春壱輪2010/03/03 23:05:41

我家の近所に家庭菜園が有る。 日当りが良いので、菜の花が大きく、大きく伸びて、1.5m以上の背丈に為った。 明らかにメタボ気味で、太いだけで無く、枝分かれを繰り返して、一寸した樹木の様だ。 此れだけデカいと、「菜の花」では無く為る様で、些か興醒めなので有る。 だが、其の足元にミニ、いやマイクロサイズのチビコが健気に花を咲かせて居るのを見付けた。 ウンと垣根越しに手を延ばして、S001 で1枚。 身長は10cm程で、此れだけサイズが小さく為ると、集団の花は付けられないので、壱輪、壱輪、大事に咲かせて居る。 未だゞ寒い日が続く。 思わず「頑張れ」と声援を掛けて見た、桃の節句のワンショット。

春壱輪

丈夫で何処でも見掛ける花だが、大量に咲くと壮観で有り、観光名所、或いは其の脇役に為る事も多い。 河津桜とのセットや、南房総の早春のイメージ(千葉県花)が定着して居る。 御多分に漏れず、菜の花にも在来種(奈良時代迄に中国から伝播)と「西洋油菜」が有る。 家庭菜園に咲くのは明らかに後者だ。 フォトテイクした小さい奴も、葉が白い蝋質に覆われて居るので、矢張、西洋系らしい。
学名は、Brassica campestris で、Brassica は、キャベツの意味。 和名の「菜の花」も「野菜(菜っ葉)の花」と云うのが、由来だ。 当然、喰用としても生産が多い。 小生も「菜の花漬」は、結構好きだ。 因みに蕾の部分を入れて売って居るのは、ほろ苦い在来種で、甘い味の西洋油菜は通常、蕾や花の部分は喰さない。 愛でて良し、喰って良しと実に結構な植物で有る。 尚、同じアブラナ科の野菜には、大根、白菜、キャベツ、ブロッコリ等が有る。

別名には、「花菜」(はなな)や「菜種」(なたね)が有り、この季節の長雨(春霖)を「菜種梅雨」と呼ぶ事は良く知られて居る。 一方、「♪菜の花畠に 入日薄れ…♪」は、尋常小学唱歌「朧月夜」の歌い出しだが、春の朧月を「菜種月」とも呼ぶ。 嘗ては、種子から菜種油を取ったが、「油菜」の呼称は今も残る。岐阜の油屋大名、斉藤道三(信長の義父)が扱って居たのが此れ。 用語としては、「(油を)絞り取る」が転じて「虐める」の意味で、「菜種にする」と云う表現が有る。

俳句は、最も有名な詩のひとつ、蕪村(菜の花好きの様だ)の

菜の花や 月は東に 日は西に

が有るが、当然、多く詠われて居る花だ。

3月7日の誕生花で、花言葉は「豊かさ、財産」。 うーん、肖りたい。

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