西尾中華そば 其の1892011/03/08 21:08:58

御近所の三椏も綻んだ。
西尾中華そば 其の189-1
此れは赤花。

そろそろ、味噌はバターコーンな作品に為った頃かな…と霜降を訪ねる。 小林さんは休日。 宇都宮の花の季さんに行かれて居るとの事(羨ましい)で、厨房は西尾さん。 折角、「海老味噌」の御提案を頂いたのだが、一寸、海老の気分では無かった。 すると、「あの醤油にしましょう」と造って下さった。 先日頂いた超限定、「鶴醤(つるびしお)」と同じヤマクロ醤油さんの「菊醤(きくびしお)」でタレを拵えた作品。此れも充分以上に特別な醤油だ。 全ての「菊醤」が、そう云う訳では無いそうだが、通常、冷蔵庫で熟成させる処を敢えて、屋外に置いて熟成を進めたと云う代物なのだそうだ。 先日、西尾さんの「値段を訊かずに発注した」エピソードを認(したた)めたが、其の醤油が小豆島から届いたので、西尾さんが早速に醤油ダレを造られたと云う事だ。

西尾中華そば 其の189-2
逸る気持を抑えて、慎重に丼を持ち上げて啜る。 やっぱり、蓮華を使うよりはダイレクトに味わいを感じる為には此れがベターだ。 ファーストインプレッションは、「柔らかい」だ。 先日の「鶴醤」が研ぎ澄まされた硬派な「切れ」のタッチだったので、其のイメージを先入観として持って居た所為かも知れない。 だが、「柔らかい」は「弱い」とは全く違う。 寧ろ、強い柔らかさと云うか、芯の強さをそっと表現して居る… そんな印象だろうか。 醤油を生(き)で味わってコメントして居るのでは無く、素材を担ったラーメンのスープの味わいの話なので、醤油其物の違いやキャラがダイレクトに反映される訳では無い。 西尾さんと云う調理人の感性、表現力、調理力が加わっての最終結果として捉えなければ為らない。 実際、今回は醤油の全てを「菊醤」にした訳では無いし、醤油の特性に合わせて、細かいアジャストメントを施して居るそうだ。
「名人は名人を知る」と云う事なのだろう。 コラボレーションの素晴らしい巧さと旨さが広がる一杯だ。 当方の気の持ち様と云う事も多分に有り、先日「鶴醤」に対峙した時は、小生も正眼に構えて居た様な気がする。 今回の一杯は、普段着で楽しめる作品に為って居る。 何れが上か、と云う様な比較では無く、醤油のポテンシャルをどう活かすかと云う造り手の思想の反映だ。 「更に旨く為ったねぇ~」と常連さんが笑顔で語る、此れはそんな一杯に為った。
甘さを巧みに取り入れる西尾テイストだが、このスープは甘さの質が少し違う。 では、どう違うのだろう? 言葉で表現するのは無理が有りそうだが、敢えて云うなら、果糖に由来する甘さと、和の甘さの違い見たいな… う~ん、違うか… 良い意味で、少し霞んだ甘さなんだな…この作品は。 いや、甘さ、甘さと繰り返してはイケナイ。 決して甘いスープでは無いので… 何だか意味不明に為って来たので、今夜は此処迄に致したく御座居まする(笑)。

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