西尾中華そば 其の1392010/07/27 23:23:00

各御店の夏の限定を頂きに伺う機会を優先して、スケジュールを組み立てようとして居る?自分に気付いて、今更吃驚。 前週よりも3度低いとは云え、33度はジャケットを羽織って歩くには充分過ぎる暑さだった。 この日は西尾さんが厨房にいらっしゃる日なので、前々日に引き続いて霜降に遣って来た。 勿論、前日から始まった「冷やし中華」を狙っての事だ。 この作品は、小林さんのアイデアがベースに為って居ると伺ったが、何度かのトライアルを重ねて、最後に西尾さんが一品の具を加えたそうだ。
凄く沢山の具が乗って居る。 玉子は冷やし中華に良く有る千切では無く、ふっくらのスクランブルエッグ風。 渋谷のミィさんのオムレツを思い出す。 チャーシュウ(この日のチャーシュウは一際香ばしくて、皮肉では無くて、小生好きです)、胡瓜の鬼卸(千切は省略)、ミニトマト、針生姜、白髪葱… 西尾さんが最後に全部の具を乗せたか、入念にチェック。
そして、西尾さんの閃きが最後に加えた、鰻(前日は土用の丑の日だった)。 鰻はこの作品の味わいに見事にマッチして居る。 玉子やチャーシュウとの相性も良いし、丸で其処に有るのが必然の様に鎮座して居る。 流石、ですね。

西尾中華そば 其の139-1

普通の酢や西尾さんが中国から持ち帰った黒酢(フォト左)は却下されて、純米の富士酢(同右)を使ったそうだが、ツンと来る酸っぱさが無くて穏やかなキャラ。 でも、酢の風味は高い。 実は小生は酸っぱいのは得意では無い。 だから、冷やし中華は酸っぱく無いめじろの作品しか頂かない(この年は未喰だが)。 酢を使った冷やし中華で小生が美味しく感じる作品には、滅多に御目に掛からない。 だが、此れは其の滅多に味わえない一杯だった。 スープの量は丼の1/4程度で麺を浸す程度だが、なんと最後に丼を傾けて、酢味のスープを完飲したもんなぁ… スープのベースは鶏と魚介でNCS風だが、酢の味わいに巧みに溶け込ませた。 葱油の香ばしさや潮の香りのオイスターソースが隠し味だそうだ。 勿論、小生の舌では検知出来なかったが、何か香ばしい、と云う印象は有ったかも(笑)。

西尾中華そば 其の139-2

麺は雰囲気が違う。 だが、何時もと同じマサ配合麺だそうだ。 何でこんなに印象が違うんだ?? 先ず、外側がツルっとした印象で、少しウェイビーに為った麺は「締まった」感じがする。 どちらかと云うと、ポサポサした普段の喰感とは違う。 酢の所為かしらん? 気の所為かしらん?? 様々な具と一緒に頂く麺とスープは、将にNCSの冷やし中華。 最後にスープと一緒に外したトマトの蔕を確り噛んだ… 苦い、此れだけは頂けなかったねぇ(爆)。
西尾さんが鰻を加えたエピソードを語って呉れた。 「『冷やし中華です』って、冷やし中華が出て来て仕舞っては…ね。」 禅問答の様だが、正鵠を射て居るのだろう。 其れがニシオイズムってものだ。 だが、敢えて申し上げれば、仮令、鰻が添えられて居なくても、「NCSならではの冷やし中華」と云う評判を取れただろう。 勿論、鰻を加えた事にケチを付ける心算なんて毛頭無いが… 小林さんの実力を充分に感じた一杯だった。