。 ルイスが再び、逃げに掛かる。 此の日のルイスは調子が良さそうだ。 16周目にセブがロメを交わす際に完全に白線を跨いだ。 一度、ポジションを譲って、亦、抜き返したのね。 目紛るしいのぉ。 其れにしても国際映像は、安泰のトップを扨置いて、セブばっかり追う。 視聴者の心理を読んでの事だろうか。 処が好事魔多し、ラップリーダーがファステストを連発した翌周、20周目の事だった。 ルイスがマシンを止める。 燃圧のトラブルと後に判明。 此れでキミの復帰後初優勝の可能性が俄然高く為る。 翌周には遂にフェルナンドがパストールを交わして、2番手に上がる。 同じくパストールを追って居たマークだが、ヘグって接触。 ポジションを7位迄落とす。 今度はジェンソンがパストールを攻撃。 24周目にマークと違って、クリアなオーバーテイクを見せる。
26周目、マークは亦もフェリペを強引にアウトからオーバーテイクしようとして、コースアウト。 其儘、ショートカットでフェリペの処へ戻った物だから、フェリペは堪らず、派手にスピン。 此れはマーク、酷過ぎる。 でも、此の間にセブは7番手に上がり、マークの後迄来た。 マークには「セブが来て居るので、邪魔するな」と云う意図のラジオが飛ぶ。 譲る気が無い?マークに「BOX」が連呼される。
29周目にフェルナンドが最初で最後のPI 。 ジェンソン、パストールも翌周。 ピットアウトしたマークの前にはセルジオが矢張、ピットから出て居た。 31周目にキミもタイヤ交換。 見掛上、2位迄上がって居たセブの前に余裕で戻る。 3番手のフェルナンドは、セブが此処迄来て、焦って居るんじゃないかな。 まぁ、如何にセブとは云え、此儘タイヤ交換しないで行けるとは思えないが。 其のフェルナンドには、ジェンソンが迫る。
37周目に、セブにもBOXの声が掛かる。 中古のソフトタイヤで出て行く。 新品のミディアムじゃないんだ。 作業に多少手間取ったが、ロメの前で戻れた。 そんな38周目の出来事。 セルジオがポールとロメを無理な2台抜きをするのに失敗。 コース外から戻った際にロメと当り(今回はロメは悪役じゃない)、其のロメにマークがヒットして…マークのレースは御終い。 強引過ぎたマークに女神が「ハムラビ法典」を読んで聞かせたのだろう。 しかし、ラフなレースだなぁ。 ロメもマシンを降りる。 セルジオはピットへ戻り、問題が無いとの判断で出て行くが、10秒停止のジャッジ。
2度目のSCが入り、キミの大量リードは御破算に為る。 オーダーは、キミ、フェルナンド、ジェンソン、そしてセブ。 おぉ、4人のチャンピオン! セブは矢張、女神に可愛がられて居るんだ。 キミにタイヤを暖めて置く様に指示が出るが、キミの返事は「ハイハイハイ、いちいちそんな事を云わなくても判って居るし、遣ってるよ」だと。
42周目にSCが戻る。 キミはフェルナンドに1周で1.5秒のギャップを築く。 リヤが厳しく為ったジェンソンは老獪にペースをコントロールするフェルナンドを抜く処かセブに迫られ、到頭残り3周でポディウムをセブに明け渡す。 24番手スタートからポディウムは大記録だ。 フェルナンドがキミに迫れば、キミもペースを上げる。 流石にチャンピオン同士の争いは厳しくも華麗でフェアだ。 大荒れだったが、レース自体が有終の美を飾れた事は何よりだった。
あ~疲れたけど、良い物を魅せて頂いた。
F1 2012年 インドGP 決勝 ― 2012/10/28 22:15:00
セブ、レッドブルの速さは皆が脱帽で、誰もが3番手を目指す様な予選。 2番手もマークが大本命。 …で、其の通りの結果に。 ルイス、ジェンソンに続いて漸くフェルナンド。 そして、フェリペ。 同じマシンが2台づつ並ぶグリッド構成と為る。
今回もセブの圧勝、必死でマークを交わしたフェルナンドが「ダメージを最小限に抑えた」。 フェルナンドは、此の評価を聞き飽きた事だろう。
マークがやや遠慮した様に見えたが、無事に1コーナーに先頭で飛び込んだセブは、コーナー毎に差を付ける印象でオープニングラップが終わる頃には、1秒2と既に御得意の「逃げの体制」が整う。 偶数グリッドの恩恵なのか、珍しくスタートの良かったマークに続く2台のマクラーレンにフェルナンドが襲い掛かる。 2台の前に出たタイミングも有ったのだが、ジェンソンには抜き返されて、4番手で一旦落ち着く。 うむ、レッドブルの2台が速いのだが、其れでもセブがマークとの距離をジリジリと広げて行く。 4周目にフェルナンドがDRSを使って、ジェンソンを交わす。 レースに為るとシルバーのマシンはどうも速さが足りない様に思えるなぁ。 ジェンソンは6周目にルイスにも先行を許す。
10周目のセブのリードは、2.7秒。 淡々とレースは進むが、セブのタイヤマネジメントは巧みで、24周頃にマークのペースが落ち始めても、セブはファステストを出して、マークよりもコンマ5速いペースで飛ばす。 既にギャップは10秒に広がって居る。 26周目にジェンソンがPI 。 解説者の予想に反して(笑)、上位は1ストップ作戦なのだ。 33周目に為っても、セブはラジオで「未だ大丈夫」と宣ふ。 デグラレーションは全く生じて居ないのね。 其れでももう延ばす必要は無いので、34周目、最後にタイヤ交換を行う。 2秒6か…速い。 ルイスのPI を待って入り、リーディングラップの記録を継続させると云う余裕も見せた。
