Collection of Essays by Claris Two

霙だか氷雨だかが降る昼休み。　久し振りに「とうかんや」へ向かう。　こんな日に遠出しなくても…では有るのだが、この日は此処と決めて居た。　店の前で傘を差して待って居ると、「寒いでしょうから」と５分程早く開けて下さった。　御蔭様で、普段は間に合わないバスで戻る事が出来た。　この天候が寧ろ幸いして、有難い連鎖に感謝。

「カレーつけ麺」の気分で遣って来たのだが、予定を変更して、味噌ラーメンの喰券を購入。　此処の作品は何時も超熱々で、冬雨の日には嬉しい。　少し橙色にも見えるスープは、味噌らしい味噌と云うのとは違って、何処かエスニックな酸味を感じる。　色の印象に引っ張られるのかも知れないが、ピリ辛で味噌自体の濃度は濃くは無い。　ベースの出汁に味噌をアレンジした、とでも云う印象。　出汁の味わいを活かした味噌味と云うべきか。　この味わいは嫌いじゃない。　中太の麺とも有って居て、この熱さとピリ辛具合からして、細麺では頂けないだろうね。　解れ易いチャーシュウもとても美味だし、葱の風味も適当にコントロールされて居る。　木耳が沢山乗って居て、昔の渋谷の凪の様だ。　海苔の風味も高くて、好ましい。　やっぱり、「とうかんやの」と冠を付けたい、味噌ラーメンだ。