今日のワイン 其の6772011/12/31 18:17:42

シャトー ムートン・ロートシルト
Chateau Mouton Rothchild 2006

「トラットリア幸亭」の御店主、Mさんが用意して下さったのが、RP98点と云うこのボトル。

今日のワイン 其の677-1
う~ん、ムートンを頂ける日が来るとは思わなかった、長生きはする物だのぉ。 此方のセパージュは、カベルネ・ソーヴィニョン87%、メルロー13%。 有難く抜栓。 そう、1本目のプティ・ムートンと同じタイミングに開けて、スタンバイさせて置いた。 プティ・ムートンを随分時間を掛けて飲んだのだが、此方をテイスティングして見ると未だゞ開いて居ないので、此方は幸亭常備のデキャンターを使う。

今日のワイン 其の677-2
とても濃い、暗いガーネットカラーだが、す、凄い香りだなぁ… 実は抜栓後のボトルからもアロマが、湧き出して居たのだが、デキャンターから、文字通り溢れ出て来るブーケはとても強靭だ。 ラズベリー、カシスとブラックベリーにオーク樽の香り… ボルドー、此処に有りと云う主張が込められたゴージャスなブーケなのだ。 口にした際の凝縮感が見事に深い。 此れを味わうと、うっかりこの単語を使えない気がして来る。 同じ事を感じるのが、舌触りだ。 撓やかと云うか強かと云うのか、瀞味が有り、本当のベルベッティとはこんなタッチを指すのだろう。 力強いのにエレガンスに満ちた液体は、鮮やかな芳醇さでも抜きん出て居る。 何もかもが秀でた味わいに跪きそうだ。 若いヴィンテージ(本来の実力が出る迄、最低10年と云う声も有る)にも拘わらず、酸味が尖らずに居て、前述の凝縮感と相俟って円熟の旨味も齎して居る。 此れには極めてスムーズ乍、存在感の有るタンニンも加担して居る。 アフターの引きも超絶で、息を止めて更にその余韻を封じ込めて置きたいとさえ思う。
あ~やっぱり、こう云うワインは「違う」んだ。 全ての予想が凌駕されて、凛然として佇む巌を見上げる気持にさせられる。 御金持のワイン好きが、こう云うボトルにしか手を出さなく為るのも、沢山の嫉妬と羨望を胸に、少しだけ判った様な気がした。 ま、解りたく無いのかも知れんが…

今日のワイン 其の677-3
ボトルを並べて見た。 フラッグシップのボトルの方が、遥かに重いのね。 背も高いし… Mさん御夫妻に多謝。 Mさんの玄人跣の料理が、このムートンの味わいを更に引き揚げて居たのは間違い無い。 感動に捉われて居て、只1枚のフォトテイクすら遺忘して仕舞う程の圧倒的な一夜の宴だった。

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