一方で、29周目にフェリペがPI して居た。 1周前にタイヤを交換してアンダーカットを狙ったキミと微妙なタイミングでDRSゾーンに入った。 後ろで入った方がDRSで抜けるので、寧ろ前には行きたくないと云う珍現象に為るのだ。 フェリペが「譲り勝って」、案の定、キミの前に再び出る。 フェリペには、燃料を節約する様に指示が出るが、キミに交わされる事は無かった。 33周目にPI したルイス、ステアリングも交換して3.3秒は凄い。
30周目にマークよりも先にフェルナンドが入り、マークは翌周。 二人のギャップは0.7秒。
48周目に到頭フェルナンドが、KERS が使えなく為ったマークを簡単に交わして、2番手に上がる。 此の日のレースの見所は此れで御終い。 ルイスもマークに迫って行くが順位が変わる事は無かった。
ポディウムでもインタビューでも硬い表情のフェルナンド。 どんなに頑張ってもセブの影も踏めないので有れば、そう為るよね…「諦めない」と云い乍も…
F1 2012年 韓国GP 決勝 ― 2012/10/14 19:45:28
フェリペに邪魔されなければ(とは云って居ないが)、PPはセブの物だったろうか? だとすれば、フェルナンドへのナイスアシスト?? と云う訳で、マークが久し振りに「予選だけ男」の位置に戻って来た。 当然、チームオーダーが発令されて…と為るので有ろう。 3番手にはルイスだが、ジェンソンは11番手と面白い位置に落ちた。 フェルナンド、キミ、フェリペの後ろにミサイル・ロメ。 スタートラインから1コーナー迄は極めて短いので、オープニングラップでは長いストレートと続く3コーナーが注目だ。
決勝… やや右にステアしてマシンを止めたセブ。 マークを牽制して、1コーナーで巧くインを取り先頭に。 ストレートではマークがトップを奪い返さんと果敢に攻めるが、セブはインを渡さず。 次のストレートでは、ルイスを交わして3番手に上がったフェルナンドが、更にマークの前に出ようとするも、其処迄は出来ず。 此れでトップの編隊は決まり、ルイスの後ろにはキミを交わしたフェリペが続く。
追い上げを楽しみにして居たジェンソンは、3コーナーで可夢偉と接触して早くもリタイヤの憂き目。 セルジオやニコ(最初に可夢偉が接触)との位置関係も有り、やや微妙では有ったが、可夢偉にはドライブスルーペナルティが下る。 ジェンソンにしては、珍しく激しい言葉で訴えて居たし、矢張、此のアクシデントでマシンを降りたニコと厳しい表情で語り乍、ピットに戻って来た。 鈴鹿でグッドファイトの二人だったのだが… 可夢偉もマシンの損傷が小さく無く、周回遅れで最後尾を走って居たが、レース中盤でリタイヤ。
レッドブルは願っても無い形のレース展開。 ニコのマシンを片付けるのに時間が掛かり、イエローが続き、DRSが使えない時間が長い。 もう、のっけからセブの速さは別格と云うか異次元なのか… フェルナンドは真向勝負は諦めて、少しでも上のポジションを狙う作戦を取らざるを得ない。 14周目にルイスからタイヤ交換開始。 翌周にマーク、フェリペ、キミ。 更に次の周には、セブとフェルナンド(2秒8)。
オーダーは、セブ、マーク、フェルナンド、ルイス、フェリペ、キミと変わらず。 20周目、ルイスが「此のタイヤは保たない!」と叫ぶ。 21周目には、フェリペにあっさり交わされる。 さぁ、レッドブル、フェラーリの4台がトップ4に為る。 キミもルイスを再三狙うのだが、シビアな戦いで一度は前に出たキミをルイスが抜き返す。 結局、ルイスが27周目にPI する迄、キミは抜けず。 しかし、ルイスも此儘、走り切れる事は有るまい。 33周目にマーク、35周目にフェルナンド(2.7秒)。 翌周にセブ、フェリペ、キミがタイヤ交換。 矢張、2回目のPI でも、順位は変わらず。
今回もフェリペが安定して走って居るのは、フェルナンドが前に居て、自分の事に集中して走れるからだろう。 チームからもフェルナンドに絡む指示は出て居ない様だ。
40周目頃には、ルイスのペースが落ちて来て、結局、43周目にもう一度タイヤ交換する事に為る。 オーバーテイクショーに為るかと思ったが、然程の事は無く、剥がれた人工芝を絡めて仕舞い、其後は見る処が無かった。
一方、セブには「タイヤを労れ」と云うコメントで始まって、最後には「もうどうなるかも判らない状況だぞ」と悲痛なラジオと為る。 国際映像でも各マシンの右フロントタイヤ内側のショルダー部分の摩耗が、はっきりと判る様に為る。 でも、「困ったちゃん」のセブは、セクタセルフベストなんかを出して、チームをやきもきさせる。 ギャップはたっぷりだったのだが、ファイナルラップに為ってから漸くペースダウンして、結局、バーストさせずにチェッカーを受けられた。
パーキングで待って居たエイドリアンに、セブが一言。 「一寸心配したでしょう?」、「まぁね…」。 やれやれなので有る。 エイドリアンがシャンパンファイト用に用意した水中眼鏡には、「RedBull」の文字。 そんな物も用意して居るのね。
フェルナンドがペースを上げれば、マークもリフレクトして、レッドブルのワンツーで決したレース。 2012年は、ワンツーは此れが初めてだ。 此の結果、セブが6点差でリーディングトップだ。