スーパームーンの十六夜2014/09/10 00:27:23

8月の満月はエクストラ・スーパームーンだった。 8月程では無いが、9月の満月もスーパームーンで有る。(簡単な説明は8月のアーティクルを参照) 何時も江ノ島のシーキャンドルを前景に置くのも能が無いので、今回はフォトテイクポイントの湘南平へ遠征した。 有名な撮影地なので早目に到着して見たが、同好の士が集ったのは日没前30分以降。 時間に余裕が有り過ぎだったので、周囲を探検。

スーパームーンの十六夜-01
レストハウスには喰堂も有り、チャーシュウメンも頂ける(笑)。 優しいオジサンが、「月が出る迄ゆっくりして行って下さい」と云って下さる。 まぁ、其処迄長居は出来ないので、更に散策。 湘南平の電波塔(のフェンス)は、恋人達が南京錠を掛ける事で良く知られて居るが、其れをフェンス毎撤去する工事中。 無粋とは云うまい、物凄い数で重さも半端ないだろう。 セーヌに掛かる橋の欄干が、同じ理由で落ちたニュースは最近の事だ。

前夜の月は満月では無かったが、「中秋の名月」だった。 天気予報では、日付が変わった後に晴れて来そうだったので、富士山とのツーショットを撮りに行く心算だった。 だが、天候の回復が6時間以上遅れたので、断念。 結局の「雨月」で、湘南の地からは2014年の中秋の名月は観望出来ず、だった。 で、翌日の夕方に満月の「十六夜(いざよい)」を江ノ島を絡めて撮る計画。 実は、此日は最寄海岸から富士山頂に沈む太陽が見られる日でも有ったのだが、十六夜を優先した。 其れは正解で、此の夕は富士山のフの字も現れなかった。

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東空のコンディションも悪くて、こう撮る筈が…
スーパームーンの十六夜-03
薄っ!

スーパームーンの十六夜-04
少し、コンディションが持ち直して…

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夜景強調モード

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次々とカップルが上がって来ては、歓声を上げる。 良い夜に来られましたね。

上述した様に、中秋の名月が満月とは限らない(最大2日の差が生じる)のだが、前年迄の3年間は、満月の日が旧暦の8月15日に当り、満月の名月と為った。(次に満月名月に為るのは8年後) 一寸、御浚いをして置こう。 旧暦では新月の日を1日とするので、15日が「満月に近い」事は間違いない。(「十五夜御月様」が満月を意味すると祖母に教わった) だが、太陽暦では新月の日は年に依って異なるので、旧暦の8月15日も毎年違う日に為る。 9月8日が旧暦の8月15日に為るのは、38年振りと相当に早い記録で、次に此日が名月デーに為るのは2033年だ。(2052年には9月7日と云う最も早い名月デーを迎える) 因みに一番遅い名月デーは、10月8日で有る。
「仲秋の名月」と云う表記も見掛けるし、小生も以前は此方を使った。 だが、秋の真中と云う意味での「中秋の名月」が妥当だと思う。 旧暦では7・8・9月が秋で、7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋と呼んだので、仲秋は8月全体を指す…でも、「8月の名月」なら其れでも良いのか… いや、三日月や上弦月を「名月」と思う人も居るから、満月(近く)を指したいなら、矢っ張り「中秋の名月」かな。

Spica の歌詞を深読みする2014/09/10 19:39:24

多くのニコ動の踊り手さんに依って、リバイバルヒットして居る「Spica」。 天文好きの小生が阿部尚徳さんの歌詞を意味も無く、強引に深読みして見た。 Spica に語り掛け、♪好きだよ♪と告白する主人公は誰なのかを知りたくて。

其の前に Spica の詩表現と実際を照らし合わせて置こう。
♪トレモロみたいに波打つ思考の角度♪
直ぐに閃く様に、変光星を意図して居るのだろう。 Spica は五重連星系と云う複雑な変光星だ。 短い4日周期の変光幅が0.1等と小さいので、当に♪トレモロみたい♪だ。

