ポラリエテスト@朝霧高原2014/11/04 04:04:00

3連休中から天気・雲の流れをチェックして、周到にスケジュールを組んだ。 文化の日の宵の頃に新東名を新清水で降りる。 前年にラブジョイ彗星やアイソン彗星と富士山と云うショットを撮りに来た場所を目指す。 其の時よりも10度も高い気温だが、充分に寒い。 駐車場で撮影出来るのはとても有り難いのだが、予想よりも雲が取れない。

ポラリエテスト@朝霧高原-01
23時前にこんなシーン(「天体山望」に依るシミュレーション)を撮る予定だったのだが、晴れ始めた時にはオリオンと富士を1枚に収めるのは難しく為って居た。

ポラリエテスト@朝霧高原-02
ユーモラスと云うよりは、取って付けた様に無理矢理山頂を入れて見たが… 星空と地上の風景を一緒に入れるフォトを「星景写真」と云うそうだが、其れにはポラリエは向いて居ない。 で、デジカメの感度を上げて、星の日周運動が目立たない範囲の短い露光時間で撮る。 高感度撮影画像のクオリティが向上した昨今のデジカメだが、E-M5 は高価な機種に比べるとやや見劣りがする…得意分野では無いのだ。 因みに冬の大三角形が雲に覆われて居ないタイミングでシャッターを切った此のフォト(換算28mm)は、ISO:1600, F2.8 で、3.3秒の露光。 撮影後にノイズリダクションを強目に掛けたので、星の数は減った。 星は点に写って居るが、オリオン座の辺りでは収差が目立つ。 後述するが、ポラリエのテストの為に古いライカ/パナソニックのレンズ、「LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm/F2.8-3.5 ASPH./MEGA O.I.S.」を付けて居る。 富士山方向には沼津辺りの光害が大分出て居る見たいだ。

ポラリエテスト@朝霧高原-03
ソフトンフィルターで胡麻化して6秒露光するとこんな感じ。 固定撮影の場合は地上の風景を入れずに、高感度で程々の露光時間のフォトを何枚も撮って、後刻PCでコンポジット(重ね焼き)するのが一般的だ。 其処にもノウハウは沢山有るのだが、小生は通り一遍の知識しか持ち合わせて居ないので、其れは宿題にして、先ずは撮った儘。

扨、予めポラリエと特殊雲台を乗せて運んで来た新しい三脚を降ろす。 降ろした処でセットアップ出来ると云う「駐車場撮影」のアドバンテージは大きい。 特に7キロも乗せられる大型三脚の重さは(軽く為ったとは云え)年寄には厳しい。 コンパスと水準器、傾斜計を備えたパーツでポラリエの方位と仰角をラフに合わせて、極軸望遠鏡を覗くと視野には北極星が居る(筈)。 此処からは微動雲台が無いと大変だが、テレスコ工作工房特製の特殊雲台は、クランプロックした後に微動が効く。 操作にやや癖が有るが、此の雲台は素晴らしい。 此れで北極星を極軸望遠鏡の所定の位置へ導く作業が難しく無く為った。 但し、極軸望遠鏡の中に記されて居る「所定の位置」を示すガイドは夜空を背景にすると殆ど見えない。 薄い蛍光とかに出来ない物なのだろうか。 淡い赤光で対物レンズを照らして遣ると良いのだが、手が3本無いので其れは難しい。 「どこでもライト・レッド」と云う商品名の赤色LED照明は、ゴムの足を絡めて何処にでも止められると云う触れ込みだが、ロッドやアームを三脚に取り付け無いと対物レンズを照らす位置にセット出来ない。 止むを得ず安く購入したポラリエとセットに為って居た三脚を「どこでもライト」を設置するだけの為に立てる。 おぉ、此の三脚にこんな仕事をアサイン出来るなんて…無駄に為らずに良かった、良かった(笑)。
ポラリエに雲台を取り付ける機構もテレスコ工作工房の機材に変更したが、此れが秀逸。 と云うか、此の機材を見付けたので、ポラリエを買う決断をしたのだ。 特殊雲台同様に安くは無い値段だが、値段以上の価値が有りそう。 此れが無ければ、ポラリエは其程の赤道儀じゃない…と迄云えそうだ。 更に搭載する雲台もテレスコ工作工房の社長さんが推薦して下さった自由雲台を購入して、其れに E-M5 を乗せた。 老父が以前に「もう重くて駄目」と捨てようとしたフォーサーズマウントの明るいライカレンズ(古いレンズだが、3.5万円掛けてオーバーホール)を装着したので、結構ヘヴィ。 バランスウェイトのシャフトを3本使って延長。 均衡が取れると、此の重さが小指1本でスムーズに回転する。 ウェイトの重量は 700g。 此れならポラリエにも掛かる負担も小さい筈。 前振が長く為ったが、ポラリエを使った処女作が此方。 最初は大好きなオリオン座と決めて居たのです。
ポラリエテスト@朝霧高原-04
月が落ちて空のコンディションが上がった事や光害の少ない位置にオリオン座が移って来た事等も加味しないといけないが、同じ6秒の露光でもシャープに見える。 更にコンポジットすると随分違うのだろうが、其方は今後の御楽しみだ。

ポラリエテスト@朝霧高原-05
此のレンズの望遠端は換算100mm で、F3.5 。 ISO:1600 の儘で…扨、何秒開けて居たのかと云うと90秒。 追尾はほぼ完璧…かな。 思った以上の結果に満足。 勿論、未だ々だけれど、次回は換算600mm に挑戦しよう。 そして、コンポジットを勉強すれば、此の機材でもバーナードループが撮れそうだ。 でも、もっと暗い処を探さないと… え?「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」が先かって? うーん、1月には新しい OM-D も出るんだよねぇ…

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