特級中華そば 凪@駒込 其の1 ― 2012/03/01 12:12:00
2月12日に「西尾中華そば」の暖簾が畳まれてから、一度も足を向けなかった霜降の西尾さんの御店。
月も改まったので、訪問。
2月下旬に始まる予定だった「鶏そば」(で、3月1日訪問予定を組んだ)は、見合わせに為ったと前日に西尾さんから御連絡を頂く。 御店の方針を兎や角云う立場には無いけれど、残念には違いない。 と為ると、煮干が苦手な小生が頂ける作品が有るかしらん? 塩も始まったと伺っては居たのだが… 前日の雪で冷えた所為だろうか、腰の調子が悪いので、ヨチヨチ・トボトボと歩くと足元が悪い事も有って、道が遠い。
暖簾が変わり、券売機が置かれただけで、随分と印象が変わるが、西尾さんが厨房にいらっしゃれば、店内はそう変わった気はしないかも。 店内には煮干香がするが、予想した程では無いね。 ま、花粉対策でマスク着用だから…って、外さないと喰べられない(笑)。
券売機で購入したのは、ノーマルな「中華そば」。 だが、西尾さんが鶏ベースのスープの作品も出来ると仰るので、遠慮無く御願いした。 油は煮干の物だそうだが、着丼した器からは、煮干香は殆ど感じられない。 スープを啜ると確かにオイリーな印象が少しする。 NCSの頃と同じ量の油しか使って居ないそうなので、一般のラーメンよりは少ないと云う事だね。 小生の感想も当てに為らないモンだ。 スープは穏やかな鶏醤油のテイストで、アッサリ系の味わい。 上品に設えて有るが、小生的にはもう少し濃くても良いかなって感想だ。 いや、折角の淡麗スープなのだから、此位で良いんじゃないかとも思う。 胡椒が合いますよ、と云う西尾さんのアドバイスで少々振って見たが、味が締まる様で良い。 但し、入れ過ぎに注意だ。 一反も麺も入って居るし、メンマは穂先で、嬉しいねぇ。 麺はマサ配合麺程の餅々感は無いのだが、濃くはないスープとの相性はとても良い。 凪製麺は明らかに品質が向上した。 チャーシューは以前と同じ仕様で奥が焼き立てで、手前が1日寝かせた物。 何れも相変わらずの美味加減で良いねぇ。 この作品は煮干ベースでは無いので、小生としては有り難い一杯。 でも、矢張、煮干な作品も此処では頂かなくてはね、ホント?
今日のワイン 其の696 ― 2012/03/02 01:01:00
ロエロ・ロッケ・ダンピセ マッテオ・コレッジア
Roero Roche d'Ampsej 2004 Matteo Correggia
過日、ロックンロールワンの移転1周年の際に、御贈りしたボトル。 ワイン好きの嶋崎さんと云う事で、結構練った(ロックスオフの若林さんが(笑))セレクションの中からピックアップ。 2本購入して、手許の控えボトルを渦に持ち込んで飲んだ。 若林さんのスペシャルリコメンドだけ有って、此れは素晴らしいボトルだった。 ネッビオーロで、此処迄のエレガンスをライトタッチの中で感じさせて居る。 ブルゴーニュのピノでも中々難しいフィネスじゃないかしらん。
このボトルのコルクが乾燥して厳しくかしまって居り、抜栓に難儀する。 コルク片を落として仕舞い(何と云う粗相)フィルターを通して、デキャンタージュする羽目(汗)に… 渦の芳実オーナーがパルプを使った厚みの有るプロ仕様のクッキングペーパーを用意して呉れた。 此れ以上は望めないフィルターだったので、助かった。 このデキャンタージュは結果オーライで、素晴らしいブーケがカウンターに溢れ出て行くのが見える様だった。
