金星と干潟星雲2016/01/26 19:57:53

干潟星雲(M8)、三裂星雲(M20)の上部に輝く金星と云う構図は悪く無い。 両星雲は射手座に有り、夏の代表的な散光星雲。 其れを真冬の夜空に捉え、況してや明けの明星が換算420ミリの視野に一緒に収まるなら、珍しいショットだとも期待した。 25日が角距離的には一番近付くのだが、月曜日に当るので、前日の日曜日の朝に海岸で撮る計画を立てた。 上手く撮れれば、月曜日にも、と思わなくは無かったのだが…

金星と干潟星雲-04
ステラナビゲータではこんなシミュレーション。

問題は高度。
金星と干潟星雲-05
カシミールでのシミュレーションは、5時18分と云う半端な時刻。 此れは天文薄明が始まる時刻で、金星の高度は9度一寸しか無い。 光害で空が明るいので、厳しいかも… 更に西空には、月齢13.8の月が輝く…

準備を整え終わったのは前夜の22時過ぎだったが、3時に起きて、4時過ぎに撮影地に到着して設営に入る。 準備やロケハンは充分だったので、ポータブル赤道儀に北極星を捉えるのも苦労は無かったのだが…雲に邪魔をされたのは想定外。 「雲ひとつない空」の筈だったのだが、東の空のコンディションも悪く、金星が姿を現したのは薄明が始まった3分後の5時21分。 其れも薄雲越しに見え隠れと云う状況。

金星と干潟星雲-01
5時32分のフォト(縮小前)では8等星迄写って居るが、両星雲は全く確認出来ない。 コンディションが良い夏の夜なら肉眼でも判る事が有る程なのだが、今回は余りに残念な結果だ。 矢張、空の明るさと高度の低さとコンディションの悪さで、散光星雲には厳しい条件だった様だ。 …甘かったね。 天気が良くて月が無い未明に空の暗い処で…じゃないと思った様なフォトは撮れないと再認識。 地元で撮るなら、光害対策にLPRフィルターも用意しないと駄目かも…

そして、矢っ張り、寒い… 流石は1級寒波。 沖縄や台湾でも降雪を記録したそうだが、近傍のアメダス観測で-2.5度だった。 小生が居たのはアメダスから100m程の場所だったから、此の数字の通りだったろう。 一旦、撤収して車に戻り、暖まってから日の出を2枚。
金星と干潟星雲-02

金星と干潟星雲-03
此れで決定的に体調をズッコケさせた様で、風邪の症状も無いのに発熱、腹痛、関節の痛みで3日程ダウンする羽目に… 月曜日の朝は-3.7度と20年振りの寒い朝で、最低気温のワースト(ベスト?)3位を書き変えた。 屹度、神が「月曜日は行くな」と教えて呉れたに違いない…と思う事にした。