食堂酒場 グラシア 其の102015/02/28 23:23:00

如月晦日は土曜仕事だったのだが、15時前には予定通りに終了。 では…と、倉皇(そそくさ)と腰を上げる。 向かったのは浅草橋のグラシア。 月に一度のペースで御伺いして居るのだが、2月は機会を失したかと思って居た。 グラシアは16時にはオープンして呉れる。 夜も朝も早い小生には有難いのだが、前回は16時を過ぎたタイミングでほぼ満席だったので、35分の距離を30分で歩いて、15分前に到着。 洋喰屋さんにSPと云うのも恥ずかしいが、前の校庭の賑わいをベンチで眺めて居た。
奥のカウンターでマダムと小布施の赤を選んで居ると、其処の日本酒も入荷して居るとマスターが仰る。 あの「趣味で造る」と云われて居る入手の難しいボトルだ。 以前に凪の西尾さんが馴染みにして居らっしゃる大塚の「こなから」(亦、行きたい)で頂いて以来だ。
食堂酒場 グラシア 其の10-01
丸で白ワインの様な印象を冗長させて居るのは、エチケットに並ぶ文字。 「SAKE EROTIQUE」が殊更に目を引く。 「酸いも甘いも味わったオトナの為の日本酒」と云うコメントを見たが、将にそんなイメージだ。 味わいも「甘いのに甘く無い」と云う禅問答チックなニュアンスだ。 ガバガバと何杯も頂くサケでは無い(貴重だし)、飽迄、優雅にエレガントに嗜むべし… 小生は無理だったかも(笑)。

ワインは此方。
食堂酒場 グラシア 其の10-02
第5農場のボトルと迷ったのだが、「Reserve De La Famille」に惹かれて「ムラサキ第4南農場」のメルロをチョイス。 ドメイヌ・ソガのムラサキ農園のサンシミ(有機栽培・無化学農薬栽培)のメルロだが、リューディ(命名畑)毎にボトリングすると云う手の込んだ作品のひとつ。 リューディの数は19も有るそうなので、大変な事だろう。 因みに、第4南農場の畑周りには大きな岩がゴロゴロとして居て、シャトーヌフデュパプの様…だそうだ。 柔らかいが凜としたアティテュードを備えたタンニンが、経験を積んだバトラーの様にボトルを纏め上げて居る。 熱い想いを秘め乍も、其れを赤系のチェリーやレーズンとして静かに訴え掛けて来る様は、心地酔い。 ミネラルのやや消毒薬(んな物は使っっちゃ居ないが)的なタッチは好みが分かれそうだが、テロワールの個性と尊重したい。

頂いたのは…
食堂酒場 グラシア 其の10-03
「ザブトンの八丁味噌漬け」。 仙台牛はグラシアの十八番のひとつだが、座布団と称される、肩ロースの中でも霜降(サシ)が入っている部位の美味さは格別。 其れに名古屋(岡崎だよね)の味噌が融合。 伊達家と尾張徳川家の組み合わせとは素晴らしい(笑)が、味わいのマッチングの妙は例うべくも無い。 「味噌と肉の絡みの変化をゆっくり楽しんで下さい」とマダムのアドバイスなのに我慢が効かなくて… 添えて有るのは、クリームチーズに鰹節。 箸休め以上の味わいで、此れを置いたのは流石だ。

食堂酒場 グラシア 其の10-04
「トロトロ和牛のチーズポテトグラタン」。 好物3種が重なっては、御願いしない筈が無い。 超好みぃ! 焼けたチーズの味わいは最高に好きなのだが、焼き方やチーズの素性に依っては、好きなだけに肩透かしを喰らわされる事も少なくない。 だが、マスターのチーズの焼き方は職人芸。 其処へ馬鈴薯の柔らかい牛肉… もう、只管味わうのみ。 言葉さえ要らない。 下世話な話だが、此の味わいを此のプライスで頂けるのは幸せだ。

食堂酒場 グラシア 其の10-05
「信州しめじ、舞茸、ひら茸のガーリックバター」。 締めのラーメンを確認して御腹の空容量を計算(実は朝喰から算段を重ねて居た)して、茸三昧にした。 茸は少しの例外は有るが、芋同様に好きな喰材。 特に此の3種は好いねぇ。 下に特大の舞茸が敷かれて居て、吃驚旨い。 バター風味に付けられたガーリックの匙加減が絶妙。 寧ろ隠し味的な控度が巧い。

煮干薫る掛ラーメン
食堂酒場 グラシア 其の10-06
何で洋喰屋さんのマスターがこんなラーメンを造れるのだろう。 スッキリ淡麗系の煮干醤油ラーメンだが、出汁に含まれる魚介は何? 動物系は豚や鶏じゃなさそうだけれど… まぁ、難しい事はカボちゃんに伺って見よう(笑)。 ワインと洋喰いっぱいの締に頂くとしたら、此れ以上のラーメンは無いかも知れない。 何れを頂いても飛切のグラシアだが、締めにラーメンが有るってのは、稀有にして小生的至高佚楽。

前述の様に大変賑わうグラシアなので、2時間以上の粘着は禁物。 でも、130分だったかも… 弥生の訪問の頃には校庭の桜も綻びて居るかも知れないね。

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