今日の渦 其の2802010/02/05 01:01:00

立春の朝は、東京でも2回目の冬日を記録。 前夜は奥さんが豆を買い忘れたとかで、彼方此方で追われた鬼が我家に逃げ込んだに違いない。
そんな寒い春の初日に伺ったのは、渦。 何時もと同じ小田急で扉の前に立って、待ち合わせの常連さんと二人きりで開店時刻を迎える。 「寒いでしょうから」と、5分早くシャッターが上がる。 有難たや。
セラーから1本、コート・デュ・ローヌを取り出して、チャーシュウ3種盛を頂いて… と云う定番行動。 常連さんと御皿をシェアし乍、ワイングラスを傾ける。

今日の渦 其の280-1

「砂肝のカルパッチョ」や「シーザーサラダ」、「野菜スティック」は彼女のオーダー。 2本目のボトルも御負担頂いて仕舞い、割勘負を押し付けて仕舞った。 屹度、砂肝を頂いたのは、生まれて初めて… そうなんです、自らは手を出さない喰材だが、キコキコした喰感のカルパッチョを生姜醤油で頂くと珍味で有る。

今日の渦 其の280-2

シーザーサラダは、温泉玉子が苦手の小生の為に、崩さない御気遣い… 感謝です。

今日の渦 其の280-3

マイスターの肉味噌を付けて、シャクシャクと頂くと大根や胡瓜は勿論、人参も人参以上に美味なスティックに為る。
芳実オーナーが、先日行かれたテーブルウェアのフェアでインプットして来たと云う、キャベツのポタージュは、とても素敵な作品で、冬のメニューに是非載せたい処。 小生が御願いしたこの日の小鉢は、薩摩芋のクリームスープとベーコンの炒めサラダ。 二つとも洋風の作品。 前者は諄く為り勝ちな薩摩芋の甘さが上品に出て居て美味。 R子さんの腕が光る。

今日の渦 其の280-4

この日の主麺は、スープが変わった「醤油らぁめん」を再度頂く予定だったのだが、「『味噌カレー麺』を造って見ました」と云う芳実オーナーに従って、其れを御願いする。 当然、先日伺っためじろの祐貴社長の向こうを張っての事だ。 先ず、スープを啜ると結構辛い。 勿論、カレーの辛さも充分だが、唐辛子の辛さも効かせて居る。 普段の「カレー和えそば」よりも辛度は高い。 エスニック感は、渦カレーらしく充分で、このベーステイストは小生の好みだ。 一方で味噌の風味は、カレー程には強めて居ない。 だから、カレーテイストを味噌でアレンジしたと云う印象に為る。 この点がめじろのアプローチと大分違う。 兄弟競演と云うのは、観客?サイドにして見れば、嬉しい状況だ。
麺は、やや平打のタイプでつけ麺に使って居るタイプかな? 麺の上には水菜だったかルッコラだったかが、パルメザンチーズを乗せて居る。 シーザーサラダ風の工夫だ。 スープの中にはオニオン等の野菜も沢山入って居て、此れも「カレーらしさ」が活きる点だ。

今日の渦 其の280-5

この後、更に太平楽を1杯だけ呷って、コアな常連さん御二人とタクシーの相乗りで引き上げる。 楽しい時間は4時間も瞬間に等しいものだが、こう云う場は大事にしないといけないな、と反省点も少なくない。

今日のめじろ 其の5152010/02/05 17:17:00

金曜日では有るが、夜の「金メジ」には伺えそうも無い。 其処でオフィスを早目に出て代々木にドロップイン。 色々考えるべき事が多くて(ま、偶にはね)、券売機の前でフリーズ。 後に人の気配を感じて、チト焦って、一番目立つボタンをプッシュ…って、「味噌カレ~麺」では無いか。 そう、前夜に渦で頂いたばかりだ。 其処迄えげつなく比べる心算は無かったのだが…

今日のめじろ 其の515

R店長が造って呉れた一杯は、黄金色に輝いて居る。 渦は客席側が相当暗いので、彩度と云うアスペクトでは、代々木に分が有る。 立ち昇るブーケ、じゃなかった香りは、相当に御互いが近いと思わせる。 だが、テイストは随分違う。 若しかしたら、カレーの部分は結構似て居るのかも知れないのだが、使って居る味噌が異なるにしてもスープは可也違う。 其れが全体味の差を産んで居る。 代々木のカレーの方がやや大人しく、味噌と舞台を分け有って居る。 渦の作品はカレーの中に味噌が居るのだが、めじろの作品は並立だ。 この辺は、良い/悪いは勿論、何方が美味しいの話では無いのは当然だ。 味付けの妙なので有る。
麺は何時もの全粒粉仕様で、持ち上げが巧みな麺だ。 スープテイストが強いので、小麦粉の香りは感じられないのは当然だろう。 チャーシュウは、特にこの作品用と云うのでは無いのだが、スープに浮かべるには、とても良く出来て居て旨い。 焦がし葱も結構、カレーとコラボ出来て居るし、メンマは多少柔らかいものの、普段通りだ。
カシューナッツペーストの鰹出汁溶きは、この日もスープには落とさないで、半分程、直喰して仕舞った。 いやいや、兄弟共演/競演の味噌カレー麺は、実力伯仲ですねぇ。 此方としては、楽しく、嬉しい状況に他為らない。

