紫 くろ喜 其の3 ― 2012/12/21 23:23:00
冬至。
公園の紅葉ももう終わりだが、陽射に透ける葉は未だゞ美しい。
2012年最後の秋葉詣は金曜日、「紫」の日に為った。 会議が長引いて13時前に到着。 寧ろ此れは狙い目タイムで15分程でカウンターへ。 此の日は、未喰だった「鴨つけそば」の喰券を購入。
此の細麺は素晴らしい。 ムギュとした低加水の詰りの有る喰感に加えて、風味が頗る高い。 でも、麺の風味としては異色の味わいだ。 思わず黒木さんにそう伝えると、「仏蘭西麺麭に使う強力粉だそうだ。 低加水率の製麺は、「大西さん(祐貴君)から教わった」そうだが、強力粉は黒木さんのセレクション。 此の作品に特化した麺と云って良いと思うが、正に其の為に有る。 麺自体が美味いので、ガンガン直喰しそうに為る。
先にメンマに言及して置きたい。 黒木さんがブログにも書かれて居る様に、凄く手間のかかった極太メンマは、「完全醗酵乾燥メンマ」なのだそうだ。 其れをゆっくり、子供を育てる様に5日間掛けて戻した上に、出汁醤油で2日程緩く煮るのだそうだ。 で、此のサク柔らかい喰感と適度な醤油の甘さと鰹風味に仕上がるらしい。 鴨チャーシュウは低温調理のレア仕立てで、柔らかいタッチが燦燦斗のローストポークの様だ。 味わいはスープに合わせて、ビッタシと嵌る。 御隣の女子2名は相当なラヲタさんの様でで、「吉左右」とか「大喜」とかの名前がバンバン出て来る。 そんな二人が忘れずに褒めて居たのは、此の春菊。 そう、脇役では有るが、とてもクオリティが高い。 隅々に迄行き届いた黒木さんの心配りだ。 うん、此の二人の御嬢さんは達人さんなのかも知れない。 あ、此の御皿も中々の逸品。 プレートの下が台状に為って居て、とても厚くて重い。 何らかの理由が有るのだろうな。
香母酢が目の様に見え(小生だけか)、ザックリカットした白葱との絵面が面白い。 スープのベースは勿論、醤油だが… 其の拘りは、黒木さんのブログに詳しい。 出汁は当然鴨だが、野菜の風味も強く出て居る。 見た目以上に香母酢の貢献度が高く、シャープさを齎して居る。 好みの問題だが、スープを割らずに頂く方が小生には向いて居るな。
2012年最後の訪紫だったが、佳い作品を頂いた。 此れ、相当に好き。