今日の渦 其の3652011/01/30 01:01:00

土曜日の夕方、日頃の睡眠不足を解消しようと惰眠を貪って居たのだが、気が付くと22時近い。 奥さんはクラス会で不在… 空腹を覚えて、急遽、渦に向かう。 そう云えば、この週は一度も本鵠沼に伺って居ないし… ラスト・オーダー迄、30分と云うのに、外に2名の姿。 後で伺ったのだが、この日は昼も夜も大変な忙しさだったそうだ。 其れは何よりだが、真逆、この時刻に外待は期待して居なかったなぁ(笑)。

今日の渦 其の365-1
何時もとは反対側の端のカウンターに着き、U君に「熱燗、70度!で」とリクエスト。 と、芳実オーナーの「良い御酒が有ります」の御提案に従って頂いたのが、此れ。 土佐の「美丈夫」の純米吟醸。 アルコール度数がやや高いが、其れを感じさせない淡麗感とコクのバランスが良い御酒だ。
後ろの灯りとカウンターの影が悪戯をして、ラベルの上のボトルが細く写ったが、此れも小生の超能力の結果として置きたい。 暗い渦の暗い席で撮ったので、ノイズ出捲りだった。 現像段階ではノイズリダクションはノーマルに設定し、Neat Image で除去した。

今日の渦 其の365-2
アルコールがワインで無くても、渦に伺ったら、此れは外せない。 チャーシュウ3種盛。 何処のチャーシュウよりも贅沢な一皿。 暗いフォトを常識の範囲で目一杯明るくして見たが、其々の違いが顕著なフォトに為った。 こんなに違うバリエーションを楽しめるのは有り難い。 吟醸酒には鵠沼味噌ポークが一番合うかも知れない。

「何時もの席が空きました」と声を掛けて頂いたのだが、面倒臭くて動かないで居ると、「気に為って仕様が無い」と芳実オーナー。 目の前に並ぶボトルから盗み呑みをしようと云う魂胆を見透かされた様だ(笑)。 で、奥のカウンターへズリズリと移動した処でのラストオーダーは、「ピリ辛醤油」。 最初、「塩のピリ辛」と御願いして仕舞ったのだが、「今の塩テイストにピリ辛は合わないので、止めて居る」との事だった。 ちゃんとメニューを見て、頼みましょう。

今日の渦 其の365-3
で、嘗ての「乱」をルーツに持つ、この作品を頂いた。 日本酒の後には、この辛味が良いかも知れない。 この作品の辛さは、担々麺の其れとは辛さのタイプが違う。 辛さが纏うのが、醤油テイストと云う事も有るが、「男性的な優しさ」とでも云いたい抑えの効いた辛さなのだ。 そう云えば、藤沢時代のめじろの「乱」は当初、男性専用として饗されて居たんだっけ。

午前0時から亜細亜蹴球大会決勝(笑)が有るそうで、あんなに賑わって居た店内も閑散として、芳実オーナーと御疲れさんのグラスを合わせる。 テキーラを御馳走に為るが、吟醸酒もテキーラも素敵だ。 世界の異なるアルコールが、無理なく手に入る… 良い時代に為った物だ。

波@鎌倉2011/01/30 23:23:00

前夜の渦で芳実オーナーから、超推薦を頂いた御店が此処。 鎌倉の「一の鳥居」より海側の若宮大路沿いに有る、「波」(WAVE)。
観光気分で藤沢から江ノ電に揺られて、和田塚で降りる。 最近の携帯電話のナビは、幅員1mの道でも、的確に案内して呉れる。 5分も経たずに、ヒョコっと云う感じで若宮大路に出て来た。 気温は低いが、春の陽光に溢れ返る海岸近くのロケーションは、滅茶苦茶快適だ。 「波」の場所はカレーの香りで直ぐに判った。

波@鎌倉-1
沢山の看板を眺めてから、夏に賑わいそうな並びの御店の前のベンチで、開店時刻を待つ。 ポカポカと陽の当たるベンチから、芳実オーナーへメール。 返って来たメールには、再び「美味しいですよ」の文字。 期待が更に高まった処で、営業中の看板が掲げられる。 定刻の5分程前だ。

