今日の渦 其の517 還暦スペシャル ― 2013/07/19 01:01:00
久し振りにシニアワインエキスパートのCさんから渦の御誘いを頂き、日時をスケジュールして御一緒させて頂く。 芳実オーナーの奥様と愛娘ちゃん、其れに遠隔常連(笑)のK子さんが揃ったタイミングでドアオープン。

黒板には、此の夜の限定が… って、そうか還暦に合わせて下さって居るのね。 と、常連諸姉・兄が次々に来て下さる。 芳実オーナーが色々と手配りして下さった見たいで、感謝、感激だ。

乾杯はグラスビールで大人しく。
摘みもワインに合わせた品々が用意されて居る。 特に塩釜チャーシューはメッサ美味しくて、此は素晴らしい…と二皿喰った(笑)。 此はメルボルンで提饗予定との事だが、彼地でも本鵠沼でも評価されるのは間違いない。
他に頂いたのは
枝豆とピンチョスカプレーゼ。 何だ其れは? ミニトマトとモッツアレラチーズが可愛らしく串刺に為って居る。 スターターには打って付け。


味玉とメンマはCさんの胃袋へ。
夏野菜たっぷり。

ワインはエル・マセットでスタートして、

芳実オーナーが振る舞って呉れたバロナーク。 ラングドック・ルーションのバロン・フィリップ・ロートシルト。 良いボトルだ。 オーナーに感謝。
そして、シニアワインエキスパートのCさんが持って来て下さったボトルのヴィンテージは、何と1953年。 「リヴザルト・ドメーヌ サンジャン・アラモン」は酒精強化ワインで、デザートワイン的な甘さのボトル(木箱入)。 超ビターなゴディヴァのチョコレートも用意して下さって居て、凄いコンビネーションに感動。 此を有り難く、皆さんと堪能した。 此等のワインの詳細に就いては、別稿に譲りたい。

涼しげな冷酒のエチケットには、「夏やすみ」と書かれて居る。 同級生のHさんが持参されたボトル。 少しの甘さが淡麗テイストに溶けて美味しい。
主麺だが、めじろの「点」と「還暦ラーメン」の両方が有るのか… 悩むなぁ~ って、「点」をセレクト。 昔のめじろでは、漢字1文字の名称の作品が多く有った。 中でも「点」は基本の醤油味の作品だったのだが、其れを芳実オーナーが復刻させて下さったのだ。 其れだけで超嬉しいのに、丼を見て驚いた。 当時の器なのだ。 ひとつだけ保管して有ったそうだが、懐かしいデザインだ。 あ、丼の外側もフォトテイクすべきだったね。 ルックスもノスタルジックなのは、海苔と葱のカットに依る物が大きい。 「めじろ切り」と呼ばれた葱の風合が強く出る切り方(と云われて居る)。 確か、凪が今も此のカットを使って居ると伺った。 あ、カボちゃんもかな。
スープを啜って驚いた。 ちゃんと覚えて居られる訳は無いけれど、確かに古き良きあのテイストを充分に感じる。 残念な結果に為って仕舞っためじろだが、其れだけに想い出が走馬灯の様に頭を巡る。 何十年もラーメンを喰べて来たが、泣いたのは初めてだね~ 芳実オーナーの御心使いが骨に迄染みた一杯だった。
常連さんの若い女性に「還暦ラーメン」を頼ませて仕舞った。 其れも一興と云う事で…スープを少々頂いて見たのだが、めじろで云う「昔のラーメン」的な味わいに仕立てたのかな。 昭和懐古なイメージの醤油ラーメン。 何時か、もう一回造って頂けないかなぁ… こんなに飲み喰いしてからのラーメン2杯は無理だもん。

最後に確りケーキも完喰、こんな大きなパートのケーキを口にするのは、超が付く程に久し振りだ。

合わせて、180歳(笑)。
此の夜は小生以外にも還暦を迎えた方がいらっしゃったのだが、御集まり頂いた皆さんから沢山御祝いの御言葉や御土産等を頂戴して仕舞った。 とても有り難く、嬉しい。 こう遣って渦が小生を癒して呉れるなら、此からも良い歳を重ねられそうだ。
芳実オーナー始めスタッフの皆さん、常連の方々、本当に有難う御居ました。
今日のワイン 其の847 ― 2013/07/19 22:22:00
バロン・フィリップ・ド・ロートシルト・ドメーヌ・ド・バロナーク
Baron Philippe de Rothschild Domaine de Baron’Arques 2006
渦の芳実オーナーが我々3人の還暦祝いにと用意して下さったボトル。 ほぉ、何処かに5本の矢が描かれて居るのだろうか、バロン・フィリップ・ド・ロートシルトが、ムートンと同じ技法で、ラングドックのリムーで造る話題のドメーヌ。 リムーがACに格上げされたのも、政治力、財力の為せる結果と云う事か… だが、テイストは折紙付きだ。 セパージュは、メルロー50%で残りの半分をカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、グルナッシュが均等に分け合う。

