鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の8222013/03/10 23:23:00

ヴァン・ド・ターブル ブドー・デュ・スッド フレデリック・コサール
VdT Bedeau du Sud NV Frederic Cossard

半年に一度の御鮨屋さん主催の鎌倉ウォーキング。 ねぇ、3月は止めようよ… 花粉が酷いから。 鎌倉のハイキングコースは可也の部分が杉林なのだ。 サングラスのゴーグルにマスクと云う此の時期でなければ、通報されそうな出で立ちで北鎌倉の駅に降り立ったのは、朝の6時30分。 六国見山から天園ハイキングコースを経て、鎌倉最高峰の大平山へ。 快晴で南からの強風(14m)と真に花粉な日和に杉木立に突進。 雲の無い空は黄色に染まって居るが、黄砂では無く「煙霧」。 最近では珍しい現象だが、花粉が含まれて居る事は間違い無いし、見えないPM2.5も居るに違いない。 夏日に為った東京程では無いが、湘南でも22.2度と山を行けば汗が噴き出す気温だ。

鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の822-2
此れが、コイツが…

鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の822-3
青木の実…だよね。

青木の実 うつくし今朝の 深雪晴     立花乙女
青木の実 赤きが寒き 庭面哉       玉兎

の様に熟した実が冬に映える。 未だ樹に有るのは固い蕾ばかりの春先にたったひとつ見付けた若い実。 花言葉のひとつは「若く美しく」だそうで、そんなイメージが有る。

鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の822-4
逸れ者の捜索を兼ねて坂の途中で一呼吸。 山中とは云え、其処は鎌倉、携帯電話も通じます。

鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の822-5
桜葵:アニソドンテア・カペンシス
以前から気に為って居た四季咲の可愛い花を同定。 ハイキングコースに入る処の民家の玄関脇に咲いて居たピンクの小花。 特徴的な蕊から木槿(ムクゲ)やハイビスカスが連想され、アオイ科と判明すれば、後は簡単。 南アフリカ原産のアニソドンテア属。 花弁の色からだろう「桜葵」の和名を賜って居る。 「さくらあおい」か…好きかも。


鎌倉山中 花粉禍の彷徨/今日のワイン 其の822-1
ウォーキングの後の御楽しみは御鮨屋さんでの宴会。 何時も大将が赤字覚悟の大サービスをして下さる。 其処へロックスオフで仕入れたマグナムボトルを差し入れるのが恒例に為って仕舞った。 「なんて云うワイン?」と訊かれて、「『葡萄です』と云う名前なんですよ」と巫山戯て見せる。 フレデリック・コサールの「ブドー・デュ・スッド」。 南仏の田舎をモチーフにしたエチケットに描かれた風景の3本の杉は、「ようこそ」と云う意図が有るそうだが、杉にそう云われたく無い…。 あ、伊太利亜糸杉は花粉症を起こさないそうです(笑)。 手の込んだ「スーパーグルナッシュ」だそうだが、スタンダードサイズのボトルが有るのは日本用だけで、他は全てマグナムボトルと云う。 と云う事は、正当なサイズで頂いたと云う形に為った。 ノンヴィンテージに為って居るが、2008年だそうだ。 2009年は良い年では無かったと造られて居ない。
一寸ガメイ見たいな濃くは無いガーネットカラー。 酸味の中に仄かな甘味と香草のブーケ。 ややライトシフトして居るのに、ブラックベリーやブルーベリー(鎌倉でも植えて居るのを此の日見た)やラズベリーの果実感が押し寄せて来る。 タンニンらしいタンニンが酸味とミネラリーなタッチに良くマッチして居る。 若やいだフレッシュな酸味がアフターに引き、此れは中々佳いボトルだ。

杉林を過ぎて3時間もすると点鼻薬は奏功する様に為るが、眼の方は兎目から涙が止まらない。 ワインだけで無く皆さん持ち寄りの美酒を沢山飲むからだ…