大ふく屋@八王子 間違い無く2回目2010/02/05 20:20:00

「大ふく屋の若きエース、八王子支店の立ち上げに密着」と云う様なコーナーをニッテレで観た。 夕方のニュース番組の中に20分程も枠を取って、戸田悠太さん(24歳)の特集だ。 本当に密着取材だった様で、何日間もカメラがユウタを追い掛けて撮った映像を20分に纏めた。 ユウタにして見れば、何日もの密着取材だったので、「あんだけ?」と云う気分にも為るのだろうが、夕喰時に20分(CM含む)の全国放送! 大変な事で有る。 開店日に合わせて、女性をターゲットにした(知らなかった)限定ラーメンを創作すると云うコンセプトの映像。 せたが屋の前島さんや大ふく屋の社長さんも登場し、厳しく、そして優しくユウタに接する。 初回試作はケチョンケチョンに遣られて、泣き乍?造り直した一杯で、見事リベンジする、と云うやや在り来たりのストーリーでは有るのだが、「やらせ」では無い様だ。 前島さんが「10年にひとりの逸材だと思って居る」と語って居らしたのが印象的だった。 VTRが流れた後に、ニュースキャスターが真面目な顔で、「戸田さんは、『近い将来、独立して、実家の近くに自分の店を持ちたい』と話していました。」と結んだ。 何時の間にか逞しく、一寸だけだが立派に成長した姿は嬉しかった。
頑張れ、ユウタ。

大ふく屋@八王子 間違い無く2回目-1

そんな映像が流れたからだろうが、放送日の翌日から、ユウタは臨時で八王子店に詰めて居る。 当初3日間の予定が6日間に延長。 連日、ユウタ人気で?大行列だと聞こえて来る。 其れでは、行って見よう。 開店日以来の訪問。 八王子は遠いので、中央ライナーの指定席を取って東京駅から55分の旅。 (中央ライナーの指定席は、携帯で取れる。 湘南ライナーも是非、そう為って欲しいものだ。)
予め到着時刻を伝えておいたので、ユウタが厨房から笑顔で迎えて呉れる。
券売機でビールと主麺のチケットを購入。 ホール係の方に訊かれて、ビールは生をセレクト。 更に主麺は並盛を選択。 色々と選択肢が有るので、ホール担当も気が抜けない。 (間違えない様にね) 生ビールを頂き乍、金魚鉢の向こうのユウタを観察。 前島社長張りのマッスルが逞しい。 湯切り等の所作にも、自分のスタイルが出来て来た。 此が最終形とは思わないが、中々様に為って居る。 時々、金魚鉢から出て来て、話をして呉れるのだが、客足は途絶えない。 漸くタイミングを見付けて、少し纏まった話が出来たが、「あ、あの人よ…、テレビに出て居たの」状態。 TV効果は売上にも、如実に出て居る様で、何よりだ。 TVに依ると8割は女性客だそうだ。

大ふく屋@八王子 間違い無く2回目-2

大ふく屋@八王子 間違い無く2回目-3

生ビールの喰券を買い足したが、瓶も選べると判ったので、其方を頂く。 益々、混んで来そうな気配を読んで、ユウタに主麺を造って貰う事にした。 例の限定作品は、当然、売切。 この日選んで居た主麺は、「中華そば肉増し」。 御徒町の経験から、此が一番。 濃厚煮干系は避けるが、責めて、チャーシュウを6枚バージョンに。 スープを啜ると、アッサリ系とは云え、煮干風味タップリ。 ベースのスープは悪くないのだが、矢張、ギャバンに手が延びる。 此で大分、落ち着く。 繰り返すが、スープのベースは悪くないので、ちゃんと頂ける。 特に麺を固目で御願いして有ったので、パキパキとした喰感に為り、小生の好みだ。 チャーシュウは、無難なタイプで美味しいのだが、格別のコメントを用意する程では無い。 メンマも太くて、何処かの其れと少し似て居るが、此方も特筆事項は無し。 当然乍、御徒町のテイストにそっくりだ。
忙しい中、見送りに出て来て呉れたユウタに手を振り、ホームへ降りる。 いや、八王子は寒いなぁ。 夕方から宵のタイミングには、八王子から相模線直通の電車が数本有る。 此方も亦、茅ヶ崎迄、延々79分の旅。 だが、何か嬉しい家路と為った。