麺屋KABOちゃん 其の312013/07/29 17:40:36

此の週は「小麦ヌーヴォー」の第2週。 蔦や飯田商店と名前を並べるのが、KABOちゃん。 前の週は悩んで居たが、特に「呟き」も無かったので、月曜日の昼休みに早速伺う。 あ…夜の部だけの提饗なのね… 呟きを見る前に到着して仕舞った(汗)。 其れでもカボちゃんが無理を聞いて呉れて、試作の一杯を造って下さった。 屹度、此の週は此のタイミングにしか伺えなかっただろうから、有り難く頂く。

麺屋KABOちゃん 其の31-1
漬汁は暖かいと云う「冷やしでは無いつけ麺」。 漬汁は熱々だ。 ソッと蓮華で掬うと熱いだけで無く、ピリ辛仕立でWにホット。 とは云っても、辛さは弁えた物。 湯気の中に檸檬のニュアンスが漂うが、更に別な酸味が香る。 此は梅干。 少し解して漬汁に忍ばせて有る。 熱い漬汁だが、スキっとした酸味と強過ぎない塩のバランスが良い。 魚介の風味や鶏の風味は殊更には強調せずに、「麺を浸す汁」を迎えようとして居る。

麺屋KABOちゃん 其の31-2
麺を浸す赤いスープはトマトテイスト。 濾したのかと思う程に細かい肌理が優雅だ。 「出汁トマト」とも云うべき味わいは、オリジナリティの高い旨味に溢れて居り、流石。 トマト風味の強弱をカボちゃんに訊かれたのだが、難しい。 其処だけを啜るともう少し濃くても…とか思って仕舞うが、漬汁と合わせると丁度良いと納得する。 トマト味を強めると折角の淡麗酸味が飛んで仕舞いそうだもの。 そう、両者は合体するとトリプルな酸味を構成する。バラバラに為らずに、由来の異なる酸味が織り成す風合には夏さえも溶かして行けそうだ。 冷シャブ風の豚肉もサッパリ爽やかな作品に見合った物。 しかし、手間が掛かって居るなぁ…
第2週のヌーヴォー麺は生麺で、やや太い。 濃い色の麺は非常に餅ぃ印象で歯を押し返して来る様な感覚を楽しめる。 小麦のシットリした印象が齎された美麺で有る。 つけ麺仕立にするなら、もう少し細くても良かったと御店主は仰るが、確かにそうかも知れない。 でも、酸味を特徴にした漬汁やスープなら、此で良いのだと思う。 一寸心配顔のカボちゃんだが、大丈夫、充分以上に美味しい。 酸味を合わせると云うアイデアにも感服だ。