西尾中華そば 其の2462012/01/26 01:01:00

扨、巣鴨迄来たのだからと、駒込に足を向ける。 蔦からNCS迄は歩いて15分程だ。 近道をしようと細い路地に入ると、此処にもカップル向けの建物が… この辺りは多いのねぇ。

20120125 昼_西尾中華そば
西尾さんにも「蔦、明日ですねぇ」と云って頂く。 そんな西尾さんのこの日の提案は、西京味噌の作品か新しいタレのトライアル。 で、後者を御願いした。 馬鹿中華のスープに野菜の甘さが加わった淡麗な味わい。 ずっと以前に甘さの勝った中華そばのスープだった頃が有ったが、其れをスマートにシフトさせた印象だ。 細かい葱がたっぷりなのが、馬鹿中華をイメージさせる。 メンマは2月15日の店名変更以降に使われる予定の穂先メンマだ。 此は好み。 NCSオリジナルのチャーシューも味わい深くて、好きだな。 シンプルに見せ掛けて、実は細やかに造り上げると云う西尾さんのスキルが如何無く発揮された繊細な一杯だ。 其の腕は、「西尾中華そば」で奮って頂きたい物だねぇ、とカウンターの此方側でのボヤキ節。

今日の蔦 其の12012/01/26 23:23:00

やっぱり、午前中の会議は延びる… 時計が11時30分を廻ると、皆さん並んで居るんだろうなぁと、あの顔やこの顔が思い浮かぶ。 結局、巣鴨に着いたのは、12時過ぎ。 折角だから、一番混んで居る時刻が良いだろう(笑)。 駅でDさんに声を掛けられる。 「混んでる?」 「20人位です」 挨拶もそこそこに、足早に角を曲がると、わぁ大行列だ。 良かった!! この光景を見るだけで、胸ばかりか、御腹も一杯に為った様にすら思える。

今日の蔦 其の1-1
確かに20人位の列で40分も並んだろうか。 この日は夕方からコンサートなので、思い切って午後は御休みにして来たので、憂いは無い。 縦しんば売り切れに為っても無問題。 この日は伺った事に意義が有るのだ。 とは云え、やっぱり一杯を目の前にしたいよね。 店頭には沢山の花が飾られて居る。 渦、燦燦斗、凪等のラーメン店ばかりで無く、個人の名前も散見される。 店内に案内されると、奥様がフロアを担当されて居て、厨房には祐貴君と男性スタッフが陣取って居る。

今日の蔦 其の1-2
祐貴君のヘアスタイルは大変な気合いっぷりで、気の持ち様が良く出て居る。 一回り逞しく、凛々しく為った姿は、頼もしい限りだ。

今日の蔦 其の1-3
開店から3日間は、醤油らぁ麺と煮干らぁ麺だけが、其々500円で提饗される。 御釣の無い様にとの事だったのだが、この「開店らぁ麺」もちゃんと券売機にセットされて居たのね。 迷う事無く(笑)、醤油らぁ麺のボタンをプッシュ。 暖かい店内の温度で眼鏡だけで無く、E-PL1のレンズも曇る。 厨房の動きを眺めて居たが、初日に有り勝ちなギクシャク感やトラブルも無い様で、極めて順調なオペレーションだ。 周到に、綿密に準備を重ねただけの事は有る。 祐貴君の湯切りを拝見するのも久し振りだが、堂に入った物だ。

今日の蔦 其の1-4
愈々、着丼。 シンプルに綺麗に盛られた丼(渦からのプレゼント)からは優雅な香りが立ち上って来る。 丼を持ち上げてスープを啜る。 おぉ、此は良い! 一口で其の良さが分かる秀でたスープ。 ひとりのトップスターを置くのでは無く、力の有る素材を集めて、丼全体で高いレベルの調和を取って居る。 此はコンダクターの力量を示す一杯だ。 そうか、スターは造り手なんだね。 醤油も華麗で優雅で、鶏や海産物が脇を固める。 自慢の自家製麺は、思ったよりも細い。 スープと良く絡まり、自家製麺に有り勝ちな印刷臭も皆無で、風味も喰感も申し分無い。 元々、製麺には定評が有ったが、製麺機が変わっても腕前は健在。 肩ロースとバラ肉、2種類のチャーシューとメンマも充分以上に合格点。 全てが奇を衒う事無く、当にポリシーで有る「王道」に沿った渾身の一杯だ。 正直、此処迄完成度が高いとは思って居なかった。 御見逸れ致しました。 喰べ初めて直ぐに思い付いた言葉が「温故知新」。 只の王道では無い、嘗ての強者が通った道を歩み、更に其の先に有る高みを目指す、そんな作品に為って行くのだろう。 「次回は煮干を…」と祐貴君が云うが、そうね、そうして見たい気にさせて貰えた。 うん、実に楽しみな店をスタートさせて呉れたと感謝。 沢山の方に御目に掛かった。 デザインを担当された青木さん始め、やっぱり皆さん、ちゃあんと来ていらっしゃるんだな。

余談だが、行列で小生の後ろに並ばれた男性御二人の会話が面白くて、退屈凌ぎに為った。 少しだけラーメンに詳しいと云った感じで、有る事無い事、弩外れたコメント。 大いに楽しませて頂いた。 中でも出色だったのが、「蔦」。 「此、何て読むんですか?」、「ツタだよ」、「良く読めますね?」、「暖簾に書いて有るからな」、「なぁんだ… で、どんな鳥なんです?」、「さぁな、鳥には詳しくないからなぁ」  有り難う御座居ました(笑)。