Collection of Essays by Claris Two

此処の天候の気紛れさは、他のサーキットの女神達も呆れる程だろう。　金曜日から雨に翻弄され続けたＦ１サーカスだが、クオリファイで其のピークに立たされた。　運を物に出来た者、女神を必死に追う者…　其れでも尚、ＰＰはセブの物と為った。　或いは…と思わせたルイスが２番手、パスターとの喧嘩も響かなかったのだろう。　マークが３番手…　なぁんだ、女神の悪戯にも実力者達は負けないタイムを発揮した。　尚、運を呼び込むだけの実力が無かった？パイロットは、８番手のフェルナンド、１３番手のジェンソン（チームとのコミュが取れて居ない）。　そして、２０周年記念のミハエルに至っては、タイヤが外れると云う珍事でノータイム。　まぁ、ファイナルには出られる様なので…

扨、決勝。

どうやら、雨は降らさないと決まったらしい。　ブラックアウト！　マークは何だって、あんなに下手糞なスタートなんだ？　アンチストールが働いたのだろう。　あっと云う間にポジションを大きく落とす。　ニコは最高のスタートで、２番手にジャンプアップしたと思ったら、更にセブを交わしてトップに躍り出る。　ま、３周目にＤＲＳ威力でセブがトップに返り咲くのだが…　フェルナンドがルイスを交わして、３位に上がる。　ルイスはフェリペがフェルナンドにポジションを譲った（嗚呼、セカンドドライバーの嘆き）隙に抜け目無くフェリペの前に出る。

６周目に早くもセブがピットに入って、別なソフトタイヤで出て行く。　予想通りなのかも知れないが、オプション（ソフト）タイヤはそんなにも保たないのか。　確かにドライでは殆どデータが無いスパのミシュランだが…　他車も早いタイミングで、タイヤを交換して居る。　そんなにブリスターが激しい様だ。

一方で、最初の１コーナーで色々と有った様で、ヘグったマークやジェンソンが４周目にはＰＩ して居る。　ジェンソンはプライム（ミディアム）でスタートして居たので、直ぐにオプションに履き変える事に為ったのだが、此れが後で奏功する。

７周目にはフェルナンドがニコを交わして先頭に立つが、９周目にはＰＩ 。　更にルイスもニコの前に出る。　ピットアウトしたフェルナンドは、マークを抜く。　１１周目にＰＩ したルイスだったが、１３周目に可夢偉（未だＰＩ して居なかったので前に居た）を交わした後に幅寄して、ヒット。　可夢偉もダメージが有ったが、ルイスは派手にクラッシュ。　彼のレースは終了。　ＳＣが入り、セブ、マーク、ジェンソン等多くのマシンが再びタイヤ交換。　このタイミングでのトップはフェルナンドで、マーク、セブが続く。　ＳＣインで、直ぐにタイヤの新しいセブがマークを抜いて、更にＤＲＳの解禁前にフェルナンドの前に出ると、フェルナンドは追随が難しそうだ。

ジェンソンは、この頃には８位迄ポジションアップして居た。　２２周目には、ストレートスピードの速いミハエルをバスストップ・シケインで交わした後、２３周目には粘るエイドリアン、２５周目にはフェリペを同じくバスストップで抜き去る。　ジェンソンの MP4-26 はブレーキ性能が良い見たいだが、久し振りに華麗で美しいジェンソンのドライビングを見せて呉れた。　更にオールージュからの立ち上がりで、ＤＲＳ／ＫＥＲＳでニコを２６周目に見事にパス。　チームに「How far (is it) in front?」とマーク迄の距離を訊く。　答えは「８秒」だ。　其のマークはプライムタイヤで、そこそこ速いので、追い付けるかな？

３０周目にフェルナンドがＰＩ 。プライムタイヤで出て行く。　ジェンソンの後ろに戻ったので、ジェンソンがポディウムポジションに到達。　同じく３０周目にセブもプライムに履き替えるが、フェルナンドとジェンソンの間に戻る。　３２周目にはマークがＰＩ したが、ピットアウト後直ぐにジェンソンを交わす。　さぁ、ジェンソンは何時ＰＩ して、何処に戻れるか？　其れは３３周目、オプションタイヤを履いてマークの後ろ、４番手ポジション。　３７周目、マシンと相性の良いプライム・タイヤを履いたマークがフェルナンドを抜いて、レッドブルのワンツーが完成。　フェルナンドの背後には、ジェンソンが迫り、４２周目のレコンヌで抜き去り、遂に３位確定。

目紛るしいポジション変移の有ったレースを制したのはセブ。　ジョン・サーティーズの振るチェッカーを受ける。　トルコ以来のレッドブルのワンツーの後ろには大健闘のジェンソン。　そしてフェルナンドが続く。　２４番手（最後尾）スタートのミハエルが、終盤に５番手を走るニコに迫る。　で、ガス欠気味のニコを残り３周のタイミングで抜いて…　吃驚の５番手でゴール。　ロートルファイトが御見事でした。