Spica の歌詞を深読みする2014/09/10 19:39:24

多くのニコ動の踊り手さんに依って、リバイバルヒットして居る「Spica」。 天文好きの小生が阿部尚徳さんの歌詞を意味も無く、強引に深読みして見た。 Spica に語り掛け、♪好きだよ♪と告白する主人公は誰なのかを知りたくて。

其の前に Spica の詩表現と実際を照らし合わせて置こう。
♪トレモロみたいに波打つ思考の角度♪
直ぐに閃く様に、変光星を意図して居るのだろう。 Spica は五重連星系と云う複雑な変光星だ。 短い4日周期の変光幅が0.1等と小さいので、当に♪トレモロみたい♪だ。

♪ワガママな歳差♪
前回も書いたが、Spica は秋分点の近くに有る明るい星なので、ヒッパルコスやコペルニクスも歳差運動の観測に利用して居た。

扨、主人公探しだ。
Spica は乙女座の主星なので、女性として良いだろう。 亦、♪船を出す♪と云う行動は男性的なので、主人公は男性としよう。 但し、♪君の名を一人つぶやくわ♪は、女々しい感じだし、♪デネボラを飛び越え行くわ♪の「わ」も女性語なのが気に為る。
因みに、其のデネボラを合わせて春の大三角形を構成する牛飼座のアークトゥルスと Spica は、「春の夫婦星」と呼ばれて居る。 橙色で男性的な色相いのアークトゥルスが夫で、青白色の Spica が妻と云う次第。 旦那の方は直径は24倍で明るさも100倍程、表面温度は4600度しか無い。 処が奥さんの方は直径600倍と云うアマゾネスで、2万3千度の超高温に支えられて、13400倍の明るさで輝く。(全て太陽比) どう見ても女性上位のカップルだ。 そして、驚いた事に旦那星は時速50万キロの速度で、奥方星に擦り寄って行って居る。 後5万年もすると、ふたつの星は並び輝くのだ。(勿論、全て地球から見ての話) ふむ、♪デネボラを飛び越え行く♪なのかな。 いや、此のコースではデネボラを越えて行く事には為らないねぇ。

Spica の歌詞を深読みする-1
先日、納涼花火大会の後、春の大三角形が未だ見えて居るのに気付いて撮った。 右下のデネボラは光害の中に溶けて居て、30秒の露光で漸く拾い出した。 左下の頂点が Spica 。 左端の三つ星は蠍座。

♪五線の上で 流れ星♪
成程、流星ならコース次第ではデネボラを飛び越えて、Spica にアプローチ出来そうだ。 だが、そんなセッカチさんの詩では無さそうだ。

♪隣にいるとき私の軌道はいつも周極星♪
「軌道が周極星」と云うのは意味を為さないが、軌道を「日周運動」とすれば、意味は通じる。 だが、Spica は、赤緯-11度に位置して居るので、南緯79度よりも南に行かないと「周極星」に為らないのだ。 其処は南極大陸だねぇ… 其れはそうとして、♪隣にいるとき♪が既に有るなら、必死に迫って来るアークトゥルスとは別人の詩だ。 近付いたり、離れたりするなら惑星と云う事に為る。 2014年でも7月には火星と土星が Spica に近付いて居る。 ♪デネボラを飛び越え行く♪だが、惑星は黄道上を移動するので、秋分点近くの Spica の近くを通る事は勿論有る。 乙女座が星占いに登場する星座のひとつな事は、どなたでも御存知だ。 では、デネボラはどうだろう。 此方も黄道十二星座のひとつで有る獅子座のβ星なので、惑星の通り道に為って居る。 おぉ、♪飛び越え♪と云う程のスピード感では無いが、歌詞の通りに為りそうなのは惑星と云う事に為る。 ♪いま歌うから♪とか♪ピアノ奏でた♪と有るので、ミュージシャンなのかも知れない。 少なくとも音楽に嗜みの有る事が条件に為る。 そんなタイプの惑星はと云えば…居ないよね。 ♪またたく星をよけ 探してた神話は 誰の味方なの♪、惑星は殆ど瞬かないので、探して居た神話は惑星に関わる物だろう。 だが、Mercury から Neptune 迄の由来の神々に♪ピアノ奏でた♪タイプは…ピンと来ない。 大体、音楽の神は、太陽神 Apollon だからね。
何だ、結局、特定出来ずか。 ♪時を止めた♪り出来る主人公は、思い当たらないしね(笑)。 著作権の関係で全ての歌詞を此処には掲載しないが、検索すれば幾らでもヒットします。

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