テイスティングすると、やや閉じた印象が有ったので、シニアワインエキスパートのアドバイスに従って、デキャンタージュした。 少し派手だったかと案じたが、ボディの確りしたワインには丁度良かった様だ。 フォトでも判るかと思うが、褐赤色の度合が非常に高い。 カラフェの内壁を伝わって居る最中でも濃厚な色相が知れる程だ。 カラフェからは、レッド系のチェリーやストロベリー、プラム、カシス等のブーケが上品に漂う。 もっとインパクトたっぷりなのかと予想して居たので、エレガントな佇まいに驚く。 デキャンタージュする前と打って変わって、タンニンが円やかに変身して居て、厚さの有る酸味や果実の熟成感を引き立てて呉れる。 ミント、マーマレイドにカカオとか杉皮とかヴァイオレットとか…ジャンルの違う香りが溶け合って…いや、其々が個別に主張するのか…判じ兼ねて居るとオークのニュアンスが擡頭して来る。 此等が一体化する頃にバルーンでリッチな果実の底に収斂して行く。 変化が目紛るしい訳では無く、鷹揚に、そして確実に進捗して行く。 飽迄、計算されたレールに従って居るのだと、誇示するかの如く。 ミネラルがステインっぽいのは好みが分かれる処だろう。 アフターの印象はメルローが主体で、晩秋の林下を彷彿とさせる。 其処にバナナの皮位、落ちて居そうだけれど(笑)。 引きの印象だけはボルドーっぽいと云って良いかも知れない。 此れは如何にも小生好みのガッシリ濃いボトルで、流石にロックスオフの御店主は良く見抜いていらっしゃると感服仕った。
今日のワイン 其の848 ― 2013/07/19 23:23:00
ドメーヌ・サンジャン・ドゥ・アラモン・リヴサルト・ルージュ 1953年
DOMAINE Saint Jean d'Aramon RIVESALTES 1953
渦での還暦パーティにシニアワインエキスパートのCさんが持って来て下さったのは、オールド・ヴィンテージ。

勿論、小生の生年に当る。
エチケットが新しい理由がボトルの裏に仏語と平易な英語で書かれて居る。 此のボトルは日本では殆ど流通して居ないが、リヴサルトと云えばラングドックだから、此の夜の1本目と同じリージョンと云う事に為る。
フォトは明るくしてファンタジックフォーカスを施したが、良い感じだと気に入って居る。 液体の色は記憶の色に近い。 オレンジと煉瓦色を湛えたライトガーネット。 相当に燻んだ感じを見て取れる。 ブーケは淡くシナモンケーキとアフタヌーンティの様だ。 テイストは甘い。 小生はデザートワインを嗜まないが、屹度、似て居るのかも知れないと思わされる。 だが、ベタな甘さでは無く、充分なコクの有る甘味がサラっとして居る感じで、清々しいスイートなのだ。 「アラモン」は最近では余り耳にしない西班牙オリジンの黒葡萄品種だ。 嘗てはラングドックでも盛んに栽培されて居たが、其の多くは酒精強化ワイン用だったと聞く。 発酵中にミュタージュ(葡萄蒸留酒のグレープ・スピリッツを添加して発酵を停止させる作業)して、天然糖分を残すと云う製法だ。 アルコール度数が高く為るのが特徴で、此のボトルも17%だ。
Cさんが高級チョコレートのゴディバを取り出す。 カカオ度が72%と85%と云う強烈なビタータイプ。 流石はCさんで有る。 ワインの資格試験の教科書を見ると、「チョコレートに合うワイン」と云うセクションで、リヴザルトは必ず登場するそうだ。 此のワインには特に72%のタイプがピッタリで、素晴らしいコラボレーションが楽しめる。 で、フォトにもゴディバを入れて見た。 Cさんに大感謝の記念ボトルは持ち帰った。 あ、余ったゴディバをくすねたのは小生です…懺悔。