橙色が少し掛かった濃いガーネットのカラー。 先ずは、ブーケのエレガンスと妖艶さは特筆物だ。 柔らかい主張が込められた果実香は、プラムやレーズン、菫、其れにナッツとオレンジペコ… ネッビオーロと云うとバローロだが、このボトルはバローロ程にはヘヴィでは無い。 だが、陽気で明るい伊太利亜のライトタッチだけのボトルとは全く違う液体だ。 タッチの柔らかさは、其程では無いと云うのが正直な処だが、品性の豊かさとフレッシュネスが同居した口当たりに、自然に頬が緩む。 透明感の有るタンニンは粒子が細かく、弁えた、だが確りした酸味とうっすらと底辺に広がるスパイスのニュアンスとミネラルに良く溶けて居る。 この辺りはデキャンタージュの効果だろう。 甘さが無い訳では無いのだろうが、殆ど感じさせない処も好みだ。 14.5%と云うアルコール度数も亦、意識させられない。 アフターの引きも綺麗で、ややタンニンが残る印象が有る物のクリーンに去って行くのが素敵に思える。
毎年トレ・ビッキエーリを獲得するこのボトルはヘヴィカテゴリーでは無いが、液体の主張や存在感はバローロと同様に強く出て居る。 一方で、「バローロに負けない骨格」と云う記述を随所に見掛けるが、此れは体躯を競う様なワインでは無い。 ネッビオーロが本来持って居るポテンシャルを大事に表現した、「美しいフィネス」こそがこのボトルの魅力なのだ。
今日の渦 其の432 ― 2012/03/02 02:02:00
こんな夜に限って…と云うのは、前夜の話。 渦の芳実オーナーから、雪夜のライブの御誘い。 歌姫ふたりのイベントに駆け付けたいのは山々だったのだが、当日のスケジュール調整は難しい。 御鮨屋さんの常連さんの御招待コールにも応えられず、と散々な気分だった。 で、翌日の夜にワインを1本持って再訪。 3月の声を聞いた途端に気温が上がり、冬場に油断してセラーから溢れさせた儘のボトル達を消費しなければ為らない季節に為って仕舞った。
この夜のボトルは、ロエロ・ロッケ・ダンピセ マッテオ・コレッジア。 このコルクが開け難くて、コルク片が落ちて仕舞った。 芳実オーナーがフィルター代わりに、クッキングペイパーを用意して下さったのだが、デキャンター2本に納められたネッビオーロは、素晴らしい味わい。 思わず、ロックスオフにメール。 特にブーケの馨しさは、超が付く程だ。
久し振りに鵠沼味噌ポークを頂くが、此がこのワインにピッタリと嵌まる。 このマリアージュは鉄壁だ。
此方はオーナー御気遣いのチャーシュウの試作。 まったりとして、やや濃い目の味わいがワインにピッタリ。
暫しキューブチーズを手にこのワインを楽しむ。
この夜の主麺は、限定作品で有る「極上」の大西中華。
此は特別な作品で、この夜に伺ったのはラッキーだった。 大きなふたつの白い玉は捏状だが、材料が何なのかを訊き忘れて仕舞った。 スープは穏やかな中に芯の確りさが感じられる極上の醤油テイスト。 ライムを置いたのも新しい発想で、醤油スープに浮かべる事は少ない。 彼や此やと手の込んだ複雑な味わいだが、基本は優しい「和」の風情。 こう云うスタイルは、大西ファミリーの真骨頂だろう。 スペシャルな形で世に問う時期が何れ遣って来るので、其の日が楽しみだ。
「食べログ」と云う飲食店ランキング?で、渦が神奈川県のトップのラーメン屋さんに為ったと伺った。 何にせよ、トップと云うのは大変な事だ。 古い常連としては、渦が認められる事は、非常に嬉しい。 次は日本一だね。 え? そう云うロケーション分けは無いのかな。
翌朝が早いから…と渦を引き揚げたのだが、つい立ち寄った PortCall 。 この夜は「御揃いで」と、マスター氏。