波@鎌倉-2

波@鎌倉-3
「カレーつけ麺」を細麺で御願いした。 「細麺はラーメンの様な麺で、太麺は饂飩の様な麺で茹時間が10分位掛る」との事だった。 寒い日には熱盛も…と、メモが貼って有るが、初回訪問時は為るべく基本な一杯を、と決めて居る。 調理過程を拝見して居ると、大変丁寧に拵えていらっしゃるのが、良く判る。 真白なディッシュへの盛付も美しい。 カレーのスープ… 将にそんな感じの漬汁が登場。 一口啜って驚いた。 凄く美味しいカレー、其物のテイストだ。 違うのは粘度だけだ… 味わい深くて凝ったテイストのカレーがサラサラの液体!? 此れは不思議体験。 このカレーの味は本物だと感じたが、御店主は16年もカレーを造られてから、此方に開店されたとの事。 成程、カレー専門の方が造るつけ麺なのだ。 細麺とは云え、然程細い訳では無い。 此れはかじや製麺さん謹製だ。 やや黄色のカラーが強いのは、カレーつけ麺に合わせた…訳では無いんだろうな(笑)。 何れにせよ、腰の有る纏まりの良い麺で、直喰しても充分に美味しい。 満を持して、麺をカレースープに浸して頂く。 カレー味のつけ麺を頂いた事は有ったが、正(まさ)しくカレーつけ麺と呼べる作品は此れが初めてだ。 前述した様に、このスープはカレー其物だ。 だが、本格的なだけで無く、当然乍、麺と合わせる事を意識して造られた事が改めて知れる。 先のフォトの看板に偽りの無い事は、この一杯が証して居る。
麺と一緒の野菜は、白蕪、菠薐草、ミニトマト、薩摩芋、貝割に白髪葱。 此等は地元、鎌倉野菜。 更に鶏チャーシュウと味玉が添えられて居る。 この内、何れをカレースープに浸すのが、適切なんでしょうか(笑)? 小生は、鶏チャーシュウの半分と味玉だけにして見た。 あ、白髪葱は、麺と一緒にカレースープへ。 カレーに白髪葱と云うのは面白い絵面だなぁ…
そうそう、カレースープにはチキンウィッグが1本。 此れが超柔らかくて、ホロホロ。 滅多にしない事だが、骨迄しゃぶった。 此れだけ柔らかいから、そんな気にさせられる。 勿論、液体カレー(笑)が充分に浸透して居て極めて美味。

波@鎌倉-4
麺を喰べ終わったタイミングを見計って、御飯登場。 刻んだ三つ葉を乗せた御飯は、スープに落し易い様に軽く圧して有ると云う心配り。 テーブルには白胡麻と福神漬の容器が有るので、其れも加えて見た。 当然の様に美味で、カレースープには挽肉が隠れて居るので、イメージは「キーマカレー漬け」。 出汁で割って頂くのだが、サラサラ感をどれ位増すかに依って、出汁の投入量を加減すると良いだろう。 カレーのテイストはそう簡単に兵児垂れ無いので、ナーバスに為らずに、好きなだけ出汁を入れると良いだろう。 何れにせよ、美味しく頂ける。
フォトは少し御飯を喰べてから、白胡麻と福神漬を使ったので、喰べ掛けに為って仕舞った。

波@鎌倉-5
デザートにバニラアイス迄… 久し振りにアイスクリームを頂いたが、成程、カレーの口直しには悪く無い物だ。

いやぁ、素晴らしい作品だった。 カレー好き、ラーメン好きの小生には堪えられない一杯。 此れで880円とは…吃驚だ。
褒めてばっかりだと胡散臭いので、一言。 小生は味玉のテイストに就いては、良く判らないので、余りコメントしない。 この味玉も屹度、美味しいのだと思うが、冷たさが気に為った。 熱々のカレースープを頂いて居る途中だったので、余計にそう思った。 喰べ初めのタイミングにスープに落して、暖めるのが御作法だったのかも知れない。

カレーのメニューも有るが、ナポリタンとかも出来る見たいだし、壁には「今日のおでん」の貼紙も有る。 21時迄の営業だが、夜はアルコールも楽しめる様だ。 其れも亦、楽しそうだなぁ… 渦の芳実オーナーは良い御店を紹介して下さった。 今度は一緒に伺いたいものだ。

この御店の素敵さは、味だけでは無い。 先ず、店内が清潔で奇麗だ。 この御店の様に明るい店内の場合は特に此れは大事な要素だ。 そして、紙エプロンのサービス。 カレースープのつけ麺なら、必需品と思えるが、然り気無く渡して呉れる。 爪楊枝は1本、1本が透明な薄紙で包まれたタイプを使って居る。 確かに人の指が触れた物を口には入れたく無い物だ。 カウンターには、女性向けの髪留も置いて有る。 そんな心配りの優しそうな御店主に至高の作品の礼を御伝えして扉を開けると、青空が更に爽快に感じられた。