ロックンロールワン@町田 其の772012/07/10 19:03:32

一番電車で行って、夕方は早く帰る。 そう、ロックンロールワンの営業時間内に到着出来る様にと云うプラン。 週に一度は、町田に伺いたい物だ。

ロックンロールワン@町田 其の77-1
此の日の「2号」は、25喰だけ初期のレシピで提饗出来ると伺った。 初期も初期、嶋崎さんが16歳の頃に造った一杯の復刻版らしい。 先日も同様の企画が有ったが、今回は更に忠実に再現したとの事。 閉店時刻も近いし、未だ限定数に達して居なければ良いのだが…、と急ぎ足で到着。 扉に未だ「16才」の貼り紙が有る。 ラッキー、間に合った。 此の日の限定も、無理にでも伺った甲斐が有った。 前夜のユウタのインビテーションメールは何故か着信しなかったが、テレパシーはバッチリ感じた。

ロックンロールワン@町田 其の77-2
懐かしい記憶の中の味わいを今の味覚で楽しめる、そんな作品。 子供の頃に嗅いだラーメンの香りが、鼻孔を擽る。 此の香りには結構な力が有る。 近くに出来た団地の中に一軒だけ有った中華屋さんにばぁちゃんと行ったら、こんなラーメンを喰べた…。 あの美味しかったテイストが甦る。 だが、時を越えて出前を頼んだら、今の小生に取っては、美味しくは頂けない無い一杯が届く筈だ。 其のノスタルジーを裏切らないのは、年季の入った丼に収まった目の前の一杯だ。 嶋崎さんの仰る「気持で味わって欲しい一杯」と、小生の最初の印象は乖離して居ない。 多くは無い材料だけを用い、化学調味料を使わずに、16歳の嶋崎少年は此を完成させたのか! 此の作品に於ける材料の使い方は、「距離」だそうだ。 近くに、近くにと置いて行っては、濃くは為っても此の風合いは出ないそうだ。 遠くに配らってこそ、とか。 相変わらず、難しい御託宣なのだ(笑)。
実際にスープを啜り、丼の中の往歳を頂く。 懐古的では有っても、古臭くは無いと云う味わいで、メンマや葱に至る迄、嶋崎さんの歴史が刻まれて居る…そんなニュアンスだ。 細くてやや縮れた麺は、少し軟らかく茹でて有る。 そうそう、こんなだったかも知れないと、実際には存在しなかった過去の一杯が、記憶の断片を貼り合わせる様にイメージされて行く。 御好みで、と嶋崎さんが別皿に振られた胡椒は、S&Bのテーブル胡椒。 はは、徹底して居らっしゃるが、此のスパイシーさがピッタリに思えるのは、最早、小生は催眠状態なのだろう。 チャーシュウを喰み、菠薐草を摘み、小さな鳴門をピックアップして、三角形の薄焼玉子を頬張って、そしてスープを飲み干すと、タイムマシンは漸く2012年に帰って来た。 時に頂きたく為る、そんな一杯を何時か亦、造って下さるそうだ。