撮って見た 其の722014/05/11 23:23:00

雄藪虱(オヤブジラミ)
撮って見た 其の72-1

以前に取り上げた藪人参と花は似て居るが、葉の形状で区別が付く。 だが、藪虱なのか雄藪虱なのかは、中々難しい。 此れは花期と花柄数からして、後者だと思われる。 「花弁や実、花柄等が紫掛かるので、区別が付く」と云う記述も散見する。 ピントの甘い此のフォトでも花弁の縁に紫が見て取れる。 蕾の紫化は顕著だが、日当りの悪い場所だと此の紫判別法は使えない。 

撮って見た 其の72-2
「虱」の由来は所謂「ひっ付き虫」の実の形状に依る。 「雄」は藪虱よりも大きいと云う意図だろう。 「大(オオ)」には為らなかったのね。 セリ科ヤブジラミ属の越年草。
上述の様に区別はそう簡単では無い。 小生が良く言及する平安時代の植物書物で有る「本草和名」や「倭名類聚抄」、或いは江戸時代の「本草綱目啓蒙」に「藪虱」の記述は有るが、当然の様に「雄藪虱」は載って居ない。 区別して居なかった物と推察される。 藪虱の「ひっ付き虫」な実には、鎮痒薬の「蛇床子(じゃそうし)」と云う漢方名が有るが、雄藪虱はどうなのだろう?



奥多摩小紫陽花(オクタマコアジサイ)
撮って見た 其の72-3
コイツは同定が難しそうだ…見た途端にそう直感が走った。 洋物の「セアノサス・マリーサイモン」か… 葉序が対生なので、「クロウメモドキ科」とは違う。 次にライトブルーの花を持つ小紫陽花の土壌性変色バージョン(アルカリ性だとピンク色が出る)かと思ったが、花弁が薄いピンク色なのに対して、花糸(雄蕊の柱の部分)や萼片が赤紫色をして居る。 結論を急ぐと、
撮って見た 其の72-4
小紫陽花と

撮って見た 其の72-5
額空木
自然交雑種の「奥多摩小紫陽花」だろう。(「秩父紫陽花」の別名も有る) 以前に額空木を取り上げたが、奥多摩小紫陽花には装飾花が無く、小紫陽花の特徴の方が良く出て居る。 小紫陽花よりも葉が小さい様にも思える。
アジサイ科アジサイ属(最近はユキノシタ科には所属させない傾向)は、なんとミズキ目配下で有る。 系統と分類の話題に深くは踏み込めないのだが、最近のDNA研究の成果にはエングラーも真っ青だ。

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