撮って見た 其の442012/05/01 07:20:57

燈台草(トウダイグサ)
撮って見た 其の44-1
一際明るい葉の色の為、名前の様に路傍で目立つ。 以前程では無いが、比較的良く見掛けるのだが、踊子草やオオイヌノフグリ程には名前が売れて居ない。 大体、花が小さ過ぎる上に、黄色い花は黄緑色の葉に紛れて見えないので、人気も無い。 良く有る花と云ったが、植物としてはオリジナリティが沢山有るので、興味深い。 何時もは植物分類体系から話し始めるのだが、コイツの場合、話は長く為りそうだ。 トウダイグサ科は335の属(分類異説多し)を有し、7500種以上の植物を抱える。 この内、1500種程がトウダイグサ属に分類されて居る…と、此処迄にして置きたい。

撮って見た 其の44-2
上のフォト(アップにして輪郭を強調)の部分が、灯明の芯を浸す菜種油を入れた皿、即ち「燈台」の様に見えるので、此の名前が有る。 海を照らす灯台では無い… 鈴振花(スズフリバナ)の別名も有る。 此の花は2年草で、雌雄異花の極めて珍しい「杯状花序」を為す。 寄せて撮ったフォトなので、判るかと思うが、杯の形をした総苞(フォトの赤丸で囲んだ部分)の中に1本の雄蕊だけを持つ雄花がリング状に並び、其の中心に此亦、1本だけの雌蕊を有する雌花が1輪有る。 退化して花弁も萼も無く、蕊だけに為って仕舞った雄花と雌花が集まり、全体で1輪のとても小さな花の様に見える。 其の廻りに見えるのは総苞片の縁に当り、腺体(フォトの緑丸で囲んだ部分)と呼ばれる。 此処には蜜腺が有り、昆虫を招き寄せて居る。 一方で、子房(フォトの青丸で囲んだ部分)は、3室構成に為って居る。 此れに合わせて、柱頭が3つに分かれて居るのが観て取れる。 此等の「三数性」は単子葉植物の特徴だが、双子葉植物では少ない。 ね、有り触れて居る割に、珍しい構成の花でしょう? 毒性が強い事でも知られて居るが、白い乳状の草液に含まれる有毒物質のユーフォルビンは「トウダイグサ連」だけに有る。
トウダイグサ属の植物の中で一番有名なのはクリスマスを飾る、ポインセチアだろう。 中心を良く観るとアイツも変わり者だと知れる。


西洋芥子菜(セイヨウカラシナ)
撮って見た 其の44-3
細身の菜の花と思って居る人が多い西洋芥子菜(西洋辛子菜とも書く)は、アブラナ科アブラナ属の2年草。 和辛子の原料(種子)や葉野菜として栽培されて居る芥子菜の原種で、地中海沿岸原産。 日本には明治時代に伝わった。 一方、芥子菜は中央アジア原産で、原種が地中海付近から東進する間に交雑(油菜と黒芥子)して、此処に定着したと云う事だろう。 其れが弥生時代に日本に伝わった様で、木瓜の記事でも紹介した「本草和名」や「和名抄」に記載が有る。 原種の方は遅れに遅れて、明治の世にやっと本邦に辿り着いたと云う事らしい。 尚、小生は未確認なのだが、「栽培品のカラシナもセイヨウカラシナもDNA検査の結果、同一種と認定されている」との記述を見付けた。 此れが正しい情報なら、前述の話も変わって来るので、追跡調査を掛けて見よう。 畑で栽培されて居る芥子菜に比べると、此方は細くて背が高い。 花の似た西洋油菜との区別は「西洋芥子菜の葉の基部は茎を巻かない」ので、容易に付く。