♪ワガママな歳差♪
前回も書いたが、Spica は秋分点の近くに有る明るい星なので、ヒッパルコスやコペルニクスも歳差運動の観測に利用して居た。

扨、主人公探しだ。
Spica は乙女座の主星なので、女性として良いだろう。 亦、♪船を出す♪と云う行動は男性的なので、主人公は男性としよう。 但し、♪君の名を一人つぶやくわ♪は、女々しい感じだし、♪デネボラを飛び越え行くわ♪の「わ」も女性語なのが気に為る。
因みに、其のデネボラを合わせて春の大三角形を構成する牛飼座のアークトゥルスと Spica は、「春の夫婦星」と呼ばれて居る。 橙色で男性的な色相いのアークトゥルスが夫で、青白色の Spica が妻と云う次第。 旦那の方は直径は24倍で明るさも100倍程、表面温度は4600度しか無い。 処が奥さんの方は直径600倍と云うアマゾネスで、2万3千度の超高温に支えられて、13400倍の明るさで輝く。(全て太陽比) どう見ても女性上位のカップルだ。 そして、驚いた事に旦那星は時速50万キロの速度で、奥方星に擦り寄って行って居る。 後5万年もすると、ふたつの星は並び輝くのだ。(勿論、全て地球から見ての話) ふむ、♪デネボラを飛び越え行く♪なのかな。 いや、此のコースではデネボラを越えて行く事には為らないねぇ。

Spica の歌詞を深読みする-1
先日、納涼花火大会の後、春の大三角形が未だ見えて居るのに気付いて撮った。 右下のデネボラは光害の中に溶けて居て、30秒の露光で漸く拾い出した。 左下の頂点が Spica 。 左端の三つ星は蠍座。

♪五線の上で 流れ星♪
成程、流星ならコース次第ではデネボラを飛び越えて、Spica にアプローチ出来そうだ。 だが、そんなセッカチさんの詩では無さそうだ。

♪隣にいるとき私の軌道はいつも周極星♪
「軌道が周極星」と云うのは意味を為さないが、軌道を「日周運動」とすれば、意味は通じる。 だが、Spica は、赤緯-11度に位置して居るので、南緯79度よりも南に行かないと「周極星」に為らないのだ。 其処は南極大陸だねぇ… 其れはそうとして、♪隣にいるとき♪が既に有るなら、必死に迫って来るアークトゥルスとは別人の詩だ。 近付いたり、離れたりするなら惑星と云う事に為る。 2014年でも7月には火星と土星が Spica に近付いて居る。 ♪デネボラを飛び越え行く♪だが、惑星は黄道上を移動するので、秋分点近くの Spica の近くを通る事は勿論有る。 乙女座が星占いに登場する星座のひとつな事は、どなたでも御存知だ。 では、デネボラはどうだろう。 此方も黄道十二星座のひとつで有る獅子座のβ星なので、惑星の通り道に為って居る。 おぉ、♪飛び越え♪と云う程のスピード感では無いが、歌詞の通りに為りそうなのは惑星と云う事に為る。 ♪いま歌うから♪とか♪ピアノ奏でた♪と有るので、ミュージシャンなのかも知れない。 少なくとも音楽に嗜みの有る事が条件に為る。 そんなタイプの惑星はと云えば…居ないよね。 ♪またたく星をよけ 探してた神話は 誰の味方なの♪、惑星は殆ど瞬かないので、探して居た神話は惑星に関わる物だろう。 だが、Mercury から Neptune 迄の由来の神々に♪ピアノ奏でた♪タイプは…ピンと来ない。 大体、音楽の神は、太陽神 Apollon だからね。
何だ、結局、特定出来ずか。 ♪時を止めた♪り出来る主人公は、思い当たらないしね(笑)。 著作権の関係で全ての歌詞を此処には掲載しないが、検索すれば幾らでもヒットします。